「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

南木曽の台風被害と「脱ダム」宣言

2014-07-13 10:42:47 | Weblog
台風8号の豪雨により大被害を受けた長野県南木曽町の現地の空撮写真をテレビの画面でみた。”木曽路はすべて山の中”(島崎藤村「夜明け前」)通り南木曽の現場も険しい山がそそり立ち、豪雨で流れ出した土石流のツメ跡が痛ましい。上流の沢には砂防ダムが設置されているが、巨石がつまり機能を果たしていない。かりに砂防ダムがなかったならば、被害はさらに拡大していたに違いない。

砂防ダムから5年前民主党が総選挙で勝利したときのマニフェストを想起した。マニフェストは言葉自体、色あせてしまったが、その一つに”コンクリートより人へ”があった。ゼネコン主導による公共事業の乱開発よりは、社会福祉予算の増大であった。政権スタート直後、前原誠司国交相が、かたくなに八ツダムの廃止にこだわっていたことが思い出される。民主党だけではなく、2001年、長野県知事であった田中康夫氏も、同じ発想から「脱ダム」宣言をしている。バブル崩壊後の時代がそうさ勢多のであろうか~。

僕は全くこの問題については素人だが、当時からこの発想には反対であった。1980年―90年にかけて僕はJICA(国際協力授業団)の研修コーディネ―たーとして、途上国の研修員を連れて全国の砂防施設を見学する機会が多かった。その時何回か神戸の六甲と鹿児島桜島の砂防事務所で研修を受けたが、素人なりにわが国では、こういった施設がなければならないことを理解できた。

全国の7割が山地である我が国にとって、地滑り山崩れは宿命である。しかも、ここ数年の異常気象で自然災害が増えている。”コンクリートから人へ”といった綺麗ごとでは済まない。そのために先人たちが苦労してきたのだ。