愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

沖縄施政権返還40年を明日に控え対米「従属」を自覚できない日本の今後を考える

2012-05-14 | 日記
明日1972年5月15日沖縄がアメリカ憲法下から日本国憲法下に移行した日だ。あれから40年も過ぎた。

核も基地もない全面返還はウソだった。核密約があったし、今もって米軍基地が沖縄の自立を妨げている。基地が全面的に返還された場合、沖縄がどのように経済的に発展するか、その発想も、想定も、想像もできない日本国と国民がいる。

1945年8月15日、1950年4月28日、そして1972年5月15日は沖縄県民ばかりか、日本国民にとって忘れてはならない日だ。奄美も小笠原も忘れてはならない。が、今日は触れない。

何故日本国と国民は「屈辱」を屈辱と考えないのだろうか。その思考回路を解明していく必要があるのではないだろうか?そこで。昨日も書き留めたことだが、「屈辱」と考えない理由をいくつか考えてみた。

1.「本土」の「差別」「不平等」論があるのは「朝日」「沖縄タイムス」、「毎日」「琉球新報」の「世論調査」によって明らかにされた。だが、こうした「論」は日米安保条約から発生した「論」であることを覆い隠すものだ。

2.これだけ日本国民=同胞が虐げられているのに、自分のこととして考えることができないのは何故か、だ。ま、自殺者が14年間も3万人が続いているのに、他人事なのだ。憲法の前文が活かされていないのだ。

3.だが、こうした思考回路は、他の分野でも現れている。それは、これだけ非正規労働や契約労働者の大半がワーキングプワーとなり、彼ら街をウヨウヨ歩いているのに、労働者同士が連帯しないのは、「公務員改革」と称して公務員の人数と賃金を減らせという声と感情が醸成されていることに象徴される。非正規労働の横行によって内部留保が年々蓄積されているのに、公務員を減らせば、住民サービスが低下するのに、公務員賃金が下げられても、民間賃金が上がることはないのに、いや寧ろ公務員賃金値下げと民間賃金は悪魔のサイクルとして密接に連動して、下がり続けているというのに、だ。

4.全国各地の米軍基地のある街と沖縄が連帯できないのは、以上のような構造があるのではないだろうか?明日の社説が楽しみだ。各社は何を書くか。

5.40年もの間、日本の領土が他国によって軍事占領されていた歴史の重み、が1951年9月8日にサンフランシスコ条約とあわせて日米安保条約が締結されて以降、60年が過ぎた。これは日本国憲法下で起こったことだった。そこで、この60年の長さと、その意味を考えてみた。

(1)日本が中国に軍隊を駐留する権限を得たのは、1901年9月7日に締結された北清事変に関する最終議定書が最初だ。以後1945年8月15日まで皇軍は中国大陸を軍事占領することになった。44年間だ。

(2)朝鮮半島ではどうだっただろうか。1882年8月30日締結された済物浦条約が最初だが、1885年4月18日締結された天津条約があり、駐留は中断することになる。だが、正式には1904年(明治37)2月23日に、日本と大韓帝国との間で締結された条約以後、皇軍が1945年8月まで朝鮮半島を軍事占領することになる。41年間だ。

(3)日本帝国主義が中国・朝鮮に皇軍を駐留させた時間より長く米軍の「軍事占領」が続いているのだ。これは、このままいけば、ほぼ永久に、だ。

(4)日本国民は、この事実をどう受け止めるのだろうか?しかも、自らが働いて稼いだカネを差し出して、だ。今のままではずっと米軍に貢ぐ、差し出すことになるのだ。

(5)自分たちの賃金が低いことを理由に、「公務員賃金を下げろ」と叫ぶ国民。「財政危機だから、社会保障に使うのは、ある意味やむを得ない、消費税増税も仕方ないという風に考えている国民が米軍には「思いやり」のカネを差し出しているのにだ。

(6)さらには、かつてはソ連、現在は中国の脅威、ならず者国家北朝鮮から日本を守ってくれる「抑止力」としての米軍に泣けなしの税金を差し出しても、仕方ないと考えている国民、その国民は、憲法9条を使った外交努力を政府に強く迫るのではなく、米軍に「貢」のは仕方ないと思っているのだ。

