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安保法案
ヤジ・威圧…強行の伏線
側近「成立すれば国民は忘れる」
強行採決の背景は
2015年7月16日07時34分
http://www.asahi.com/articles/ASH7B63N3H7BUTFK01S.html
国民の理解が進んでいないのも事実――。安倍晋三首相自らがこう認めたのに、自民、公明両党は15日、安全保障関連法案の採決を強行した。報道機関の世論調査で多くの国民が反対の考えを示し、憲法学者の多数が憲法違反だと指摘する中、安倍政権は異論や違憲という指摘に背を向けたまま、安保政策の大転換に突き進もうとしている。
【特集】安全保障法制
「アベ政治を許さない」「自民党 感じ悪いよね」
民主党議員が掲げたプラカードが揺れ、採決中止を求める怒号が飛び交う中、衆院特別委員会の浜田靖一委員長(自民)は「採決に移ります」と叫んだ。
野党議員が委員長席に詰め寄り、浜田氏から議事進行用の紙を取り上げると、浜田氏はポケットから別のコピーを取り出して読み上げる。野党議員からは「反対、反対」のコール。委員会室は混乱した。
採決前の質疑で、首相は「まだ国民のみなさまのご理解が進んでいないのも事実だ」とも認めた。浜田氏は採決後、記者団に「もう少しわかりやすくするためにも、法案を10本束ねたのはいかがなものかなと思う」と首相への不満を漏らした。石破茂地方創生相も14日の記者会見で「『国民の理解が進んできた』と言い切る自信があまりない」。政権内には、国民の理解が一向に進んでいないという自覚はあった。それなのに、政権はこれ以上の異論を封じるかのように採決に突き進んだ。
民主の岡田克也代表は採決後、「国民の反対が強まってくるなかで、早く店じまいしなければ大変なことになる。これが首相の考えだ」。共産党の志位和夫委員長も「国民多数の反対を踏みにじって採決を強行した。国民主権の蹂躙(じゅうりん)だ」とそれぞれ批判。参院で廃案に追い込む考えを示した。
首相がここまでして特別委での採決に踏みきったのは、安保関連法案成立を4月の訪米で米国に公約しており、先送りが国内外で政権の求心力を落とすことになるからだ。このため、衆院を通過した法案が仮に参院で議決されなくても、60日たてば衆院で再議決できる「60日ルール」の適用を視野に、9月27日の会期末から逆算。余裕を持って15日の採決に踏み切った。
新国立競技場の建設問題や九州電力川内原発などの再稼働、戦後70年談話など難題も山積しており、懸案を早期に処理しておく必要性にも迫られていた。(安倍龍太郎)
自民党内での議論も乏しく
異論封じへの伏線はあった。5月28日の特別委で、首相が自席から民主党議員に「早く質問しろよ」とヤジを飛ばした。政府の説明責任を放棄するような姿勢に批判が集まった。また、6月25日の首相に近い自民党議員の勉強会で、議員が「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番」「沖縄のゆがんだ世論を正しい方向に持っていく」などと述べ、政府に批判的な報道や世論を威圧する発言も飛び出した。
自民幹部の一人は法案の作成過程も問題視する。議員が幅広く法案の作成過程に関与することなく、「一部の幹部だけで法案が作られ、党内議論で意見しようとすれば、作成を主導した高村正彦副総裁に論破された」。異論に耳を傾けぬ党内の空気が醸成された。首相に近い参院議員の一人は「消費税や年金と違い、国民生活にすぐに直接の影響がない。法案が成立すれば国民は忘れる」と言い切る。
くしくもこの日は、首相の尊敬する祖父、岸信介元首相が1960年、日米安保条約改定を巡る国会の混乱から退陣した日だ。首相は特別委で「あの(安保改定の)時も国民の理解はなかなか進まなかった。しかし、その後の実績をみて多くの国民から理解や支持をいただいた」。かつて、有事法制や消費税率の5%から8%への引き上げ法案では、与野党が粘り強く協議して合意を作り上げた実績もある。だが、今の首相にあるのは、異論もいずれは収まるだろうという楽観論だ。野党議員が委員長席周辺で抗議の声をあげる中、首相は採決の結果を見届けないまま議場を後にした。(笹川翔平)
「違憲」指摘 最後まで釈明
法案の内容をめぐり。与野党が激しく対立する構図はふつうだ。だが安保関連法案は合憲か、違憲かという根幹が問われ続ける異例の審議をたどった。
