愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

アメを与えて仕打ちのムチ、争点づらし「基地撤去より生活」と煽り、自立を阻んだ意味を考える

2012-05-22 | 日記
沖縄復帰40年を記念する地方各社の社説では、「沖縄振興開発事業費」が役に立たなかったことを一応指摘はしている。だが、以下のことを指摘しないわけにはいかない。以下ポイントに沿って、各社の主張を添付してみた。

1.本来は日本国憲法と相容れない米軍基地を許す最大の根拠であったソ連脅威論(抑止力論)、その代償としての「沖縄振興開発事業費」(アメ)と基地による人権侵害(ムチ)を秤にかけ、「抑止力」論を検証する指摘がない。これが最大の特徴だ。

政府は復帰後40年間で約10兆円の沖縄振興予算を投入してきた。野田政権も那覇空港の第2滑走路整備など振興策に力を入れることで、辺野古移設を進めようとしている。そうした旧態依然の「アメとムチ」の政策で米軍基地を押しつけられることこそを、沖縄差別と受け止める県民は少なくない。(高知)

復帰以降、沖縄には10兆円にも及ぶ税金が振興対策として投入された。しかし、公共事業頼みの経済構造を生み出し、沖縄の経済的自立につながらなかったのは低迷する県民所得などからも明らかだ。基地の犠牲となってきた沖縄の自立に向けて、今こそ実効ある支援策を講じるべきではないか。これまで沖縄振興計画は国が10年ごとに決めてきたが、今回の第5次計画は県が策定した。沖縄振興一括交付金の創設と共に県が要望してきたものであり、県と国は地元のニーズに沿った施策を進めてほしい。(秋田さきがけ)

政府は復帰以来、沖縄振興開発事業費などとして約10兆円を投入した。復帰時に本土と比べ遅れていたインフラ整備に一定の貢献はしたが、近年は必要性が疑問視されるような箱物建設が多く、新たな産業振興にはつながっていない。沖縄が基地経済に依存しているというのは幻想で、県民総所得に占める基地従業員所得など基地関連収入は復帰時の15.5%から2008年時点で5.3%に低下している。(東奥日報)

72年に44万人だった県外客が今や600万人に達するなど、観光業は順調だ。だが、1人当たり県民所得は全国の7割。失業率は7%台で全国平均より2ポイント高く統計上、貧しさは克服し切れていない。県内総生産に占める製造業の比率は全国最低の4.2%。一方で建設業の比率は7.6%と全国3番目の高さだ。経済に占める財政支出の割合は35%を超える。経済が公共投資への依存を高めれば当然、その分配が地元の関心事となる。(河北新報)

基地の集中もそのままであり、地位協定も「運用改善」という小手先対応で済まされている。見返りが、国による「振興計画」という名の大盤振る舞いだった。しかし、復帰以来4次にわたる計画で約10兆円がつぎ込まれたが、公共事業頼みの体質を深め、「自立」を阻害しただけだったとされる。歴代県政は金融特区などさまざまな規制緩和を勝ち取ったが、こちらも成果を挙げているとは言い難い。失業率は全国平均を大きく上回り、1人当たり県民所得は46位(2009年度)である。3次産業が大半を占めるいびつな構造も問題だ。(新潟)

 沖縄県が要望してきた県主導による振興計画が、政府の基本方針決定で動きだす。まさか普天間問題へのアメではないだろう。(京都)

復帰以来、沖縄振興開発事業費として沖縄に注がれた税金の総額は40年間で9兆円以上。これ以外にも96年の沖縄に関する日米特別行動委員会(SACO)合意以降、沖縄米軍基地所在市町村に関する懇談会(通称・島懇)事業費、北部振興事業費などの名目で数千億円が沖縄に注ぎ込まれてきた。沖縄への交付金、補助金は、復帰の時点で本土と大きな格差があった道路などインフラの整備に一定の貢献はしたが、近年は、利用者が極端に少ない豪華な公民館など、必要性に大きな疑問が生じるいわゆるハコものに使われる例が多かった。無意味な施設は新たな産業振興にはつながらず、むしろ、その維持費負担が自治体の財政を圧迫してきた。結果として、さらなる交付金、補助金を期待するという「中毒症状」を沖縄にもたらしてきた。沖縄の県民総所得に占める基地従業員所得など基地関連収入は、復帰時点では15.5%を占めていたが、2008年の時点では5.3%にまで低下している。(岐阜)(山陰中央新報)

