「維新の会」の捏造「リスト」問題はテレビでほとんど報道されていない!テレビが橋下「維新の会」の応援団になっていることが再確認できたのは何よりだ。だからこそ、今回の問題の意味を深めていくことが大事だと思う。そこで考えてみた。
この捏造「リスト」事件、これもまた労働組合を攻撃するための「やらせ」であり、そして公務員労働者を橋下市長の意のままに操る、これは突き詰めていけば市民サービス低下のための「やらせ」だ。以下の記事がそのことを示している。
捏造リスト提供者が維新塾応募 「橋下市長を応援」2012年03月28日02時02分
提供:共同通信 http://news.livedoor.com/article/detail/6409459/
大阪市交通局の非常勤職員の男性(32)が職員情報を含むリストを捏造したとされる問題で、男性は大阪維新の会が次期衆院選の候補者養成のために発足の「維新政治塾」に応募していたことが27日、関係者への取材で分かった。交通局の調査に男性が捏造を認め、維新の会の杉村幸太郎市議に郵送したと説明していることも判明。関係者によると、男性は以前から維新の会や代表の橋下徹市長の活動を「応援している」と話していた。
リスト捏造元嘱託職員、維新塾に応募…選考で落選(2012年3月28日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120328-OYO1T00526.htm
昨年11月の大阪市長選を巡り、前市長への支援を求める職員労組名義の職員リストを捏造(ねつぞう)した市交通局の元嘱託職員(32)(27日付で解雇)が、大阪維新の会の「維新政治塾」に応募していたことがわかった。ただ、維新は政治的中立性の観点から市職員の受講を認めておらず、元職員は書類選考で落選したという。 元職員からリストの提供を受けた維新の杉村幸太郎市議によると、元職員とは昨年、維新が市内全区で開いた区民会議を通じて知り合った。政治塾への応募は先月末、元職員から打ち明けられたという。市幹部によると、元職員の職場のパソコンには維新のホームページを閲覧した形跡があった。維新側に取り入るため捏造リストを提供した可能性もあるが、杉村市議は「政治塾に入れてほしいと頼まれたことはない」と話している。
今回橋下市長の大阪市の職員が市のパソコンを使って捏造「リスト」を作っていたようだが、この間橋下市長が言っていたことからすれば、大問題だ。個人情報の漏洩という点からみても、かなりの「不祥事」だな。しかも、この個人情報が橋下「維新の会」のために使われたのだから、もう話にならない。
橋氏「維新の会」は、この捏造「リスト」事件を使って「税金で食っている公務員はルールを守れ」と条例制定の波を作ろうとしていたことは明らかだ。まさに自作自演の「やらせ」だったのだ。これまでもそうだったが、世論誘導によって己の政治を貫徹しようとしたのだ。
大阪市交通局:市長選リスト問題 捏造断定 何のため 組合「犯人視責任を」、維新「追及問題ない」2012年3月27日
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120327mog00m010013000c.html
リストは何のために作られたのか--。大阪交通労働組合(大交)が昨年の大阪市長選で作成したとされた平松邦夫・前市長の推薦人紹介カード配布リストは、一転して職員の捏造(ねつぞう)と断定された。職員は事実を認めておらず、動機は謎のまま。組合と市の選挙協力の証拠と指弾してきた大阪維新の会市議団は「議会で取り上げたことに問題はなかった」と釈明するが、ぬれぎぬを着せられた形の組合側は「開き直りだ」と批判している。【原田啓之、津久井達】
「法を守るべき公務員としてあるまじき行為で、誠に情けない」。26日夕、市役所で西口進・総務部長ら交通局幹部3人が記者会見し、謝罪した。
幹部らはこの数時間前、昨年5月に1年契約で採用された事務補助の男性非常勤嘱託職員(非組合員)を問いただしていた。当初は「知らない」と無関係を装ったが、パソコンの履歴を「動かぬ証拠」として突きつけられると絶句したという。
聞き取りに立ち会った市特別顧問の野村修也弁護士は「この職員には、局内で推薦人紹介カードの配布など選挙活動がまん延していることへの問題意識があった」と捏造の背景を推察した。
交通局の非常勤嘱託職員は二十数人。この問題を追及してきた維新の杉村幸太郎市議(33)=平野区選出、1期目=がリストの提供を受けたのも「非常勤嘱託職員」だといい、同一人物かどうかに注目が集まる。
杉村市議によると、大交の選挙活動に憤りを感じていた点も同じ。昨秋から接触し、大交が市長選期間中に配布した違法な選挙ビラを含め、数件の情報提供を受けた。リストは「組合支部長が職場のリサイクルコーナーに置いた資料を持ってきた」と説明。捏造発覚後、入手ルートなどを確認しようとしたが、26日夜の時点で連絡が取れていないという。
杉村市議は「疑惑があれば議会で質疑するのが私の仕事。間違ったことはしていない」と険しい表情で語った。橋下徹市長も報道陣に「トップとして申し訳なく思う」と陳謝する一方、「職場内での政治活動という事実自体が消えたわけではない」と持論の組合適正化を進める考えを改めて表明した。しかし、“犯人視”された組合側は怒りが収まらない。リスト問題の報道後には事務所へ抗議電話が殺到したという。ある組合幹部は「議会でならでっち上げでも取り上げていいのか。発言の影響を認識し、責任を取るべきだ」と批判している。
