迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

むねんのたましいきえやらず。

2014-06-01 20:17:00 | 浮世見聞記
国立能楽堂で、金春流の「頼政」を観る。 源頼政-老境に至って平家に弓をひき、武運つたなく宇治の平等院に果てた源氏の武将。 芝に扇を敷いてから腹を切ったと云うその場所は、“扇の芝”と呼ばれて現在に伝わる。 頼政の霊が法体で現れたとき、わたしは無念を滲ませたその表情の生々しさに、思わず目を見張った。 わたしは、直面(ひためん)なのかと思った。 いや。 たしかに後シテは、この曲専用の . . . 本文を読む
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