先の記事では、安倍自公政権のアベノミクス原発売り込み政策と対中包囲網作戦に天皇の政治利用について沈黙する日本のマスコミを告発しました。日本のマスコミというか、現代日本の思想状況は、現象を関連付けて捉えることができない傾向に陥っているように思います。それは山本議員に対する下村文科大臣の辞職「勧告」発言に対する批判が出てこないことが象徴的です。
そのことは、朝日の社説にも言えることです。結論は、以下の視点です。
1.消費税増税やアベノミクス成長戦略を容認する朝日のスタンスが如実に表れたものです。
2.同時に安倍自公政権や自民党案に対して批判的な言葉を述べながらも、自民党案に沿った社説になっており、結果的には安倍首相を激励する朝日の姑息さを示すものです。
3.更に言えば、原発を国策として推進させてきた真の勢力・財界の責任問題、アベノミクス成長戦略推進の問題をいっさい語っていないことのゴマカシです。
4.真の責任を免罪するからこそ、また東電に責任を負わせるからこそ、被害額の巨額さを強調するからこそ、アベノミクス成長戦略を容認するがゆえに、国民に負担を課していくのは当然、しかも国民のためであるかのように装っている朝日の姑息が浮き彫りになっているのです。
5.朝日は、地震国であるトルコやインドに原発を売り込む財界と安倍首相の責任をどのように考えているか、この社説は、語っていません。全く切り離して論じているのです。
図録世界各国の地震災害(地震回数·死者数) 2004年12月11日
以下、社説を検証してみます。
1.原発利益共同体の政治的代理人である自民党の姑息な、不道徳な対策の枠内で論じる朝日は原発利益共同体の広告代理人、広告塔でしたが、その責任を未だ継承していることを自覚しているのでしょうか。
事故処理や被災地への対応に関する自民党の提案がまとまった。最大の柱は、今後の除染事業や汚染土などを保管する中間貯蔵施設の整備に、国費を投じるよう求めたことである。安倍政権はおおむねこの案に沿って対策を進める見通しだ。
<追跡 原発利益共同体>東電広告費116億円 昨年度/大手紙を ... 2011年6月29日
2.アベノミクス成長戦略断行の重要政策である原発を海外に売り込んでいる安倍首相が、原発を諦めていないことは明らかであるにもかかわらず、以下のような、呑気なことを言っているのです。
政府は国費投入が東電救済策に陥らないよう、脱原発への全体像を早く示すべきだ。
原発への依存度を減らしていくことは、安倍首相自ら語っていることである。
3.そもそもアベノミクス成長戦略断行は、財界の強い要求であるからこそ、安倍首相の原発売り込み外交に、財界が大勢・大挙して同行しているのですが、その原発利益共同体=原発ムラの責任はいっさい不問に付していることです。
私たちは社説で、東京電力にすべての費用を負わせることの限界を指摘してきた。
全体で兆円単位の負担を国民に強いるにあたって、東電の利害関係者、とりわけ銀行の貸手責任を問わないままでは納得が得られない。
4.東電を含めて、電力会社が原発再稼動に前のめりになるのは、財界の意向によるものであり、単に電力会社の利益のためでないことは明らかですが、このことを曖昧にしているのです。
福島事故の収束がままならないのに、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に前のめりになっているのも、収益確保が大前提になっているためだ。
5.東日本大震災前の東電が経団連などを含めて財界の幹部であったことを忘れてしまって、東電と財界を切り離して、責任問題を論じ、その責任を東電に負わせていることです。
福島の事故は、自然災害に対する安全投資を軽視してきた東電による「人災」だ。
事故処理の費用は、すべて東電が担うのが筋である。
6.財界、原発利益共同体の責任を不問に付しながら、東電が、金額的に、責任を負えないことを強調しながら、その責任を国民に負わせ、国民を脅し、アベノミクス成長戦略断行の応援をしているのです。
国民負担を最小化するため、東電が実質的には破綻状態にあることを明確化することだ
賠償と除染、廃炉の総額は10兆円を超えるとの試算もある。東電の全面負担になれば、無理な利益確保に走り、被害者への賠償や電力供給への設備投資がおろそかになりかねない。
そもそも「東電が全て負担する」といっても、原資は首都圏の人たちが負担する電気料金である。
政府には国策として原発を推進し、安全規制を甘いままにしてきた責任がある。私たちが国費投入を求めてきたのは、こうした観点からだ。(引用ここまで)
原発利益共同体について記事にしました。ご覧ください。
そもそも総研は東電と政府・原発利益共同体の無策と責任を免罪するのではなく大儲けを吐き出させろ!(2013-10-07 07:58:43)
以下社説を掲載しておきます。ご覧ください。
朝日 除染事業に国費/脱原発の明示が条件だ 2013/11/2 4:00
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1?
