「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

人生100年時代 人間らしさの医療介護を

2018-06-15 05:33:07 | 2012・1・1
政府の「人生100年時代」構想会議の基本構想がまとまり新聞に出ていた。中曽根康弘元総理が先日100歳の誕生日を祝われ、僕の周りにも100歳を越えられてお元気な方が二人もいる。人生100年が夢ごとではなく、つい、目の先にまでやってきた感じだ。しかし、87歳の僕には、基本構想の出発点が、人口減と高齢化による”働き方革命”に対処するためのもので、人生100年、いかにいくべきか、その医療福祉行政の現実や哲学にかけている印象だ。

今の老人医療の基本となる後期医療制度は、今から10年前の2008年福田康夫内閣の時に施行された。民主党など野党が”おばあちゃんの原宿”巣鴨の街で反対の大集会をひらき、民主党は廃止を選挙のマニフェストにまで掲げた。これに対し、福田総理は”長寿医療制度”と名前を変えたが、僅か10年で一部改正され、団塊世代が全員75歳となる2025年に対処できなくなっている。

「人生100年」の働き方革命とどう関係があるのか僕にはよく理解できないが、構想は国立大学の無償化を提案している。働く現役世代の負担を少なくするのは理解できるが、それより藻超高齢化時代の医療福祉増大をどうするのかだ。

15日早朝4時からののNHKラジオ「深夜便」の”明日への言葉”のコーナーで国立医療センターの本田美和子先生が提唱している、フランスの介護哲学“ユマニチュード”を紹介されていた。一口で言えば、人間的な介護である。介護にあたり相手に人間らしく接するだけのことだが、介護だけでなく今の日本社会にかけているのは ”ユマニチュード”欠如ではないだろうか。大学の無料化より、社会奉仕を通じて若者に”ユマ二チュード”精神を学ばせたらどうだ。