「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

                 ”隣の家の赤いバラ”

2013-05-08 06:49:11 | Weblog

”隣の家の赤いバラ”という諺がある。三省堂「慣用句ことわざ辞典」によると”他人の物はよく見えて羨ましい”という意だそうだ。わが家の隣の玄関先のバラが今真っ盛りである。(写真)道行く人を楽しませ、住む人の気持ちの優しさがわかる、
その昔学校で習った吉田兼好の「徒然草」の中に”おほかたの家居にこそ、ことざまは推量できる”(第十段)というのがあった。大体の家の構えを見れば、その人の人柄まで推量できるといった意味だ。兼好は家の構造について関心の持ち主だったようで”家の造りやうは夏をむねとすべし(第五十五段)ともある。”暑き頃、あしき住居は耐え難き事”だと書いている。
今年の夏も暑そうである。階下に住む娘一家は、すでにごうやの苗を買ってきた。暑さ除けにごうやで”緑のカーテン”を造ろうというわけだ。都会育ちの僕はあまり植物には関心がない。それとも戦中戦後の食糧難時代の”かぼちゃ”造りの体験が災あいしているのだろうか。
兼好は鎌倉時代末期に生きた僧侶で、当時としては69歳と長寿だったが、今の僕の年齢からみれば、はるかに若い。しかし、書いていることは、ずーっと僕より悟りが開けている。たんに時代が違うという、だけなのだろうか。