ICAN事務局長「大変な名誉」
ICANのベアトリス・フィン事務局長はスイスのジュネーブで記者団の取材に応じ「大変な名誉で、核兵器禁止条約の採択に向けて人々のたゆまない努力をたたえるものだ。核兵器の廃絶には時間がかかり一夜にして成し遂げられるものではないが、禁止条約によって核保有国に対して核兵器をもつことが悪だと知らしめ、圧力をかけることができる」と述べました。そのうえで、「日本の被爆者やマーシャル諸島などの核実験の被害者にとっても大きな贈り物だ」と述べ、広島や長崎の被爆者とも喜びを分かち合いたいという姿勢を示しました。
ICAN声明「被爆者への贈り物」
ノーベル平和賞の受賞が決まったICANは、6日声明を発表しました。この中で、ICANは「今回の授賞は、核兵器には合法的な目的はなく、地球上から永久に消し去られるべきだと抗議し続けてきた、世界中の活動家や市民のたゆまない努力への贈り物だ」として歓迎しています。さらに、ICANは「今回の授賞は、また大きな目標のために力強い証言と惜しみない活動をしてきた広島と長崎の原爆を生き抜いた生存者、いわゆるヒバクシャと世界中で行われてきた核実験の犠牲者への贈り物でもある」として、広島と長崎の被爆者に言及して、授賞を評価しています。そして、核兵器禁止条約を批准した国々をたたえたうえで、「軍縮は幻想ではなく、喫緊の人道的な課題だ。選考委員会に感謝したい。今回の授賞は、禁止条約が核兵器の無い世界へとつながる道に必要な光を照らしてくれた。私たちは手遅れにならないうちにその道を歩まなければならない」として、今後も取り組みを続けていくと決意を示し、声明を結んでいます。
核兵器禁止条約とは
ことし7月、核兵器の開発や保有などを法的に禁止する核兵器禁止条約が122の国と地域が賛成して採択されました。核兵器禁止条約は、核兵器の開発や保有、それに使用などを法的に禁止する初めての国際条約で、ことし3月から核兵器の非保有国が中心となって交渉会議が進められてきました。交渉会議では、日本被団協の藤森俊希事務局次長らがスピーチを行ったほか、国連総会に核兵器禁止条約の実現を求めるおよそ300万人分の署名を提出し、条約の採択を後押ししました。
しかし、アメリカなどの核兵器の保有国や日本をはじめとする核の傘で守られた国々は「現実的な核軍縮にはつながらない」などとして条約に署名していません。
日本とも緊密な関わり
ICANには、国際運営委員として東京のNGOピースボートの共同代表を務める川崎哲さんが参加しています。ICANは、核兵器の保有や開発などを法的に禁止する核兵器禁止条約の交渉会議で日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の被爆者とともに各国に働きかけを行い、条約の採択に尽力しました。ICANの川崎哲国際運営委員は「受賞が決まったと聞き、驚きと喜びを感じています。今回の受賞は、核兵器の禁止と廃絶を願い、勇気を持って声を上げてきたとりわけ広島、長崎の被爆者に向けられたものだと思います。この平和賞は、すべての政府に一刻も早く核兵器禁止条約に署名・批准することを求めています。平和国家として歩むことを誓ったはずの日本は、核兵器禁止条約の署名を拒否し平和憲法を変えてしまうことを議論しています。こうした問題について、私たち日本の市民は、真剣に再考を迫られるでしょう」とするコメントを発表しました。
ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンの国際運営団体の一つ、NGO「ピースボート」は、午後7時半から東京・新宿区で会見を開きました。ピースボートは、これまでおよそ170人の被爆者のとともに世界100か国余りを回り、核兵器がもたらす悲惨さを訴えてきました。ピースボートの吉岡達也共同代表は「この瞬間を迎えられたことを光栄に思うとともに感動しています。ICANの平和賞受賞は、筆舌しがたい体験を語り続けた広島や長崎の人の証言があったからこそだと思います」と話しています。
「核廃絶」たびたび平和賞に
ノーベル平和賞は核軍縮に向けた取り組みをたびたび評価してきました。昭和49年には「核を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則を宣言し、アメリカなど5か国以外の核兵器保有を禁止するNPT=核拡散防止条約に署名した佐藤栄作元総理大臣が平和に貢献したとして、日本人として初めて受賞しました。
昭和60年、IPPNW=「核戦争防止国際医師会議」が世界の人々に核戦争がもたらす壊滅的な被害について権威ある情報を提供したとして受賞し、平成7年には核兵器廃絶を訴えた物理学者のアインシュタインらの宣言に基づく国際的な科学者の集まり、「パグウォッシュ会議」と、会議の創設者で会長を務めていたジョゼフ・ロートブラット氏が受賞しました。
10年後の平成17年には、核査察などを通して核兵器の拡散防止に取り組むIAEA=「国際原子力機関」と、事務局長を務めていたモハメド・エルバラダイ氏が受賞しています。
そして、平成21年、アメリカのオバマ大統領はチェコの首都プラハで「唯一、核兵器を使用したアメリカは核のない平和で安全な世界を目指して主導的な役割を担いたい」と演説し、この年のノーベル平和賞を受賞しました。(引用ここまで)
