「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

日本人の戦争責任

2014-07-20 05:45:17 | Weblog
旧制中学時代の級友から卒業後初めて電話があり、僕が編纂した戦時中の動員記録を譲って欲しいとの所望があった(既述)。残念ながら残部がないのでコピーして送ったところ礼状が届いた。礼状には”80歳の半ばに差し掛かり、ようやく「人生の大反省」という事業に取り組み始めた、という書き出しで次のように書いてあった。「これから先、私は自分の責任で、私独自の思索を重ねて日本人の戦争責任を自らの身を振り返って厳格に検討してみるつもりです」

級友とは卒業後66年間会っていない。どのような人生を歩んできたのか知らないが、僕は礼状の中の”戦争責任”という言葉にひっかかった。”戦争責任”とは何なのだ。もちろん、僕は海外各地で日本の戦争に巻き込まれ犠牲になった人々に対しての責任は日本人として感じている。しかし、僕個人は戦争を起こした世代ではなく、戦争により被害を蒙った世代である。

集団自衛権行使反対で、いつまでも国会周辺で”ママゴト”をしていう老人力がいる(「産経新聞」コラム産経抄)。老人力といってもデモをしているのはノーベル賞作家、大江健三郎で代表される僕らより若い世代である。集団的自衛権は憲法九条の改正につながり、若者を戦場に送り込むことになるという主張だ。如何にも短絡的である。彼らは戦前生まれといっても、直接戦争を体験していない。が、何故か大江健三郎の本を読むと戦争について自虐的な表現が多い。

戦争が終わって来年は70年。僕も級友と同じように、一つの区切りとして戦争について改めて考えてみたいと思っている。しかし、同時に戦後の日本が歩んできた70年も振り返り、まとめてみたい。国としても何らかの方法で戦後70年の歴史まとめ世界に示すことは意義あることだと思うが。