路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①・01.12】:孤独・孤立対策 希望を生む支援の充実を

2025-01-12 06:05:50 | 【超高齢化・過疎・孤立・終活・認知症・サ高住問題・人口急減・消滅性自治体】

【社説①・01.12】:孤独・孤立対策 希望を生む支援の充実を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・01.12】:孤独・孤立対策 希望を生む支援の充実を

 人知れず孤独・孤立に悩んでいる人がいる。頼れる相手を見つけられず、立ち尽くしている人もいる。こうした人たちが、人とのつながりを実感できる社会を築きたい。

 2023年の政府の実態調査によると、孤独感が「しばしばある・常にある」「時々ある」「たまにある」と答えた人の合計は約4割だった。

 21、22年の調査結果と比べても大きな違いはない。交流サイト(SNS)で手軽につながる時代でも、かなりの人たちが孤独を感じていることがうかがえる。

 年代別に見ると、高齢者より20~50代の方が高い。未婚者、家族と離別した人、健康状態の悪い人、世帯収入が低い人ほど孤独・孤立の傾向が強まると分析している。

 気になるデータがもう一つある。自殺者の数だ。

 10年代は10年連続で減り、19年に過去最少の2万169人となったが、20年以降は増減を繰り返している。下げ止まりは明らかだ。

 自殺には複合的な要因が絡み、多くは健康や家庭の問題、経済状況などが背景にあるといわれる。

 こうした状況から、孤独・孤立対策推進法が昨年4月に施行された。孤独・孤立は誰でも人生のあらゆる段階で生じ得ることを前提に、国や自治体の対策を規定する。

 個人の問題ではなく、社会の問題として克服する一歩と受け止めたい。

 対策として、悩んでいる人が「助けて」と声を上げやすい社会づくり、24時間対応の相談体制整備、地域での居場所の創出、NPOとの連携強化などを挙げた。早急に具体化させる必要がある。

 自治体や市民団体で協議会を設け、対策に取り組むことも促している。

 まず必要なのは、孤独・孤立による悩みや困り事があるのに、相談相手がいない人、我慢している人を把握することだ。支援策を伝える手段も工夫したい。

 先行する自治体には参考になる取り組みがある。

 北九州市は、高齢者の孤立死をきっかけに「いのちをつなぐネットワーク」と名付けた事業を08年度に始めた。

 自治会やかかりつけ医、民間事業者などが協力して地域の網の目を細かくし、高齢者に限らず支援が必要な人の孤立を防ぐ仕組みだ。区役所にコーディネーター役の専任の担当者を配置し、官民のサービスに結びつける。

 福岡市では13年度から企業などの協力を得て、高齢者の見守り活動を推進している。食を通じ、多世代が交流する居場所を運営する民間団体への支援も強化している。

 孤独・孤立に直面する人には、病気や家族関係、経済的困窮のように、他人が触れにくい問題を抱える。

 当事者の心情に配慮し、話ができる関係づくりから始めたい。「1人ではない」と思ってもらうことから希望が生まれるはずだ。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月12日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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