復帰後、沖縄振興開発事業費などの名目で投下された国の振興予算は約10兆円に上る。本土と大きな格差があった道路や公共施設など社会インフラは、ほぼ本土並みになった。だが豪華なハコものに使われるケースも多く、どれだけ沖縄の自立につながったか、疑問も多い。事実、県民所得は多くの離島を抱える背景もあって全国最下位付近に低迷、全国平均の77%程度にすぎない。失業率も深刻で、県民の格差が全国と比べて高いのが実情だ。一方で基地関連収入は復帰時点では15・5%を占めていたが、2008年の時点では5・3%にまで低下。それに代わって観光収入が10%強を占めるまでになった。(福井)

復帰後の40年間で約10兆円に上る振興予算が投入されてきた。確かに社会基盤は整備され、経済の基地依存は小さくなったが、一方で公共事業や観光頼みの産業構造に陥っている。本土の地方と同じ轍(てつ)を踏まないようにしたい。(京都)

基地が存続してきたこの40年間で、県民の暮らしは豊かになったのだろうか。政府は「本土との格差是正」を掲げ、72年から沖縄振興計画に約10兆円を投入してきた。うち9兆円以上が社会インフラ整備のためのハード事業に充てられた結果、道路などの整備は進んだが、かえって公共事業への依存を高め、自立を阻害したとの指摘は多い。1人当たり県民所得は全国最下位を脱したものの、依然として全国平均の7割程度にとどまり、完全失業率も7%を超えている。産業振興への取り組みも大きな効果があったとはいえず、公共事業や観光などに偏った産業構造は変わっていない。(山陽)

経済的な自立も不可欠だ。政府は復帰後40年間で、振興予算として約10兆円を投入した。基地を押し付ける見返りの意味もあったのは間違いない。多くが公共事業に投じられたが、活性化につながったとはいえまい。(中国)

40年で沖縄に注がれた振興費は10兆円に上る。だが基地問題は解消しなかった。金銭的代償は本質的解決にならないのだ。(愛媛)

「本土との格差是正」を掲げた沖縄振興計画は、4次にわたって計約10兆円がつぎ込まれた。その結果、道路などのインフラ整備は進んだものの、1人当たりの県民所得は全国平均の7割程度にとどまっている。公共事業への依存が高く、自立した経済の育成が遅れているためだ。(徳島)

■基地経済依存は神話■
復帰の時点で本土と大きな格差があった道路などインフラ整備のため、沖縄には多額の交付金や補助金が注ぎ込まれた。沖縄振興開発事業費として9兆円以上、このほか沖縄米軍基地所在市町村に関する懇談会事業費、北部振興事業費などの名目で数千億円が投入されている。これらは確かに一定の貢献はした。しかし近年は、利用者が極端に少ない豪華な公民館など、必要性に疑問が生じるいわゆるハコモノに使われる例が多かった。当然、無意味な施設は新たな産業振興にはつながらず、むしろ、維持費負担が自治体の財政を圧迫してきた。・・沖縄の県民総所得に占める基地従業員所得など基地関連収入は、復帰時点で15.5%を占めていたが、2008年には5.3%にまで低下。沖縄が基地経済に依存しているというのは「神話」である。(宮崎日日)

インフラ整備が進んで是正されたとはいえ、依然として格差が残っているのも事実だ。1人当たり県民所得は全国平均の7割にすぎない。完全失業率は2011年の時点でも7・1%と全国平均(4・5%)を大きく上回っている。しかも、主要産業をみれば、公共事業や観光はともかく、基地経済頼みという「3K」と呼ばれる経済構造は、やはりいびつだと言わざるを得ない。(佐賀)

