迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

ばしょうにびわをたずさえて。

2014-06-30 08:01:25 | 浮世見聞記
国立能楽堂で、金春流の能をたのしむ。 「半蔀」は、光源氏とのはかない恋を永遠に回想する女性の、叙情詩。 一瞬の出来事であればあったほど、その思ひ出は色鮮やかに生き続ける― この曲がこんにちまで生き続けているのも、そんな人間の心に深く根差したものがあればこそだ。 「絃上」は、須磨の浦の汐汲み宿で、藤原師長が得意の琵琶を演奏している最中に雨が降りだし、その雨音を嫌って手を止めたところ . . . 本文を読む
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