………………………………………………………………………………………………………
◇組合リスト問題の経過◇
<2011年>
11月27日 大阪市長選で「大阪維新の会」の橋下徹代表が平松邦夫前市長を破り当選
<2012年>
2月 6日 杉村幸太郎・維新市議が平松前市長の推薦人紹介カードの配布リストの存在を公表、組合に嫌疑が向けられる。組合は作成を全面否定
〃 7日 橋下市長がリストの信ぴょう性を調査する方針を表明
〃 10日 市議会市政改革特別委員会で杉村市議がリスト問題を追及
3月 2日 組合が無印公文書偽造・同行使などの容疑で、容疑者を特定せずに大阪地検に告発
〃 14日 維新市議団が地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで大阪地検に告発
〃 26日 市交通局が30代の男性非常勤嘱託職員がリストを捏造したと発表
橋下市長の発言をみると、この捏造「リスト」の「やらせ」を反省していないことが良く判る。「口元チェック」の時、校長を弁護し、「命令」を出したのは教育委員会だと、自分の誤りや責任は不問に付していた。しかも、人権問題ではなく程度の問題に矮小化されてしまった。
今回も市長は「申し訳ない」と口では言っているが、本当のところはそう思っていない。杉村市議は「疑惑があれば議会で質疑するのが私の仕事。間違ったことはしていない」、橋下市長は「職場内での政治活動という事実自体が消えたわけではない」と捏造「リスト」を利用したことについての、誤りとその責任については、全く反省していない。それどころか、正当化している。
大阪市議会 リスト捏造で紛糾(2012年3月28日 読売新聞)http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120328-OYO1T00165.htm?from=top
審議が紛糾する大阪市議会に臨む橋下市長(27日午後10時8分)=竹田津敦史撮影
大阪市議会は最終日の27日、捏造(ねつぞう)された職員リストを基に市交通局の労働組合を追及した大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)の市議への対応などを巡って紛糾。原発住民投票条例案は否決したものの、橋下市長の就任後初の編成となる2012年度一般会計予算案など主要議案の採決は28日未明にずれ込んだ。 本会議は27日午後2時40分すぎに開会したが、会派間の調整がついていない事項が多かったため、数分後に休憩入り。議場の傍聴席にいた市民らから「エー」というどよめきが起きた。 市議が退席すると、橋下市長は審議が深夜に及ぶことを見越し、傍聴者に冗談めかして、こう言った。
「これが市議会です。最低でしょ。今日は帰った方がいいですよ」
最ももめたのは、職員リストの捏造問題だ。午後4時半すぎに開かれた交通水道委員会の代表者会議。 自民市議は、この問題について維新代表である橋下市長に記者会見を開いて説明するよう要求。民主系市議も2006年の民主党の偽メール問題を持ち出し、「(偽メールを国会で取り上げた)議員は辞職した」と畳みかけ、共産市議も維新市議の責任を追及する協議会の開催を要請した。 維新側が「いったん持ち帰って対応を協議する」としたため、2時間以上中断。最終的に、交通局長から捏造の経過説明と謝罪を求めることで各会派が合意したものの、維新市議や橋下市長への対応についてはまとまらず、28日に再協議することになった。維新幹部は「なぜ予算を審議する委員会でそんな話を持ち出すのか」と憤った。
「最低」なのは、橋下「維新の会」だ。「予算を審議する委員会で」と正当化しているが、今回の問題の背景や原因の究明、「維新の会」がどのように関係したかなど、事実経過を説明する責任があるのに、それを棚にあげていることこそ問題だ。ま、「説明」したとしても免罪できないのは当然だ。責任を果たせということだからだ。何故ならば、これまでは橋下市長と「維新の会」が言ってきたことを、そのまま自分たちに当てはめて考えろということだ。こういうことを許しておくから、「やらせ」や橋下「維新の会」が「民意」を口実にやりたい放題になるのだ。
この問題は橋下「維新の会」にとって致命的な問題であるのだが、そうなっていない!
それにしても、こういうやりとりがあるのに、マスコミは、この「やらせ」の意味を語らず、テレビで連日報道もしないのだ。橋下市長は、北朝鮮の「ミサイル」問題、民主党内の消費税問題に助けられているようにも見えるから、笑ってしまう。
今回の「やらせ」が起こるのはマスコミにも大きな責任がある。捏造「リスト」づくりも、マスコミが橋下「維新の会」を時代の寵児であるかのようにもてはやしたからだ。しかもこのような「不祥事」を続けても橋下市長が跋扈できるのは、マスコミの対応が大きな要因だ。今後もマスコミの対応を監視していきたい。第4の権力が、国民目線を忘れた時、どんな国になるか、注視していきたい。
またしてもやらせの政(まつり)起こりたり免罪の符を難波のムラに