首相は会談後、記者団に「平和条約について2人だけでかなり突っ込んだ議論を行うことができた。新しいアプローチに基づく交渉を具体的に進めていく道筋が見えてきた。その手応えを強く感じることができた会談だった」と強調。プーチン氏の山口県訪問に関しては「ゆっくり静かな雰囲気の中で平和条約締結交渉を加速させていく会談にしたい」と述べた。

会談は、ウラジオストクの極東大学で夕食会も含めて3時間10分行われ、世耕弘成経済産業相兼ロシア経済分野協力担当相も同席した。両首脳は焦点の北方領土問題を巡り、通訳だけを交えて一対一で約55分間にわたって話し合った。

ロシア大統領の国際会議以外での来日は2005年以来、11年ぶりとなる。東京以外での首脳会談開催は1998年の橋本龍太郎首相とエリツィン大統領の「川奈会談」(静岡県伊東市)以来。両政府は北方領土問題を含む成果文書を発表する方向で調整する

一方、ロシアのラブロフ外相は会談後、記者団に「日本には北方領土で共同経済活動や人的交流に関する協議をする用意があると感じる」と述べた。首相は対ロ経済協力に関し、北方四島の共同開発も視野に入れており、今後の日ロ協議の焦点となる可能性もある。(引用ここまで