この40年、沖縄には政府の4次にわたる「振興計画」に基づいて、約10兆円がつぎ込まれた。離島の空港や港湾施設、自動車道、モノレールなどのインフラ整備はある程度進んだ。一方で、巨額の振興策は公共事業依存を高め、基地依存と相まって経済の自立を阻害してきた。完全失業率は、復帰して一度も全国平均を下回ったことがなく、11年も全国の4・5%を大きく超える7・1%。非正規雇用の多い観光業が主な産業で、製造業の比率が低いことが背景にある。09年度の1人当たり県民所得は、復帰当時の4倍超の204万5千円に増えたものの、47都道府県中で46位。だが、それまでは20年連続で最下位だった。政府は、今後10年の振興策の基本方針として「民間主導の自立型経済の発展」を掲げ、観光や情報産業、国際物流の関連産業を重点的に育成する方向性を示した。改正沖縄振興特別措置法に基づき、振興計画の策定主体が国から沖縄県に移り、使途の自由度が高い沖縄振興一括交付金も新設された。(熊本日日)

沖縄振興は、復帰した年から実施されてきた。第1次の10年間で社会基盤はある程度整備された。だが、完全失業率は復帰後一貫して全国平均を上回り、2011年も全国の4.5%に対し7.1%と高い。1人当たりの県民所得も全国平均の7割程度にとどまり、本土との格差是正には程遠い。産業構造は公共事業、観光、基地経済のいわゆる「3K」に頼ってきた。政府はこれまで、約10兆円に上る振興予算を投入してきた。だが、巨費をつぎ込んだ振興策は公共事業への依存体質を強め、産業育成が立ち遅れる要因になったと指摘される。(南日本)

2.しかも、その「沖縄振興開発事業費」(アメ)がどこへ流れていったのか、具体的な追及と解明は不問だ。「抑止力」論=「軍事」に巣食う「建設業界」の具体的構造=軍事利益共同体にこそ、メスをいれなければ、今後も同じことになることは確実だ。

補助金などの見返りに期待し基地に寛容的だった人たちを含め「県内に新しい基地を造らせない」という県内世論の結束がうかがえる。・・・依存していたのは建設業など一部が恩恵を受ける交付金経済だ。(東奥日報)

普天間飛行場の移設は地元業者の意向で規模が広がり、辺野古沖の埋め立て計画が浮上。問題を複雑化させた。振興策が基地提供と抱き合わせで語られる構造から、沖縄は自由になれずにいる。(河北新報)

沖縄が依存してきたとすれば、基地経済そのものではなく、建設業界など一部の人のみが恩恵を受ける交付金経済で、沖縄の自立には結びつかなかった。(岐阜)(山陰中央新報)

建設業界など一部の人が恩恵を受ける構図となり、自立どころか、国に依存する体質が強まってしまった。「沖縄の経済は基地がなければやっていけない」との本土側の見方もある。しかし今は成り立つまい。県民総所得に占める基地関連収入は、復帰当時の15%から5%に低下しているという。(中国)

従来は政府が計画を策定してきたが、ほとんど活用されていない優遇税制や特区もみられた。(徳島)

沖縄が依存してきたとすれば、基地経済そのものではなく、建設業界など一部の人のみが恩恵を受ける交付金経済であり、沖縄の自立には結びつかなかった。(宮崎日日)


3.基地のある自治体の選挙の度に繰り返される「基地撤去優先か、基地よりも生活優先か」の争点づらしがを意図的に振りまかれ、国民の血税がばら撒かれ、有権者の票が買われてきたこと、「基地依症」「中毒症状」「基地神話」の責任を不問に付している。

普天間飛行場の移設問題をめぐり、「沖縄に新たな米軍基地を造らせない」という沖縄の意思は強固だ。これまでの沖縄では、補助金や交付金によって政治的意思が分断されることが多かったが、仲井真弘多知事の姿勢にも沖縄の世論にも揺らぎが見られない。(岐阜)(山陰中央新報)

・結果として、さらなる交付金、補助金を期待するという「中毒症状」をもたらしてきた。(宮崎日日)

4.基地撤去による経済復興・振興策の探求を押し留める役割を果たしてきたことを反省していない。だから、だが、基地撤去のための方策も打ち出せない。
1人あたりの県民所得は全国平均の約7割、完全失業率は47都道府県中最悪だ。政府は沖縄振興策の基本方針を決定したが、広大な基地が経済発展を妨げている現状を変えなければ根本的解決にはならない。(北海道)

・・・むしろ沖縄本島面積の2割を占め、観光地や交通の要所を占拠している基地が振興の障害になっているという認識が県内で広がりつつある。(東奥日報)

