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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

在日インドネシア大使館建物が災害時緊急避難地に

2013-08-16 06:00:18 | Weblog
東京品川区がこのほど区内にある在日インドネシア大使館建物を災害時緊急避難地に指定することについて大使館側と合意した。災害時大使館の一角を開放して区民や帰宅困難者を受け入れる。自治体が海外の公館との間で、このような協定を結ぶのは恐らく初めてであろう。

インドネシア大使館は品川区東五反田の通称池田山という昔からの高級住宅街の一角にある。明治維新までは、旧岡山池田藩の下屋敷があった場所だ。大正終わりから昭和の初めにかけて開発された。インドネシア大使館の建物は、昭和11年、松坂屋百貨店の16代当主の伊藤鈴三郎が英国からの留学直後建てた鉄筋コンクリート2階、地下1階の広壮な建物である。近くには皇后陛下の実家、正田栄三郎邸もあったが、数年前相続税の関係から壊され、今は区の「ねむの木」公園となっている。

少年時代、五反田の目黒川沿いに住んでいた僕にとって池田山は夏休み、セミやトンボの宝庫であった。ガキ仲間とモチ竿をもって豪邸の庭に忍び込み家人から大目玉をくらったものだ。しかし、今や池田山にはインドネシア大使館と通り一つ隔てた在日タイ大使館の二つしか当時の豪邸は残っていない。タイ大使館は、和歌山の豪商浜口吉右衛門が昭和9年建てたものだ。幸い池田山界隈は戦災を免れた。しかし、戦後の遺産相続税の関係で、正田家のように自治体に物納されて壊されたり、遺族間で細切れに分割されて、かっての豪邸はこの二つの大使館建物だけになってしまった。

明日17日、第68回インドネシア独立式典が、大使公邸の庭で行われる。公邸内はなかなか拝見できるチャンスがないので、許可をえて写真に収めてこようと思っている。