日テレ 授賞理由に北朝鮮も…ノーベル平和賞を発表 2017年10月6日 19:48
今年のノーベル平和賞が日本時間6日午後に発表され、ICAN(=核兵器廃絶国際キャンペーン)が選ばれた。ICANは、2007年に設立された国際的反核キャンペーンの連合体で、国際的な核兵器禁止条約の成立などを目指して活動を続けている。7月にはICANの働きかけなどにより、国連の核兵器禁止条約が参加国の賛成多数で採択された。ノーベル賞委員会は授賞理由として、核兵器開発を続ける北朝鮮にも言及しながら、「ICANは核兵器のない世界の実現に向けて誰よりも貢献してきた」と説明した。発表を受けてICANの担当者が喜びを語った。
ICAN事務局長「この問題のため休みなく戦ってきた人々への大きな励ましだ。1945以来、核軍縮のため取り組んできた全ての人々への重要なメッセージだ。日本の原爆のヒバクシャや、核実験の被ばく者へささげられるものだ」
授賞式は12月にノルウェーのオスロで行われる。(引用ここまで)
TBS ノーベル平和賞、ICAN核兵器廃絶国際キャンペーンに 3時間前
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3177797.html
今年のノーベル平和賞に、核兵器を廃絶する条約の制定に尽力してきた「核兵器廃絶国際キャンペーン」ICANが選ばれました。ICANは2007年に発足したキャンペーンで、日本を含む世界100か国の団体が協力。核兵器廃絶の条約づくりを目指し、各国政府に対して様々な働きかけを行ってきました。その活動は、今年7月に国連で採択された、核兵器の開発や使用などを法的に禁止する初めての条約「核兵器禁止条約」に結実、この点が評価されました。ただ、条約については、アメリカやイギリスなどの核兵器保有国が批准しないと表明していて、唯一の被爆国・日本も、「核軍縮は核兵器保有国との協力のもとに進めることが重要」との立場から批准しない方針です。
「今、核兵器が使用される危険性が久しぶりに高まっています。手持ちの核兵器を刷新している国もありますし、北朝鮮のようにこれまで核兵器を保有していなかった国々が保有しようとする現実的な危険もあります」
ノルウェーのノーベル委員会はこう述べた上で、今回の授賞決定が、核保有国に対して「核兵器の段階的な廃止に向けた真摯な交渉の開始をよびかけるものだ」としています。(引用ここまで)
FNN ノーベル平和賞は核廃絶NGO 10/06 19:22
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00372659.html
2017年のノーベル平和賞が発表され、核の廃絶を訴えるNGO(非政府組織)、「ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)」の受賞が決まった。ICAN事務局長は「この受賞は、原爆で被爆した日本の被爆者にささげるものだ」と話した。ICANは、日本など、およそ100カ国の団体が関わるNGO。ノーベル賞委員会は、受賞理由の1つとして、「北朝鮮のように、核兵器を保有しようとする国が増えている」としたうえで、「ICANは、世界にある1万5,000に及ぶ核兵器をなくそうと、活動を続けてきた」と説明している。日本が参加しないまま、2017年7月に国連で採択された「核兵器禁止条約」について、日本の参加などを働きかけている。 (引用ここまで)
テレ朝 ノーベル平和賞に核廃絶のICAN 日本のNGOも参加 (2017/10/06 18:47)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000111647.html
今年のノーベル平和賞が6日午後に発表され、核兵器廃絶に取り組む国際NGO「ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)」が選ばれました。ICANは世界約100カ国のNGOからなる組織で、日本のNGOも参加しています。今回、核兵器の廃絶を達成するための画期的な努力が評価されました。ICANは「核廃絶に取り組んだ市民や被爆者、犠牲者への贈り物だ」とコメントしています。平和賞発表のプレゼンテーターは「多くの国が核兵器を入手しようとしている差し迫った危機があり、その実例が北朝鮮だ」指摘しました。
核兵器廃絶を訴えてきた被爆者・サーロー節子さん(85):「涙が出るほどうれしい。72年間の長い道のり。この瞬間がきた」
広島で被爆し、核兵器廃絶を訴えてきたサーローさんは今回の平和賞受賞を高く評価しました。(引用ここまで)
テレ朝 核兵器廃絶国際キャンペーンICANにノーベル平和賞 (2017/10/06 18:05)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000111630.html
ノーベル平和賞が6日午後、発表されました。ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)が選ばれました。(引用ここまで)