沖縄が基地経済に依存しているというのは「神話」であり、むしろ沖縄本島の面積の約2割を占め、一級の観光地や交通の要所に陣取る基地の存在こそが、経済発展の物理的障害になっているとの認識が広がりつつある。(岐阜)(山陰中央新報)

基地を返還させて跡地をうまく活用すれば、はるかに高い経済効果を生むことになろう。政府は先週、新たな沖縄振興策の方針を決めた。観光や情報通信、国際物流などの産業を育てるという。方向性はいいとしても、具体化はこれからだ。地域主権のモデルケースとして、これまで以上に権限と財源を移す必要もあろう。「一国二制度」に近い大胆な発想が求められるかもしれない。琉球王国時代はアジア交易の中継点となり、豊かな歴史を育んだ沖縄。「平和の島」に一歩でも近づくよう、私たちも努力しなければならない。(中国)

近年観光で注目されるものの、経済自立にはなお遠い。最も突出しているのが米軍基地の存在で、今も2万3千ヘクタールに及ぶ。面積では全国の0・6%にすぎない沖縄県に、在日米軍専用施設の約74%が集まり、数々の生活被害を及ぼしている。異様な基地集中は、40年たっても改善されず固定化されたままだ。(西日本)

沖縄の自立的発展の前に大きく立ちはだかるのが、米軍基地の存在だ。在日米軍基地のうち74%が沖縄に集中する現状について、沖縄から「差別」と批判されるのは当然だろう。沖縄に基地負担を押しつけ、代わりに交付金などを出すという長年の施策は、沖縄の自立を阻んできた。これからも「基地の島」のままでいいのか、国民一人一人が考えたい。(南日本)

5.沖縄とフクシマの構造的類似性を強調するが、その根底に、アメリカ従属と大企業優先の経済・軍事・資源政策があることを隠している。あるいは気付いていない。
積み残された課題の解決は容易ではあるまい。東日本大震災と原発事故が起きて以来、沖縄と原発が立地する地方は「合わせ鏡」のように論じられることも多い。安全保障の犠牲と、都会への電力供給の犠牲という構図からだ。(山陽)

▼リスク背負わせる構図
安全保障の名の下に配置される沖縄の米軍基地の存在は「国策と地域」という問題を私たちに投げ掛ける。同様に「国策と地域」について、国民に議論を呼び起こす大きな出来事が最近あった。福島原発事故である。原発はエネルギー確保、米軍基地は安全保障という「国策」として、主に地方に置かれる。いずれもメリットは国民全体が享受するが、リスクを背負うのは狭い範囲の周辺住民だ。国は協力を得るため地域に交付金や補助金をつぎ込む。地域は補助金依存体質が染み付き、結果的に経済的自立が阻害される構図も、似通う。原発事故を受け、こうした事態を見直す機運が出てきた。受益者全体が節電や自然エネルギーへの転換で脱原発を進め、「犠牲の構造」そのものを解消していこう、との考え方だ。(西日本)


6.以上のような論調では基地弊害の使われる税金を最大の「ムダづかい」として検証できない。このことは軍事費を聖域扱にいすることを改めて示している。これは「財政危機」の解決のための財政的保障として「消費税増税と社会保障の一体改悪」を応援する論調であることに気付いていない。


7.しかも日米安保体制廃止は「想定外」、日米安保体制の枠内で、しかも一般的に基地縮小と基地撤去を論じているが、これまでの歴史を踏まえていない。
「基地のない平和な島」を取り戻してこそ真の復帰だという意味だ。重く受け止めなければならない。(北海道)

沖縄の人々が実感できる負担軽減と東アジアの安定を両立しなくてはならない。政府は責任を自覚して、この難題に取り組んでもらいたい。私たちも基地問題への関心を深め、沖縄との距離を縮める努力を暮らしの場から重ねたい。(信濃毎日)

私たちはかねて普天間移設を一から見直すよう求めてきた。問題は、日本の安全保障と沖縄の負担軽減をどう両立させるかだ。日米安保体制を続けるならば、基地の縮小しかないことは自明である。「一からの見直し」とは、時代に即した日米安保の抜本的な再定義を含む、全体構想の見直しだ。米国の言いなりから脱し、日本政府は自らの立場をしっかりと主張しなければならない。それなしに「日米同盟の深化」などあり得まい。まずは日米地位協定の改定に全力を挙げたい。ドイツ、イタリアなどと同様に米側と基地の使用協定も結び、住民保護を強化すべきだ。(新潟日報)