福島第一原発の事故処理や被災地への対応に関する自民党の提案がまとまった。最大の柱は、今後の除染事業や汚染土などを保管する中間貯蔵施設の整備に、国費を投じるよう求めたことである。安倍政権はおおむねこの案に沿って対策を進める見通しだ。
■東電救済策に陥るな
私たちは社説で、東京電力にすべての費用を負わせることの限界を指摘してきた。国費の投入は避けがたい。しかし、場当たり的な対応が続く汚染水処理を含め、福島第一の廃炉作業がこれで順調に進むわけではない。福島をはじめとする各原発の廃炉をどういう体制で、どんな手順で進めるのか。政府は国費投入が東電救済策に陥らないよう、脱原発への全体像を早く示すべきだ。
自民党案では、約1・3兆〜1・5兆円とされるこれまでの除染費用を東電が負担し、今後は国がまかなう。損害賠償は従来通り東電が全額負担する。福島の事故は、自然災害に対する安全投資を軽視してきた東電による「人災」だ。事故処理の費用は、すべて東電が担うのが筋である。 ただ賠償と除染、廃炉の総額は10兆円を超えるとの試算もある。東電の全面負担になれば、無理な利益確保に走り、被害者への賠償や電力供給への設備投資がおろそかになりかねない。このほど発表した中間決算は事故後初の黒字となったが、もともと賠償費用が毎年の決算に影響しないよう処理した結果である。修繕費などもできる限り先送りして「つくった数字」の色合いが濃い。福島事故の収束がままならないのに、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に前のめりになっているのも、収益確保が大前提になっているためだ。そもそも「東電が全て負担する」といっても、原資は首都圏の人たちが負担する電気料金である。一方、政府には国策として原発を推進し、安全規制を甘いままにしてきた責任がある。私たちが国費投入を求めてきたのは、こうした観点からだ。
■けじめをつけよ
ただし、条件がある。ひとつは、国民負担を最小化するため、東電が実質的には破綻(はたん)状態にあることを明確化することだ。現行の法制度では、東電の破綻処理には難しい面もある。倒産の場合、東電が発行してきた巨額の電力債についての弁済が優先され、事故被害者の救済が後回しになるといった問題だ。しかし、除染費用は総額5兆円規模に膨らむともみられる。全体で兆円単位の負担を国民に強いるにあたって、東電の利害関係者、とりわけ銀行の貸手責任を問わないままでは納得が得られない。そして、国費投入の条件としてなにより重要なのは、政府として脱原発の方針を明確にし、けじめをつけることだ。いざ原発事故が起きた場合には処理費用の一部を国が肩代わりするという前例をつくったうえで、次々と再稼働を進めていくことなど、許されない。原発への依存度を減らしていくことは、安倍首相自ら語っていることである。まず老朽化した原発や原子力規制委員会の審査をパスできない原発は早期に廃炉にすることを明らかにすべきだ。新設はもちろん、同じ敷地内での建て替えもしない。
■廃炉の体制づくりを
核燃料サイクル事業からの撤退を決め、高速増殖炉もんじゅや青森県六ケ所村の再処理工場を閉じていく。そうすれば、そこに投じられている国費や電力会社の積立金を、福島事故の処理に回す余地もできる。そのうえで、放射性廃棄物の最終処分場の建設や、すでに国内外に保有しているプルトニウムの処理について、具体策の検討を急ぐ。廃炉の体制づくりも喫緊の課題だ。福島第一の廃炉・汚染水対策の実施について、自民党案は東電の社内分社化や完全分社化、独立行政法人化などの案を紹介しつつ、結論を先送りしている。福島を含め、電力会社の垣根を超えた廃炉機関の設立を検討する必要がある。少なくとも、東電が柏崎刈羽の再稼働と両にらみで事故処理にあたる状態を続けていいわけがない。むろん、国民負担を小さくするため柏崎刈羽を動かすというのは本末転倒だ。福島で作業員が安全に働ける環境を整えることも最重要課題である。東電の当事者能力に疑問符がつくなか、作業員の健康面を含めて国がしっかりと管理し、必要な人材や資源を投じる体制を整えなければならない。こうした課題にほおかむりしたまま、国費の投入を決めても事態は何も進展しない。東電の尻ぬぐいだけさせられるのは、ごめんである。(引用ここまで)
