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迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

色の秋、味の冬。

2021-10-13 19:32:00 | 浮世見聞記
我が町は朝から小雨模様ゆゑ部屋で過ごすことに決めて、読みかけたままになってゐる本に手を伸ばしたり、途中回からで筋がよくわからない韓流ドラマを眺めたり──それでもなかなか面白い──、永遠の未完成となりさうな戯作に何度目だか忘れた手直しを加へたりしてゐるうちに、昼過ぎとなりぬ。


空は相変はらず重い色をしてゐるが、まう雨の降る様子は見られぬゆゑ、散歩に出ることにする。


秋は黄色の植物がよく映えるやうで、キバナコスモスのほか道端によく群生してゐるセイタカアワダチソウなど、


その深みある色具合はつひ足をとめて見入りたくなる。



ホウキギもそろそろ衣替へのやうだ。


隣町の驛ビルまで歩き、なかに入ってゐる書店を覗くと、春頃に新刊として出た専門書が、まだそのままになってゐた。

あの時は手に入れたいと思ったが、値段の安い本ではないので「またいづれ……」と思ってゐるうちに忘れて今日に至ったのだから、しょせん縁のない本だらう。


帰りに寄ったスーパーで、鍋物向けの極太饂飩が出てゐるのを見て、いよいよ冬かと襟を正す氣分になる。



私はこれからの季節に、この饂飩を買って素饂飩で食べるのが好きなのである。

但し、値引きシールが貼ってあるときに限る。



夜になって再び雨が降り出す。

良い時に散歩へ出られた。








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