基地負担の軽減を図らない限り、安全保障政策を永続的なものにすることは不可能だ。安全保障政策の立案に当たり、政府はまず沖縄の現実を直視すべきだ。40年を節目に「第2の沖縄返還交渉」に望む覚悟で、沖縄に犠牲を強いることのない安保政策のあり方を、米国と真剣に議論する必要がある。(岐阜)

沖縄は軍事上の「抑止力」を理由に、中国や朝鮮半島をにらんだ米国の世界戦略に組み込まれていく。変化する沖縄の民意を政治はしっかり受け止めなければならない。日本の在り方を考える復帰40年にしたい。(神戸)

 沖縄基地問題とは沖縄に問題があるのではないことをあらためて確認しておきたい。他国軍の国内駐留を所与の前提として思考停止している日本政府問題であり、本土による基地押しつけ問題であり、居座り続ける米軍問題だ。いま最大の米軍問題である普天間飛行場移設の行方こそが、沖縄の将来を方向付けるだろう。背後にある米国の新国防戦略に基づくアジア太平洋軍事拠点再編に対し、政府は今度こそ属国的追従と決別しなくてはならない。沖縄を犠牲にする外交・安全保障構造をなくす方向へと、ここで主体的にかじを切らねば真の復帰はさらに遠くなる。政府に求められるのは、日米両政府が先月公表した在日米軍再編見直しに関する共同文書を、さらに見直しに持ち込む対米交渉だ。共同文書では、従来パッケージとされてきた普天間飛行場の辺野古への移設と海兵隊グアム移転を切り離し、先行移転させる。あくまで米軍の都合だが、問題は沖縄の反対で辺野古移設が難しいことを見越して、普天間飛行場の補修が明記されたことだ。世界で最も危険と言われる普天間飛行場のさらなる長期使用が懸念される。95年の少女暴行事件を悲痛な契機として成立した普天間返還合意以前に逆戻りだ。米軍事情への追従でなく、自力で「沖縄の負担軽減」を勝ち取る日本政府の強い意志と交渉力が今ほど必要なときはない。あまつさえ、米軍は7月にも垂直離着陸輸送機オスプレイを普天間に配備する方針だ。事故が多く騒音も大きい問題機種で、当初は山口県の岩国基地などに駐機予定だった。想起されるのは、普天間から岩国に向かっていた米軍ヘリが伊方原発の南西1キロに墜落した88年の事故だ。「負担軽減」の負担とは何か。沖縄の痛みに愛媛からも想像力を働かせることは可能だ。40年で沖縄に注がれた振興費は10兆円に上る。だが基地問題は解消しなかった。金銭的代償は本質的解決にならないのだ。沖縄に犠牲を強いる構造―冷戦時代に結んだ日米安保条約や地位協定を含む日米同盟を根本的に見直し、歴史的視点に基づく交渉が求められていることに政府は気づかなければならない。(愛媛)

道路や港湾など社会資本の整備は進んだが、県民が望む米軍基地の整理縮小や日米地位協定の改定はほとんど手つかずだ。復帰で目指した「本土並み」を掛け声倒れに終わらせてはならない。・・・その象徴が、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題だ。日米両政府は県民の強い反対にもかかわらず、移設を推し進めようとしている。沖縄県の仲井真弘多知事は「地元の理解が得られない移設案の実現は、事実上不可能」と訴えており、移設は宙に浮いたままである。政府は辺野古移設にこだわらず、民意を踏まえた協議を米政府と行うべきだ。(南日本)

8.そうではなく日米安保条約を廃棄し、紛争を話し合い=非軍事的手段によって解決するという日本国憲法第9条を持つ国として唯一の道は非軍事の日米平和友好条約締結による道であること、そうした方向に向けて想像力を発揮した創造的外交・経済発展を展望していない。
今後10年の第5次計画は、具体策を作る権限は3月に成立した改正振興特措法により県に移された。自由度の高い一括交付金の創設など地元の大幅な裁量が認められる。しかし、県が地域振興に主体性を発揮しようにも、立ちはだかっているのが基地というハードルだ。(新潟日報)

