「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

メールによる旧友の死亡通知 その是非

2013-08-30 07:30:40 | Weblog
70年近く交流のある友人の逝去の知らせが息子さんからメールで届いた。最近、宗教儀式を省いた「直葬」とか「お別れの会」が多い中でお通夜、告別式の日時、会場の地図まで添付されている。旧友とは戦時中の勤労動員で寝食を共にした中である。ここ数年はお互いに高齢となり交遊は少なくなっていたが、最後のお別れの会には参列させて貰うことにした。

旧友は数年まで日本橋で本屋をしていた生粋の江戸っ子で交際も広く他人の面倒見も好い。僕も江戸っ子のはしくれで、おせっかい焼きの所がある。友人の死亡通知がメールでは、PCを持っていない僕らの仲間には届いていない、と思った。案の定、僕以外には誰にも通知はなかった。そこで、おりかえし息子さんに、学校のOB会の幹事に知らせましょうか、とメールを返してしまった。内心、僕にはご遺族は近親者のみの葬儀にしたい意向から辞退されるものと思っていた。

ところが、ご遺族からは是非知らせて欲しいという返事である。僕はOB会の名簿を出して調べたが幹事にはだれもメール.アドレスがない。また、僕はOB会の運営が、いつも1年に1回の総会が、夜間の飲み会なのに反対してここ10年出たことがない。息子さんには悪いが、二人の幹事の住所と電話番号をメールしてお知らせするにとどまった。

昭和の時代までは、人がなくなると生前の故人との親近差はあるが、遺族は電話によって逝去を知らせたものだ。戦前昭和の時代には電報や場合によっては直接家を訪れ、知らせた。時には正直いって連絡を受けても困る場合もあった。そこで、最近では葬儀は近親者のみの内内にして後刻関係者に知らせるケースが多くなってきた。葬儀にかかる費用が莫大なのも原因しているようだが、人間関係が年々希薄化してきているのも原因していているようにみえてならない。