「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

20年前の冷夏 20年後の高齢危機

2013-08-26 06:29:55 | Weblog
十年一昔というが、二昔前の1993年(平成5年)は、今年の猛夏と違って冷夏であった。この年は20世紀最悪の冷夏で、梅雨前線が長期間、日本列島にいすわり、九州は梅雨の明けないまま秋になった。調べてみると、僕の住んでいた東京も8月は冷雨が続き30℃を超す日がほとんどなかった。わが家は、この年家を新築し、夏の期間中、冷房のない家に仮寓していたが、暑さをそれほど感じなかった。

作家の曾野綾子さんが産経新聞のコラム「小さな親切大きなお世話」(8月25日首都圏版)の中で、団塊世代が後期高齢者入りする2025年には日本の高齢者人口は3625万人に達し、さらに2035年になると、高齢者率は33.4%、つまり日本人の三人に一人が高齢者になると警告”安倍内閣は、この推測可能な悪夢に、直ちに手を打たなければ手おくれになると、書いている。

日本人の三人に一人が高齢化する2035年は22年先である。曾野綾子さんも、このコラムの中で書いておられるが、けっして遠い先ではない。”私(曾野)にとって20数年前から今までの時期は、ほんの数年前のように感じられる。”僕も同感である。冷夏であった20年前の平成5年は、僕にとってはまるで昨日のようだ。冷夏による米不足から、米屋の店頭からコメが消え、政府が外国米を緊急輸入した。幼児であった孫は大学生になっている。たしかに20年の歳月は流れているのだがー。

曾野さんは”私は恐ろしい社会現象の出現を、単に想像以上の恐怖とは考えない。老人ホームの人々は、食事は与えられても、入浴や排泄の面倒を見る人がいなくなるだろう。町には棄民に近い孤独な高齢者があふれ、道端に横タ割り、死なないだけで生きているとはいえない状況で彷徨い歩くようなるだろう”

20年前の冷夏の頃、僕はすでに60歳を越え、年寄りの仲間いりしていたが、今のように超高齢化時代が到来し、社会問題化するとは思ってもいなかった。