以下、日本の原発政策と本質が一定程度浮き彫りになっている記事を探してみまあした。ご覧ください。
安倍政権は財界番頭/原発·インフラ売り込み/歴訪に112社200人ゾロゾロ 2013年5月13日
原子力発電売り込みへ 官民出資の国策会社設立|______「財界」日本 ... 2010年5月27日
[CML 025367] 安倍政権[原発セールス]に世界が反発(『週刊SPA』7月 ...2013年7月12日
東京電力はなぜ居丈高なのか 原発再稼動の安倍政権も共謀 (日刊 ... 2013年7月6日
原発輸出:国民負担に直結 国のリスク不十分な説明- 毎日jp(毎日新聞) 2013年8月3日
原発のない社会をめざして 安倍政権の原発輸出 原子力外交で復活する ... 2013年5月9日
原発輸出、合意を歓迎=日トルコ首脳-安倍氏「安全は日本の責務」(2013/10/30-06:59)
首脳会談を終え握手する安倍晋三首相(左)とエルドアン首相=29日、イスタンブール(EPA=時事)
【イスタンブール時事】安倍晋三首相は29日夜(日本時間30日未明)、イスタンブールでトルコのエルドアン首相と会談した。両首脳は同国の原発建設受注をめぐり、三菱重工業などの日仏企業連合とトルコ政府との実質合意を歓迎。安倍首相はこの後の記者会見で、原発を輸出する相手国での人材育成などを通じ、原発の安全確保を目指す考えを表明した。会見で安倍首相は「東京電力福島第1原発事故の教訓を世界と共有することで原子力安全の向上を図っていくことはわが国の責務だ」と強調。エルドアン首相は日本の高い技術力を評価し、「原発が必要と信じている以上、これを進めたい」と語った。日本との経済連携協定(EPA)の速やかな交渉入りを目指す考えも示した。日本の原発輸出が実現するのは福島原発事故以降初めて。実質合意したのは、トルコが黒海沿岸シノップで進める原発4基(出力合計440万キロワット規模)の建設計画。29日に商業契約の交渉を終了した。トルコ国会の承認を経て正式に締結、2023年の運転開始を目指す。(引用ここまで)
トルコ原発建設で実質合意=三菱重工など日仏企業連合 (2013/10/30-05:06)
【イスタンブール時事】トルコの黒海沿岸シノップに原発4基を建設する計画をめぐり、日本・フランスの企業連合とトルコ政府は29日、商業契約の交渉を終了し、実質的に合意した。今後、トルコ国会の承認を経て正式に契約を締結する。安倍晋三首相はトルコのエルドアン首相との29日の首脳会談で、実質合意を歓迎した。原発建設には日本から三菱重工業、伊藤忠商事が参加。両首脳は5月の会談で原子力協定を締結し、日仏企業連合が排他的交渉権を獲得していた。(引用ここまで)
原発利益共同体に関する記事を一覧してみました。ご覧ください。
5.3屈辱の日に中東で原発・軍事力を売り込む安倍経団連日米軍事同盟深化派はイスラム世界を敵に!その22013-05-05 23:29:59
米軍基地は中国北朝鮮の脅威、原発は経済成長、核兵器は核抑止力で正当化!沖縄福島広島長崎の声は無視!2013-05-06 13:19:06
国内の貧困対策をよそにアフリカに大盤振る舞いをして大企業の大儲けを保障スルアベノミクスに大喝!2013-06-03 23:52:48
ホンネ隠蔽と争点逸らしの自民の公約は民主党を嘘つきと批判した自民に跳ね返る!これが選挙の大争点!2013-07-11 09:11:21
原発ゼロの真の争点を曖昧にして、廃炉・再生可能エネへの途を遅らせるマスコミに大喝!国民的議論の場を!2013-07-12 15:23:50
安倍自公政権の政権公約違反と対峙する共産党の原発即時ゼロ政策は非現実的、無責任か、国民的議論こそ!2013-07-12 14:36:38
福島でパフォーマンス視察をした安倍首相、やればやるほど墓穴へ!倍返し辞職の引導渡しは誰?国民です!2013-09-21 23:01:43
誰が診てもコントロールできていないのに首相の大ウソつきを問題にしない安倍マスコミ応援団の正体!2013-10-07 19:49:16