「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        川口委員長解任 女の意地 政治家の意地

2013-05-09 06:24:54 | Weblog
川口順子参院環境委員長が9日の参院本会議で野党八党が提出した解任決議案が可決され解任された。ここ二、三日この”解任劇”の動きをみていて、国民は改めて政治家に対する不信感を抱いたに違いない。川口氏は4月23,24日の二日間、世界の元.元首や外相などが参加する「静かなる外交」(silent diplomacy)会議に出席するため北京を訪れたが、中国の都合で会議が25日にまでずれ込んだ。川口氏の「中国訪問に関する経緯」というHPの弁明によれば、川口氏はこの時点で、自民党を通じて出張延期を申し入れている。

僕は最初この話を聞いたとき、川口氏の”ドタキャン”だと思い、電話やメールもあるのに国会軽視も甚だしいと本当に思った。しかし、弁明によれば、やむを得ない事情がある。尖閣問題をめぐり、日中関係がギクシャクしている折であり、先方からは外交担当の国務委員も出席するという会議なら、外務大臣経験者の川口氏なら会議出席を一日延長するのは当然の決断だろう。

国会の常任委員長の解任は憲政史上初めてだという。政府与党の一部には川口氏の自主的辞任を期待していたが、川口氏はこれを断ったのであろう。川口氏にすれば、きちんと手続きを踏み、自分の政治家として信念に基づいての行動である。何か不都合なことをしたとは思っていない。僕はこれは川口氏の女の意地であり、政治家としての意地とみる。川口氏の赤の”戦闘服”にそれが感じとられる。それに引き替え、野党の行動はなんだろう。僕のような政治の素人からみても、解任決議案は、野党の参院選向けの党利党略ではないかと映る。もう少し柔軟性のある”大人の政治”を国民は望んでいる。