「自分の思い通りに憲法をねじ曲げようとしている」。15日の特別委で民主党の辻本清美氏は、長年の憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を認めた首相の手法を厳しくせめた。
こうした批判に、安倍首相は「合憲である絶対的な確信を持っている」と述べるなど、最後まで憲法をめぐる説明に負われた。
首相にすれば、ここまで国会で合憲か違憲かが問われるのは想定外だった。昨年7月の憲法解釈変更後、首相は自国防衛に限定した集団的自衛権なら憲法上認められると説明。弁護士出身の自民党高村氏、公明党の北側一雄副代表を中心に、内閣法制局を加えて理屈を練り上げた。政権は万全の理論武装をして法案審査に臨んだはずだった。
ところが、6月4日の衆院憲法審査会で憲法学者3人が「憲法違反」と指摘すると、政権は一転、釈明に追われるようになった。
自民は「憲法解釈の最高権威は最高裁だ。憲法学者でも内閣法制局でもない」(稲田朋美政調会長)などと防戦したが。朝日新聞が11,12日に実施した全国世論調査では、法案が憲法に「違反している」が48%に上がり、「違反していない」は24%にとどまった。
反論が一向に理解されない中、首相は日本を取り巻く安全保障環境の悪化による「リスク」を訴えて、集団的自衛権行使の正当性を主張してきた。しかし、憲法によって政治権力を縛る立憲主義に反することを認めれば、時の権力の暴走を許すことにつながりかねず、国のあり方にとって、逆に重大なリスクになる。
「総理は『政治家が判断しなければならない』と言うのが独善だ。立憲主義は総理のような独走を抑えるためにある」。民主の大串博志氏は15日の質疑でこう迫ると、首相は「違憲立法からの最終的判断は最高裁判所が行う。憲法にも書いてある」との持論を強調した。(石松恒)
愛国者の邪論の検証
1.「違憲立法からの最終的判断は最高裁判所が行う。憲法にも書いてある」
そもそも、この憲法の規定に違反したのは最高裁であり、時の岸信介政権です。それは
(1)マッカーサー駐日大使と最高裁長官の合作そのものが違憲であることを隠ぺいしています。国家主権・司法の独立を否定し、国民主権をも否定した許し難い判決を出したことです。
(2)しかも最高裁は東京地裁の違憲判決を合憲とする違憲判決を出したのです。
(4)さらには、最高裁は違憲統治行為論を振りかざして憲法判断を避けたのです。
2.「首相は日本を取り巻く安全保障環境の悪化による『リスク』を訴えて、集団的自衛権行使の正当性を主張してきた」論。
(1)自民党政権は、この「危機」「脅威」論しか正当化する理由をもっていません。
(2)これに対して、憲法9条の「国際紛争を解決する手段」として「永久に放棄」した「武力による威嚇」論を正当化していることを批判する声が上がっていません。
(3)この「武力による「威嚇」論は、1928年の不戦条約を一つの源流として、国連憲章で明確にされ、その後の国際法使われてきた考え方です。
(4)しかし、「抑止力」論の名の下に、軍事抑止力」「核兵器抑止力」論が、「大国」によって正当化されてきたために、今日日本国民も、何らの疑問もなく、受け入れているのです。
(5)この「武力による威嚇」=「軍事抑止力」論が、いわゆる悪魔のサイクル・ジレンマとなっていることをもスルーしていることを、今一度再検証すべきです。
(6)軍事抑止力論が軍事抑止力論を呼び込み、軍拡競争に陥る愚策・妄想から脱却していくべきです。
(7)その最大の理論的核心は、国際紛争の解決の手段は、非軍事・非暴力的手段、平和的解決を取るということです。「対話と交流」論に基づく、民生の安定、経済・文化交流の発展です。
(8)マスコミ・政党などが、こうした見地に立って、地球儀を俯瞰する外交を点検することです。自由・人権・民主主義・法の支配を価値観とする国々との外交とは、憲法9条を活かした外交であることを質していくことです。
3.「首相にすれば、ここまで国会で合憲か違憲かが問われるのは想定外だった」論
(1)そもそも、昨年7月の閣議決定について、違憲であるとの見解は、憲法学者などから打ち出されいました。
直言(2014年7月7日)「7.1事件」――閣議決定で「憲法介錯」2014年7月7日 http://www.asaho.com/jpn/bkno/2014/0707.html
