「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

"でっかい道” 新幹線は開通したけれど

2016-03-26 07:20:58 | 2012・1・1
待望の北海道新幹線が開通、今朝早く東京駅と新函館北斗駅をそれぞれ出発する「はやぶさ」の姿をテレビで見た。昔、足掛け10年仕事で北海道にお世話になった僕にとっては、最短4時間2分で東京と北海道の地が結ばれたのを知り感無量だ。が、意外なことに新幹線の評判は今一つのようである。一番列車こそ上り25秒、下り30秒で完売されたが、開業後4月3日までの予約は20万座席のうち5万席25パーセントの予約率だという。

先日、北海道在住のコメンテーター、頑固親父さんからのあるコメンンとの中で”札幌の人間は新幹線(北海道)など利用しない。札幌までの開通は15年先、それまでお互いに生きておられるかどうか。それまでに廃線になっているのでは”という厳しい言葉を頂戴した。僕とすれば、昔、東京まで青函連絡船に乗り、20時間近くかかっていたのが、函館までとはいえ僅かな時間で行けるのに、さぞかし道民は喜びに沸いていると思ったのだが。

北海道の地を去って40年、僕は”でっかい道 北海道”を忘れてしまっていた。新幹線が出来て東京から函館までなら日帰り出張も可能になったが、函館から道都札幌までは特急を使っても片道3時間半かかる。かりに午前中に札幌で会議があっても、新幹線経由では参加できない。北海道に住んでみなければ、”でっかい道”の広さは実感できない。昔、札幌のテレビ局に勤務していた時、東京のキー局から、遠路数時間もかかる地の事件に簡単に中継車を出せとといってきて憤慨した当時を想い出す。

新幹線の函館までの開通では経済的効果は限られているが、函館を中心にした道南の観光地が簡単に行けるようになったのは魅力である。昔、まだ元気だったころ、駒ケ岳を背にした広大な大沼ゴルフ.CCの600ヤードのロングコースで大叩きしたこと想い出した。函館の朝のイカ売りの声も旅愁があった。観光シーズンになれば新幹線も賑わうと思うが心配である。