「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

海外の戦争遺跡の保存 テマングンの萬邦大和大結の碑

2018-06-09 05:29:25 | 2012・1・1
昨日、小ブログで旧日本軍が創設したインドネシア郷土防衛義勇軍(PETA)の隊員だったバンバン.プルトモさんが亡くなれたことを伝えたが、現地の日本語学校の生徒さんから、バンバンさんのインドネシア軍による葬儀が盛大に行われた旨メールで連絡があった。バンバンさんと最後に「海征かば」を合唱された関西在住の友人S氏からも葬儀の詳細が伝えられて来た。

S氏は仕事の関係でジャワへ行く機会があり、そのつどテマングンまで足を延ばし、バンバンさん所望の軍歌カセットや介護用品を届けられていた。S氏は従軍世代ではないが、親戚に戦争犠牲者がおり、各地の慰霊碑を参拝されている。テマングンにも慰霊碑ではないが「萬邦 大和大結 紀元二千六百六年}インドネシア語で”全世界は一家族”と書かれた石碑が市内の公園の中にある。この石碑は、敗戦時、テマングンに抑留されていた九州の磨(みがき)中隊553人が復員のさい建立した。しかし、戦後の独立戦争で行方不明になってしまい、1980年、再訪した戦友たちによって道路下から発見された。

1984年、この石碑は戦友たちの寄付で、市内のバンバン.スゲン将軍の墓地公園に移され、バンバン.プルノモさんらの尽力で、屋根付きのガラス箱に収められた。しかし、残念なことに最近は現地を訪れる日本人も少なく、S氏の話では、石碑を収めたガラスにヒビが入ってきた。戦後70年、石碑が再建されてからでも30余年経つ。S氏と相談して先人たちの遺志を引きつぎたいと思っている。