「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

               「慰安婦」か「性奴隷」か

2013-05-12 08:53:50 | Weblog
”安倍晋三内閣やその内閣の歴史問題に関する発言や行動は地域の国際関係を混乱させ米国の国益を損なう懸念を生じた!といった趣旨の米国議会調査局報告書の抜粋を新聞で読んだ。その中でクリントン前国務長官の”慰安婦ではなく性奴隷という用語を使うべきだ”と指示したことをも紹介している。

「性奴隷」という言葉は、僕の知る限り日本では2000年12月、東京の九段会館で催された「女性国際戦犯法廷」で、昭和天皇に有罪判決を下した時に初めて使用された。当時この模擬裁判を正面から報道したのはNHKと朝日新聞だったが、インドネシアの「kompas」というカトリック系の日刊紙が、判決全文を一面全部使って報道している。そして、そのあと「性奴隷」と日本語で書いカードを掲げて日本大使館の入っていた建物に抗議している。

九段会館の模擬裁判を主催したのは、朝日新聞の松井やよい元編集委員(故人)らの「女性への暴力日本ネットワーク」という団体だったが、この模擬裁判に支援団体として名前を連ねている中に圧倒的に多いのは救世軍本営をはじめ国内外のカトリックの諸団体である。修道院の名前まである。

韓国の人口の3割がキリスト教徒である。その中でも多いのがカトリック教徒である。インドネシアは人口の8割以上がイスラム教徒だが、何故かカトリック系の「kompas」が知識人の間で人気がある。模擬裁判の判決文が、どのようにして「kompas」の手に渡ったのか。そして、何故「kompas」が大々的にこれを報道したのか不明だが、インドネシアでは有力な英字紙をはじめ華僑資本が多い。

たまたま英文に翻訳中の戦争末期ブルネイから山奥のソパンまで220㌔の邦人のジャングルの中での助け合いながらの逃避行の中には、慰安婦も出てくる。慰安婦の一人が自分の赤ん坊を亡くし、泣き叫ぶ姿が痛ましい。これでも「性奴隷」なのだろうか。