 県は復帰40年の日に新たな10年間の方向性を見据えた21世紀ビジョン基本計画案を決定する。振興計画は国が4次にわたって策定してきたが、今回初めて自前で自立ビジョンを描く。日本とアジアの国際的物流拠点を目指し期待感も強い。(福井)

東アジアの「懸け橋」としての位置にある利点や豊かな文化を生かした社会や経済を、沖縄が主体となって築いていくことを期待しよう。そのためにも、広大な敷地を占有して経済活動を阻害する、米軍基地の縮小が欠かせないだろう。(京都)

政府は第5次計画の基本方針として「アジア・太平洋地域の発展に寄与する拠点」を目指すとした。アジアに近い優位性を生かし、国際物流や観光産業を促進する狙いだ。これを受けて、県は具体的な計画を作る。地域の実情を踏まえ、実効性のある計画へ知恵を絞ってほしい。沖縄が本土復帰を求めたのは、基地のない暮らしや経済的な自立を望んだからだといわれる。それに少しでも近づくように願いたい。(徳島)

むしろ本島の面積の約2割を占め、一級の観光地や交通の要所に陣取る基地の存在こそが、経済発展の物理的障害になっているとの認識が広がりつつある。(宮崎日日)

今年は、第5次となる今後10年間の沖縄振興計画がスタートする節目の年だ。これまで4次の振興計画は政府が定めてきたが、今回から沖縄県が実施主体となる。沖縄振興一括交付金の創設と併せ、地元の裁量が高まるのを好機ととらえ自立的発展につなげたい。・・・今後は足腰の強い産業創出と雇用確保を図ることが求められる。県はアジアに近い地理的優位を生かし、県内に国際物流拠点などをつくる計画だ。観光振興策では、国際競争力の高い観光地にするため、知事が指定した「観光地形成促進地域」の事業者は税減免や資金援助が受けられるようにする。こうした取り組みを経済活性化につなげてもらいたい。(南日本)


まとめ
各社とも米軍基地の弊害を一応述べながら、また「アメ」が役に立たなかったことを指摘しながら、その弊害の根源に蓋をする、弊害の根源を根本的治療に眼をむけることはしない。アメリカの都合を慮って、日本の立場、沖縄の立場のご理解をお願いする立場だ。これは「抑止力」論の枠のなかで論じているからだ。また日米安保繁栄論から歴史をみているからだ。
地主の土地に対する借地料費用を含めて米軍に対してかけてきた「抑止力」代としての血税と沖縄の負担軽減のためにかけてきた血税と沖縄県民の人権侵害等を比べてみて、基地が役に立ったということなのだろうか?

米国が、戦後日本の国土を利用して軍事展開をする利点は何か、まさに経済大国ニッポンは大貢君だ。米国にとって、これほど美味しい国はない。米軍再編や普天間の修理費などにみるように、米軍維持費をいただけるのだから。

この貢物としての血税が、日本国の最大のムダであることに疑問を持たない圧倒的な国民意識を作り出しているのだから、美味しいのは良く判る。しかも自国の軍事費が日本国によって賄われていることを知っているアメリカ国民はどれだけいるのか?イラク・アフガン戦争が日本なくして展開できなかったことをどれだけのアメリカ国民がいるだろうか?

「日米軍事同盟の深化」とは、日本国民の血税をアメリカの世界戦略を有効に機能させるためのキャッチコピーだということを、日本国民はそろそろ気付くべきだし、米国への「血税年貢」は止めるべきだろう。「財政危機」を孫子の代まで解決できない最大のムダが、「血税年貢」「抑止力」代に群がる軍事利益共同体にあることをもっと具体的に暴くことが大事だろう。

そういうなかで本来の日米友好とは、対等なもの、平和的なものでなければならないし、軍事にかけてきた血税を国民福祉のために使われるべきだ。国民福祉利益共同体構想の具体化こそ、社会が望む税金の使い方だ。

マスコミは、そうした関係を構築するために、日本国憲法の理念のたった社説を書くべきだろう。それがジャーナリズムの責任なのだ。

いつまでも人殺すカネ貢ぐ民命の大切今世紀こそ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする