真面目に働いても
いつ「下流老人」になるかわからない国、日本!
そんな日本に誰がした!
日本国憲法の
個人の尊厳・幸福追求権・平和的生存権の保障は
切れ目なく国民の命と安全を守るのではなかったのか!
年金生活に行き詰まった典型的な「下流老人」
こんな「下流老人」なんて
自己責任か!
自助不足か!
違うだろう!
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は
人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて
これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ
現在及び将来の国民に対し
侵すことのできない永久の権利として
信託されたものである!
下流老人の復讐 年々増加する高齢者の犯罪
(週刊朝日 2015年7月17日号掲載) 2015年7月8日(水)配信
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/asahi-20150708-2015070800002/2.htm
下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 [拡大]
しかし、JRが受けた被害も甚大だ。車両の修理代、被害者への慰謝料、さらにJR東海は約9万4千人の乗客に影響が出たと発表している。その賠償金や補償金は、きょうだいや親戚に支払いが求められる可能性もある。同容疑者の甥は困惑する。
「テレビでニュースを見ていると、事件直後の午後1時頃、神奈川県警から叔父の遺体確認をしてほしいと連絡があり、仰天しました。お詫び、賠償などどうしたらいいか、親族で話し合わなきゃいけないと思う」
年金政策が行き詰まり、高齢者の犯罪は、いまや社会問題だ。法務省の2014年版「犯罪白書」によると、高齢者犯罪の中でも暴行や傷害といった「キレる」粗暴犯が急増しているという。最新のデータである13年の統計で比べると、暴行罪は23年間で約70.9倍、傷害罪は約12.4倍に急増している。殺人も約3.4倍だ。この間、高齢者の人口は約2.1倍しか増えていないことを考えると、いかに高齢者犯罪が急増しているかがわかる。
一方で気を付けなければならないのは、「高齢者の貧困=犯罪」と短絡的に結びつけることだ。
「日本では、貧困と犯罪の直接的な因果関係はありません。一方、貧困層の自殺率は一般の人に比べて2倍以上高い。実際には、下流老人たちは自宅でひっそりと自死する人が多い。もちろん、今回の犯罪は許されない行為です。しかし、自殺対策をしない限り、根本的な解決にはなりません」
真面目に働いても、いつ「下流老人」になるかわからない国、日本。林崎容疑者のテロは、その現実を改めて突き付けている。(本誌・上田耕司、西岡千史)※週刊朝日 2015年7月17日号より抜粋(引用ここまで)
「男は黒焦げで、指紋と運転免許証で身元が判明した」(神奈川県警関係者)
男の名は東京都杉並区西荻北の無職、林崎春生(はるお)容疑者(71)。犯行前には周囲に、繰り返し年金の受給額の少なさと保険料や税金の高さへの憤りをぶつけていた。林崎容疑者とは、かつて飲食店を経営していたときから40年来の付き合いがある男性(73)は言う。
「今年の春ごろに空き缶回収の仕事を辞めて、6月から年金だけの生活になると話していました。『年金が少ない』とよく言っていて、滞納があったのか、国民健康保険や住民税で6万円も払わないといけないと怒っていました」
自殺をほのめかすような発言もしていた。
「『区役所に縄を持って行って首を吊ってやる』という話もしていた。実際、区役所に行って自殺の話もしたようです。すると、職員から『本当にそんな覚悟があるんですか』と言われ、ハヤシさん(林崎容疑者の愛称)は『お前も一緒に死んでくれるか』と言い返したと話していました」(同)
杉並区の生活保護基準は14万4430円だ。しかも、生活保護の場合は国民健康保険や住民税などの負担が減免される。つまり、林崎容疑者は35年間も真面目に年金を納めたにもかかわらず、生活保護水準以下の12万円の支給しか受けられない「下流老人」だった。
アパートの大家によると、1年ほど前に「生活が苦しいから家賃を下げてほしい」と言われ、千円下げたという。ただ、支払いは2カ月分のまとめ払いだったが、「遅れたことはなかった」と話す。
「『年金が少なくて生活が大変だ』と言っていました。生活保護の申請ができるか、今度会って話をしましょうと言いました。後日に日程調整をしようと携帯電話に連絡を入れたのですが、そのときは留守だったんです。折り返しの連絡を待っていたのですが、こんなことになるなんて……」
区議会議員によると、林崎容疑者は数年前にも借金の返済について相談をしていたという。
6月中旬ごろには、林崎容疑者のおかしな言動も確認されている。近所のスーパーの店員が証言する。
「店ではいつも練乳入りのかき氷アイス2個とタバコを買っていました。酒を一緒に買うときは発泡酒やカップ酒が多かったですね。それが事件の2、3週間前に来たときは『これ(酒)がないと眠れないんだよ』と、独り言みたいに小さな声でつぶやいていました」
林崎容疑者の姉(75)を直撃すると、生活苦の悩みを打ち明けられていた。
「6月中旬に電話がありました。年金は月18万円ぐらいもらえると思っていたら、12万円だった。年金のことでうつになっていたと思う。『国会の前で自殺でもしようか』とも言っていました。最後に話をしたのは事件の1週間前。『アルバイトがまだ見つからなくて』と。お金を貸してほしいと言ってくれれば、貸してあげたのに……」
貧困に苦しむ高齢者の実態を記した『下流老人』の著者で、生活困窮支援のNPO法人「ほっとプラス」代表理事の藤田孝典さんは言う。
「彼は典型的な下流老人です。現役時代の収入が多くなく、貯蓄も底をついた。生活の助けを求めることのできる家族や友人関係もない。こういった人たちが、いざ年金だけで生活する年齢になると、突然貧困層に落ちる。これはまれなケースではなく、私の試算では、高齢者の9割が下流老人になる可能性があります」
林崎容疑者の生い立ちは戦後日本人の典型だけに、他人事ではない。(本誌・上田耕司、西岡千史)※(引用ここまで)