閣議決定の暴挙は、民主主義とも立憲主義とも無縁の「専制政治」に他ならない 2014年7月16日http://www.magazine9.jp/article/shudanteki-jieiken/13648/
(2)また政党では共産党が打ち出しており、撤回を求めていました。
赤旗主張/9条覆す閣議決定/この歴史的暴挙、国民は許さず [2014.7.2]
(3)安倍首相が「想定外」としていたのは何故か。
①それはテレビ・新聞が昨年の閣議決定を是認していることを反映しているのではないでしょうか。このことは
②どうせ「違憲」論などは出てこない。世間は自衛隊「合憲」論で席巻されていると慢心していた。このことは、「合憲である絶対的な確信を持っている」と根拠も示さず安倍首相も繰り返し述べていることに象徴的です。
③憲法9条を解釈改憲によって「旧三要件」をつくり、その延長線上に「新三要件」があるという認識に固まっていることを反映している。
④閣議決定「違憲」論は少数であり、マスコミも騒いでいないのだから、大丈夫だと慢心していた。
⑤ところが政府与党の参考人が、集団的自衛権違憲論を述べたところにニュース性が浮き彫りになった。
⑥、元々は、この話は、突飛なことではないのですが、衆院憲法調査会という場で行われたところに、意味があったということです。
4.「あの(安保改定の)時も国民の理解はなかなか進まなかった。しかし、その後の実績をみて多くの国民から理解や支持をいただいた」「消費税や年金と違い、国民生活にすぐに直接の影響がない。法案が成立すれば国民は忘れる」論
(1)これほど国民をバカにした話はありません。戦後自民党の権力者たちが、国民をどのように捉えて政治を行ってきたのか。また強行採決を行ってきたのか、浮き彫りにしました。
(2)しかし、このことは同時に、マスコミの世論誘導の実態、政権応援団としてのマスコミの位置付けも浮き彫りにしました。権力者たちが、このようなことを平然と言えるのは、マスコミは世論形成の上で、彼らの味方であることを、逆に晒してくれたように思います。このことは、マスコミ統制の話が出てきた今回の事件で、いっそう浮き彫りになりました。
(3)本人の言動を視れいれば祖父岸信介元首相の姿を追っていることは明白ですが、このことを徹底して糾していないマスコミ・政党が、ここでも浮き彫りになりました。
(4)日米安保条約こそが戦後日本の平和を構築してきたなどと言うことを公然と言ってしまっても、どこも突っ込まないところに日米軍事同盟を容認している現代日本ノイデオロギー状況が改めて浮き彫りになりました。
5.「異論に耳を傾けぬ党内の空気が醸成」論
(1)このことは村上誠一郎氏の活躍を視るまでもありません。
(2)また沖縄の民意に逆行したやり方、公約違反のTPPに関わって農協「改革」も同じです。
(3)このことは批判に「全く問題ない」と意を介さない菅官房長官の発言も同じです。
(4)自由民主党の政治家の発言が、通常の常識の枠を超えた発言がくり返されているにもかかわらず、問題にならないのは何故か!ここに、大きな問題があります。それは、以下のとおりです。
①小選挙区制度による候補者選定に総裁の権力が絶大になったこと。
②政権交代可能の二大政党政治と小選挙区制度を扇動して実現したにもかかわらず、クルクル政権が変わるのは、外交などを考えると、一貫性がなくなるので、少しぐらいはガマンしようという思惑がマスコミをはじめ政治家にあること。
③民主党の政権交代を扇動したにもかかわらず、その失敗がトラウマになっていること。
こんなデタラメが許される日本を改革しなければ!
以上のような検証を踏まえると、以下のことが行われようとも平然と許されているのです。
憲法をものさしにしていたら、決して許されるものではありません。新聞・テレビ・政党のマンネリが安倍政権のクーデター的手口、暴走を許していると言っても過言ではありません!
「まだ国民のみなさまのご理解が進んでいないのも事実だ」
「もう少しわかりやすくするためにも、法案を10本束ねたのはいかがなものかなと思う」
「訪米で米国に公約しており、先送りが国内外で政権の求心力を落とすことになるからだ」
「首相が自席から民主党議員に「早く質問しろよ」とヤジを飛ばした」
「政府に批判的な報道や世論を威圧する発言も飛び出した」
「首相は採決の結果を見届けないまま議場を後にした」そして、その後、どこへ行ったか!