地震大国日本に巨大なムダと危険物ゲンパツはカネがかかる!
ゲンパツ推進派の致命的欠陥はこれだな!
ゲンパツ立地地域経済に役立つか、検証すべきだな!
中国・北朝鮮の脅威は吹聴するがゲンパツの脅威にはダンマリ!
ゲンパツに掛けたカネを再生可能エネルギーにかけたら?
原発利益共同体と軍事利益共同体は一蓮托生だが
日本の情報伝達手段が隠蔽している典型記事だな!
良いことは言っているが!
福井新聞 もんじゅ廃炉方向/矛盾だらけの原子力政策 2016/9/22 8:05
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/editorial/105152.html
【論説】これで国策と言えるのだろうか。日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(敦賀市)について、政府の原子力関係閣僚会議は廃炉を前提に抜本的に見直す方針を確認した。高速炉研究の方向性を協議する官民会議を設置し年末までに結論を出す。核燃料サイクル政策は維持するという。
「地元の意向を踏まえる」とするが、何を政策に反映させるというのか。
巨費を投じても成果を出せない原型炉もんじゅだ。方針は一見妥当にみえるが、中核のもんじゅ抜きで核燃料サイクルが成り立つのか。
青森県の再処理工場も完成が大幅遅れ。政府には風圧が強い原子力政策を「もんじゅ切り」でかわす思惑が透けるが、逆に脱原発の勢いは強まるだろう。
もんじゅは1994年4月の初臨界からの22年間、事故やトラブルが相次ぎ、試験運転できたのは250日にすぎない。毒性の強いプルトニウムを燃料に、冷却材も水ではなく、扱いにくいナトリウムを使用、漏えい事故も起こした。
運営主体を代えても奏功せず、2012年11月に大量の機器点検漏れが発覚。翌年5月に原子力規制委員会から事実上の運転禁止命令が出た後も体制の再構築はままならなかった。
ただ、研究開発炉である限りトラブルは付きものだ。現場だけの責任にはできない。規制当局は指導性のなさを棚に上げ、一方的に運営主体の変更を勧告。所管の文部科学省は有識者検討会を設置したが、受け皿を特定できず電力会社からもそっぽを向かれた。
「オールジャパン」の掛け声とは裏腹に多額の予算と利権が絡む原子力政策に文科省と経済産業省の対立が浮き彫りになる。
菅義偉官房長官が「方向性はまだ決めていない」と強調し、文科省が地元の存続要請に「努力する」と答えている一方で、元経産相の茂木敏充自民党政調会長は「廃炉以外の選択肢は想定できない」と言い切っていた。廃炉は官邸と経産省が描いた道筋であろう。
1兆円超を投じたもんじゅは、再稼働させれば少なくとも18年間で約5800億円必要と試算される。
14年に閣議決定したエネルギー基本計画で、核のごみの減容化・有害度低減を図る国際的な研究拠点に位置付けて延命を図ったが、このままでは国民の理解が得られないと考えたようだ。
高速炉実用化へ向け、実験炉「常陽」活用とフランスの次世代高速炉実証炉「ASTRID(アストリッド)」計画に参画し、共同研究する構想がある。推進するのは経産省である。だが、まだ基本設計段階で実現性は全く不透明だ。
国内に目を転じれば、原発の使用済み燃料から取り出した計48トンのプルトニウム問題がある。軽水炉で燃やすプルサーマル発電は原発再稼働が進まず、余剰プルトニウムは国際的な懸念材料になりかねない。矛盾だらけの国策が露呈する中で、国は地元の長い貢献にどう向き合うのか。
核燃料サイクル政策の是非を明示すべきだ。
「廃炉にするなら、あす目が覚めたら更地になっているようにしてほしい」—渕上隆信敦賀市長が松野博一文科相に直言した言葉が全てである。(引用ここまで)
京都新聞 もんじゅ廃炉へ/核燃サイクルは限界だ 2016/9/22 10:05
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160922_3.html
当然の決断だ。政府は高速増殖炉もんじゅ(福井県)を廃炉にする方針を関係閣僚会議で決めた。
1兆円を超える国費を投入しながら、事故や不祥事が続いてほとんど稼働できなかった。年200億円近い維持費もかかる。決断はむしろ遅きに失した感がある。
原発の使用済み核燃料を再処理して燃料とする「もんじゅ」は、国が進める核燃料サイクルの中核である。もんじゅの挫折によって、危険な使用済み核燃料をどう扱い、処分するのか、改めて重い課題を突き付けられたといえる。
