愛国者の邪論

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歴史を冒涜する橋下市長の妄言を擁護するマスコミは歴史の過ちを再び繰り返す先導役か!歴史の無反省に渇!

2012-08-23 | 日記

橋下市長が、また妄言を吐いた。そのポイントは、以下のとおりだ。

1、「加害者が被害者に証拠を出せ」というのは、あまりに非常識だ。公正さを装いながら彼の傲慢さを改めて示したというべきだ。殺人事件を起こした犯人が被害者の家族に「確たる証拠を出せ、さもなければ殺人は認められない。こちらにも言い分があるぞ」と言っているようなものだ。

2.そもそも日本軍、天皇制国家はポツダム宣言受諾にあたって、様々な証拠となる書類を焼却した。戦争犯罪を隠蔽するためだ。橋下市長、マスコミ、戦争責任を曖昧にする輩は、こうした恥ずべき事実を、まず確認してからものを言え、ということだ。さもなければ、証拠書類を隠蔽した国家を免罪し、同じレベルに立つと言わなければならない。

3.「慰安婦」についての「確たる証拠」問題は、歴史学のレベルでも、国際法的レベルにおいても決着が付いている問題だ。それを敢えて持ち出すところに、こうした妄言を信じる輩がいることを踏まえた、橋下市長特有の確信犯的妄言だ。今回の妄言を批判することなく報道するマスコミは、その立ち居を浮き彫りにした。このことは、犯罪的だ。過ちが再び起こることを容認するからだ。橋下市長を第三極として持ち上げるマスコミの立ち居も透けて見えてくる。このことを言っておかなければならない。
http://www.geocities.jp/hhhirofumi/12paper.htm#

4.しかも「慰安婦制度は今から考えると倫理的に問題のある制度なのかもしれない」「軍による強制(連行)の有無が問題なのか、慰安婦という存在自体が問題なのか、見解がすれ違っている」「日本固有の問題なのか。世界的にもそういう制度があったのか」「河野談話はそのまま本当に踏襲するのか、やっぱり問題があったんだったらあったとはっきり言わなきゃいけない」などと、「慰安婦問題は問題なし」とする自分土俵からみて河野談話の論点すら曖昧にさせ、すり替えている。無知もはなはだしいし、同時に「世界的にもそういう制度があった」のであれば「日本固有の問題」でないとするのか。もし問題なしとするのであれば、橋下市長の発想は「短絡的」「幼児的」と言わなければばならない。

5.そもそも、「慰安婦」については、軍による強制はあったし、存在自体が問題なことは国際法からみても明瞭なことは、弁護士であれば判断できなければならない。
http://hide20.blog.ocn.ne.jp/mokei/2012/02/post_726e.html
http://www.han.org/a/half-moon/hm035.html

6.今回の妄言は、領土問題について記者の質問に応えるというなかで出された訳だが、大きな「勘違い」がある。竹島問題も慰安婦問題も、その大本は明治以後の植民地政策とそれに対する無反省が「根っこにある」と言わなければならない。このことを意図的に、或いは無自覚的に無視しているのだ。しかも、日本の植民地政策の歴史を正当に学ぶ機会を奪ってきたのは、戦後の自民党政権だったし、戦犯勢力であった。このことを公人である橋下市長は強調しなければならない。

7.尖閣も同様だ。中国の「愛国者」たちの「反日」の「根っこ」にあるのは、戦争責任を曖昧にしてきた戦後の自民党政権と戦犯勢力の動きがある。このことを清算することなく、国際連帯が発展することは難しい。

8.竹島・尖閣・北方領土が国際社会で「日本の固有の領土」と認知するためには、戦争責任に対する歴史の審判を受け入れること、憲法第9条の「不戦の誓い」を改めて確認すること、明治以後の歴史を国際社会の中で確認できる作業を行うこと、こうした営みを政府や民間が行うことができれば、歴史は大きく前進するだろう。

9.だが同時に、21世紀の国際社会にあって領土紛争の平和的・人民的解決のためには、近代において確立してきた先占思想を協調するだけでは問題は解決しないことも研究していく必要があるだろう。理由は領土問題は政府間の問題であると同時に主権者である国民間の問題でもあるからだ。


以下橋下市長発言を取り上げた新聞を(調べた範囲)掲載しておく。

朝日 橋下市長「慰安婦の強制連行、確証ない」2012年8月21日20時32分
 橋下徹大阪市長は21日、従軍慰安婦問題での旧日本軍の関与をめぐり、「強制連行があったかどうかの確たる証拠はなかったというのが日本の考え方」と述べた。韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領の竹島(韓国名・独島〈トクト〉)訪問などを受け、記者団に語った。橋下氏は、竹島問題の背景に「従軍慰安婦という大きな課題が根っこにある」と指摘。「(強制を示す証拠があるなら)韓国の皆さんに出してもらいたいと思っている」と語った。一方、日本政府は1993年、軍の関与を認めたうえで、朝鮮半島出身を含む慰安婦の募集や移送などに関し「甘言や強圧など総じて本人の意思に反して行われた」と強制性を認める官房長官談話(河野談話)を出している。河野談話に触れて橋下氏は、日本政府が改めて国民に説明する必要があると訴え、「河野談話はそのまま本当に踏襲するのか、やっぱり問題があったんだったらあったとはっきり言わなきゃいけない」と述べた。
http://www.asahi.com/politics/update/0821/OSK201208210123.html

