
シンガポールのブキテイマ博物館の展示物入口は大きな旭日旗の壁で飾られている。この博物館は昭和17年2月、日本軍と英国軍との最後の激戦地で、ここにあったフォード工場で、英国軍が降伏した。それを記念して数年前博物館が建てられた。シンガポールでは占領直後、華僑の虐殺事件が起き、5千人が殺された(連合軍裁判記録)とされている。昨年11月、僕はここを訪れたが、滞在中親切にアテンドしてくれた陳さん(70)は、虐殺事件で父親を殺害されている。もちろん、過去の事件については、お互いに触れなかったが,過去の恩讐を超越した彼の心からの親切に感謝している。