ところが政府は、核燃料サイクルを放棄するどころか、原発大国フランスの技術協力を得て、新たな高速炉の研究開発を進める方針を決めた。「抜本的見直し」という菅義偉官房長官の説明とは裏腹の、かたくなな姿勢に驚く。
原発の燃料となるウランの産出は、カザフスタンとカナダ、オーストラリアで世界の3分の2を占める。中国など新興国の原発増設で需要が高まっており、ウラン価格は上昇している。
高速増殖炉が「夢の」と形容されるのは、従来型原発では燃料に適さない種類のウランを炉内でプルトニウム燃料に転換しながら発電するため、資源の利用効率が飛躍的に上がるからだ。天然資源が乏しい日本にとって、技術によって「国産エネルギー」を生み出す高速炉は魅力的ではある。
しかし、試運転から25年の歳月が教えるのは、実用化を阻む技術的な壁の厚さと膨大なコスト、事故時に予想される過酷な事態だ。
戦後、先進国がこぞって開発に取り組んだが実用化には至っていない。現在、フランスとロシアがなお前向きだが、その成功をあてにして巨額の国費を再び無駄にする愚は犯してはなるまい。
ピーク時に54基が稼働していた原発の使用済み核燃料は約1万8千トンもあり、大半が原発敷地内のプールで保管されている。その再処理を担うはずの六ケ所再処理工場(青森県)は、2兆円超を投入してなお、トラブル続きで稼働が見通せない。もんじゅと六ケ所という「両輪」が行き詰まった今、未来の見えない核燃料サイクルにしがみつくべきではない。いったん放棄し、「国策民営」と揶揄(やゆ)される原発とエネルギー政策を根本から見直すときだ。
日本が保有する使用済み核燃料から分離したプルトニウムは、核兵器数千発分にも相当する48トン。その安全で確実な処分方法こそ、真剣に考えねばならない。(引用ここまで)
信濃毎日 もんじゅ廃炉/核燃サイクルも撤退を 2016/9/22 10:05
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160922/KT160921ETI090007000.php
日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)が廃炉を前提に見直されることになった。政府がきのう開いた関係閣僚会議で確認した。
発電で使う以上の燃料が得られるとされる高速炉は、エネルギーを自給自足できる「夢の原子炉」と誇張されてきた。日本が国策としてきた核燃料サイクル政策の中核施設である。
1兆円以上の国費を投入したのにトラブルが続き、1994年以降、250日しか運転実績がない。再稼働には18年間で少なくとも約5800億円かかるとされる。廃炉は当然だ。
政府は核燃サイクルや高速炉の研究開発を維持する方針を変えていない。もんじゅの前段階で開発された実験炉「常陽」(茨城県大洗町)の活用や、フランスが建設予定の新型高速炉での共同研究案が浮上している。新たな研究開発の方向性を協議する官民会議も設置するという。
政府方針には問題が多い。
もんじゅでは、廃炉費用を含め計1兆3千億円の国費が無駄になる。新たな方向性を考える前に、もんじゅ計画が失敗した原因を究明し、責任の所在も明確にして、国民に説明する必要がある。
1世代前の常陽で十分な研究ができるのかも疑問だ。フランスとの共同研究も成果がどの程度期待できるか分からない。さらに国費を投入して研究することに国民の理解が得られるのか。今月から始まる臨時国会で、与野党は政府を厳しくたださなくてはならない。
核燃サイクルのもう一つの柱、プルサーマル発電も見直すべきだ。
高速炉で使うはずだった混合酸化物(MOX)燃料を、一般原発で使用する。一般原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムとウランを取り出し、加工した燃料である。問題は、使用済みMOX燃料の処理方法が決まっていないことだ。青森県六ケ所村に建設中の再処理工場でも扱えない。現状では原発内の使用済み燃料プールで保管し続けるしかなく、新たな「核のごみ」を生み出す。
使い道がほとんどないまま使用済み核燃料の再処理を続けた結果、日本が保有するプルトニウムは核爆弾6千発分とされる48トンに及んでいる。安全保障上の国際的な懸念も高まっている。核燃サイクルの破綻は明らかだ。速やかに使用済み核燃料の再処理事業を取りやめ、プルトニウムを含めて直接処分する方法を本格的に検討することを求める。 (9月22日)