【共同通信】 橋下市長「慰安婦連行証拠ない」 韓国に根拠明示要求2012/08/21 12:56
 大阪市の橋下徹市長は21日、戦時中の従軍慰安婦問題に関し「慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられた証拠はない。あるなら韓国にも出してもらいたい」と述べた。政府は1993年の河野洋平官房長官談話で慰安所の設置、管理、慰安婦移送に関する「旧日本軍の直接、間接の関与」や、慰安婦募集をめぐる強制性は認めている。 韓国の李明博大統領による島根県・竹島訪問などに関し市役所で記者団の質問に応じて答えた。 橋下氏は「慰安婦制度は今から考えると倫理的に問題のある制度なのかもしれない」と説明。韓国側の認識を理解した上で、論点を整理すべきだとの持論を展開した。
http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012082101001566.html

毎日 橋下市長:慰安婦連行「軍が暴行・脅迫の証拠ない」08月21日 23時23分
橋下徹・大阪市長=大西岳彦撮影拡大写真
 大阪市の橋下徹市長は21日、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領の竹島上陸について「従軍慰安婦という日韓の課題が根っこにある」と指摘した上で、「慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられた証拠はない」と述べ、強制連行はなかったとの認識を示した。市役所で記者団に述べた。 橋下市長は「韓国の言い分を全部否定しているわけではない」と前置きし、「証拠があったというのであれば韓国の皆さんに出してもらいたい」と述べた。 また、尖閣諸島の問題にも絡め、「領土問題はしっかり国民の認識に落とし込む教育をしないといけない。一時的に火が付いたことで物事を進めたら危険な状態になる」と述べ、近現代史教育を充実させる必要があるとの持論を展開した。【茶谷亮】
http://mainichi.jp/select/news/20120822k0000m040107000c.html

日経 橋下市長、慰安婦強制連行「証拠示して」 2012/8/21 22:40
 大阪市の橋下徹市長は21日、記者団から一連の竹島問題への見解を問われ、「竹島の問題も(旧日本軍の)従軍慰安婦問題が根っこにある。すぐに領土問題に発展するのは非常に問題だ」と話した。その上で「軍による強制連行を示す確たる証拠はないというのが日本の考え方。韓国側が問題視するなら証拠を示してくださいということになる」と述べた。
 その前段として「軍による強制(連行)の有無が問題なのか、慰安婦という存在自体が問題なのか、見解がすれ違っている」とし、「日韓双方がレベルの低い争いになっている。国民に周知させる形で日韓でしっかり論戦したらいい」と述べた。 また、従軍慰安婦問題について「今から考えると倫理的に問題かもしれないが、当時の時代背景でどうだったか真正面から議論しないといけない」とも指摘。軍の関与を認めた1993年の河野洋平官房長官の談話にも触れ、「談話をそのまま踏襲するのか。問題があったならあったと、はっきり言わないといけない」と述べた。 外交問題に絡み、国民への近現代史教育に力を入れる必要性も主張。「日本の立場だけでなく、相手方の主張の根っこを理解しないといけない」と強調した。http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2104Z_R20C12A8CC1000/

読売 橋下氏、慰安婦強制連行「証拠あるなら出して」8月22日00時19分
 大阪市の橋下徹市長は21日、いわゆる従軍慰安婦問題について、「慰安婦という人たちが軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられたという証拠はない。もしそういうものがあったというなら、韓国の皆さんにも出してもらいたい」と述べ、旧日本軍や官憲による「強制連行」はなかったとの認識を示した。 大阪市役所で記者団の質問に答えた。 橋下氏の発言は、「資料の中に、強制連行を直接示す記述は見当たらない」とする政府の見解を踏まえたものだ。ただ、慰安婦問題への対応を求める韓国政府に対し、論争を提起する姿勢を示したことは、韓国側の反発を招く可能性もある。 橋下氏は、李明博韓国大統領の竹島訪問の強行について、「従軍慰安婦という課題が根っこにある。領土問題の前提として、従軍慰安婦について強制の事実があったかどうかを、韓国ときちんと議論すべきだ」と強調した。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120821-OYT1T01110.htm

赤旗 橋下大阪市長の暴言(要旨)(8月23日付け2面)
 竹島問題だって従軍慰安婦という日韓の課題が根っこにある。強制連行の事実があったのか、確たる証拠がなかったというのが日本の考え方。韓国と論戦したらいい。それをやろうと思ったら近現代史の知識を国民自体がしっかりと認識しないと議論にならない。日本の教育は問題ありだ。慰安所はあったのかもわからないけれども、慰安婦が軍に暴行脅迫を受けて連れてこられたという証拠はない。あったというのであれば韓国に出してもらいたい。河野談話の中身をもう一度国民に政府が説明したらいい。談話はそのまま本当に踏襲するのか、問題があったんだったらあったといわなければいけない。慰安婦自体の存在が問題なら、それは日本固有の問題なのか。世界的にもそういう制度があったのか。日本政府が説明すればいい。強制の事実については論拠がないといろんなところで僕は聞いていますから論拠がありません。
 慰安婦制度が今から考えると非常に倫理的に問題な制度かもわからないけど、当時の時代背景においてどういうものだったのかは議論しなきゃいけない。