【天風録】:タブレット忍者
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:タブレット忍者
ことしの「現代学生百人一首」入選作に見つけた。〈家の中授業を受ける弟の背後を通る私は忍者〉小塚萌愛。東洋大が毎年、中高生の短歌を募集し、選んでいる。オンライン授業ももはや日常なのだろう
▲そんな生活は、もっと幼い子どもたちに及んでいる。タブレット端末に体温や体調を入力して学校から届いた時間割を確かめる…。小学校に通うわが子も、オミクロン株によって「新しい日常」を余儀なくされている
▲猛威を振るうウイルスに、広島市内でも学級閉鎖や臨時休校が相次いでいる。端末を子どもに持ち帰らせ、オンライン授業やリモート学習を進める学校も増えているようだ
▲政府が1人1台の配備を急いだ端末は、感染の広がりを抑えつつ学習機会を守るのには欠かせない道具なのだろう。ただ小さな子どもだけでの操作は難しそう。落としたりジュースをこぼしたりしないかハラハラする。ネット環境の整わない人やITが苦手な保護者だっていよう
▲もうしばらく抜き足差し足で背後を通る「忍者」でいなくてはならない。広島、山口両県へのまん延防止等重点措置の延長が決まった。子どもたちが耐え忍ぶ生活を、そろそろ終わりにしてやりたい。
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2022年01月26日 06:57:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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