(7)憲法9条に基づく外交よりも、米軍や自衛隊に使う「軍事費」による「抑止効果」の方がはるかに価値があると考えているからこそ、「軍事費削減を」の声は「公務員賃金削減」のようには上がらないのだ。

(8)しかも、この国民の泣けなしの税金を軍事ではなく、平和のための手段として使い、新たな価値と富を作り出すなどという発想は、どこからも出てこないのだ。

6.こういう疑問が国民の中に浮かばないのは何故だろうか?以下の二つの条約が戦後の日米の関係をつくってきた。最初は、たった五つの条文、二つ目は10の条文で、だ。
注目点は、米軍占領の理由について、だ。これらは、かつて大日本帝国が中国や朝鮮に考えていた発想を同じものがあるのだ。それを、今日本がアメリカによって「押し付け」られてているのだ。だが、圧倒的多数の日本国民は、そんなことをほとんど考えてもいない。寧ろ賛同しているのだ。

新安保条約の第一条は、皮肉にも「抑止力」論を否定していないだろうか?以下二つの条約をみて、今日はこれでオワリとする。

日米の主従の絆血税の行方も知らぬあまたの民に


(1)日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約(1952年~1960年)
前文
日本に独自の防衛力が充分にいないことを構築されていないことを認識し、また国連憲章が各国に自衛権を認めていることを認識し、その上で防衛用の暫定措置として、日本はアメリカ軍が日本国内に駐留することを希望している。また、アメリカ合衆国は日本が独自の防衛力を向上させることを期待している。平和条約の効力発行と同時にこの条約も効力を発効することを希望する。

第一条(アメリカ軍駐留権)
日本は国内へのアメリカ軍駐留の権利を与える。駐留アメリカ軍は、極東アジアの安全に寄与するほか、直接の武力侵攻や外国からの教唆などによる日本国内の内乱などに対しても援助を与えることができる。

第二条(第三国軍隊への協力の禁止)
アメリカ合衆国の同意を得ない、第三国軍隊の駐留・配備・基地提供・通過などの禁止。

第三条(細目決定)
細目決定は両国間の行政協定による。

第四条(条約の失効)
国際連合の措置または代替されうる別の安全保障措置の効力を生じたと両国政府が認識した場合に失効する。

第五条(批准)
批准後に効力が発効する。

(2)日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(1960年~)
日本国及びアメリカ合衆国は、両国の間に伝統的に存在する平和及び友好の関係を強化し、並びに民主主義の諸原則、個人の自由及び法の支配を擁護することを希望し、また、両国の間の一層緊密な経済的協力を促進し、並びにそれぞれの国における経済的安定及び福祉の条件を助長することを希望し、国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、両国が極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し、相互協力及び安全保障条約を締結することを決意し、よつて、次のとおり協定する。

第一条
 締約国は、国際連合憲章に定めるところに従い、それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によつて国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎むことを約束する。
 締約国は、他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合の任務が一層効果的に遂行されるように国際連合を強化することに努力する。

第二条
 締約国は、その自由な諸制度を強化することにより、これらの制度の基礎をなす原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉の条件を助長することによつて、平和的かつ友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。

第三条
 締約国は、個別的に及び相互に協力して、継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展させる。

第四条
 締約国は、この条約の実施に関して随時協議し、また、日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。

第五条
 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
 前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。

第六条
 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。
 前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定(改正を含む。)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。

第七条
 この条約は、国際連合憲章に基づく締約国の権利及び義務又は国際の平和及び安全を維持する国際連合の責任に対しては、どのような影響も及ぼすものではなく、また、及ぼすものと解釈してはならない。

第八条
 この条約は、日本国及びアメリカ合衆国により各自の憲法上の手続に従つて批准されなければならない。この条約は、両国が東京で批准書を交換した日に効力を生ずる。

第九条
 千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約は、この条約の効力発生の時に効力を失う。

第十条
 この条約は、日本区域における国際の平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。
 もつとも、この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。

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