中日/東京新聞 もんじゅ、廃炉へ/大転換の時代に移る 2016/9/22 10:00
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016092202000181.html
「もんじゅ」がようやく廃炉に向かう。高速増殖原型炉。使用済み燃料を再利用する核燃料サイクルの要の石だ。日本の原子力政策は転換すべきである。
原発停止、火力による代替が長引くと、石油や天然ガスの輸入がかさんで「国富」が消えていくという。だとすれば、展望なき核燃料サイクル計画による長年の国費の乱用を、どのように説明すればいいのだろうか。
原発で使用済みの燃料からウランとプルトニウムを取り出す再処理を施して、新たな核燃料(MOX燃料)にリサイクルして、もんじゅでまた燃やす−。それが核燃料サイクル計画だった。もんじゅは、計画の要とされた新型の原子炉で、理論上、燃やせば燃やすほどリサイクル燃料が増えていく“夢の原子炉”というふれ込みだった。
現在の運営主体は、文部科学省が所管する独立行政法人の日本原子力研究開発機構、正真正銘の国策である。
一九七〇年代の計画当初、もんじゅにかかる費用は、三百五十億円という見積もりだった。ところが、ふたを開けると、深刻なトラブルが相次ぎ、費用もかさむ。本格稼働から二十二年、原子炉を動かせたのは延べわずか、二百数十日だけだった。
そんな“夢”というより“幻”の原子炉に、政府は一兆円以上の国富を注ぎ込んできた。止まったままでも、もんじゅの維持には年間二百億円という費用がかかる。冷却材として、水ではなくナトリウムを使うのが、高速炉の特徴だ。ナトリウムは固まりやすく、停止中でもヒーターで温めて絶えず循環させておくことが必要だ。月々の電気代だけで、一億円以上になることも。
発電できない原発が、日々大量に電気を消費する。むだづかいを通り越し、皮肉と言うしかないではないか。
米国や英国、ドイツは九〇年代に、高速増殖炉の実験から手を引いた。もんじゅでナトリウム漏れ事故が発生し、当時の運営主体による隠蔽(いんぺい)が指弾を浴びた九五年、日本も夢からさめるべきだった。
青森県六ケ所村の再処理工場も九三年の着工以来二十三回、完成延期を繰り返し、建設費用は当初の三倍、二兆円以上に膨らんだ。核燃料サイクルという国策も、ほとんど破綻状態なのである。
二〇一〇年策定の国のエネルギー基本計画は、高速増殖炉を「五〇年より前に実用化する」とうたっていた。ところが一四年の計画からは目標年が消えていた。
政府の中でも、もんじゅは終わっていたのだろうか。それなのに、廃炉の決断は先延ばし。科学の夢を塩漬けにする愚を犯しただけでなく、金食い虫の汚名を着せて放置した。その責任は軽くない。
プルトニウムは核兵器に転用できる。日本は日米原子力協定で、非核保有国では例外的に、プルトニウムを取り出す再処理を認められてきた。政界の一部には「特権を手放すべきではない」との声も根強くある。日本は現在、四十八トン、長崎型原爆六千発分とも言われるプルトニウムを国内外に保有する。核不拡散を主導する米国も、再来年に迫った協定の期限を前に、日本の「核の潜在力」に対する警戒感を強めている。プルトニウムは増殖どころか、そもそも減らすべきものなのだ。
日本はおととし、フランスが、核廃棄物の減量や無害化をめざして開発を進める高速炉「ASTRID(アストリッド)」への技術協力に合意した。核燃料サイクルのシステム自体、減量に軸足を移すべきである。
3・11を経験した日本で、もはや原発の新増設などあり得まい。これ以上ごみを増やさないように脱原発依存を進めるべきである。しかし、最終処分場の選定が容易ではない以上、保有するプルトニウムや、一時保管されている、すでに出た使用済み核燃料を減らす技術は必要だ。
先月に再稼働した四国電力伊方原発3号機のような、MOX燃料を通常の軽水炉で燃やすプルサーマル発電だけでは、とても追いつかない。廃炉にしたもんじゅの設備を核廃棄物減量の研究拠点に転用できれば、地元の雇用や経済は維持できる。もんじゅと共生してきた自治体も納得できるに違いない。
いずれにしても、もんじゅがなければ、核燃料サイクルは根本的に行き詰まり、日本の原発政策の大前提が崩れ去る。それは、核のごみを増やせない時代への転換点になる。(引用ここまで)