「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「報画眞写争紛エ伊」83年前の週刊朝日臨時増刊号

2018-06-27 05:35:34 | 2012・1・1

亡父の戦前昭和の週刊誌の遺品の中から週刊朝日臨時増刊号「報画眞写争紛エ伊」(1935年10月15日刊)が出てきた。83年前の出版物を物語るように見出しの「エ(エチオピア)伊(イタリア)紛争写真」が左から右に逆となっている。わが家にそのまま置いても意味がないので、昨日老妻と久しぶりにランチを共にしながら、歩いて行ける近所のエチオピア.レストラン「 Addis」 へ、東京の大使館まで届けて貰いたいと願いに行った。(写真)

僕ら昭和1ケタ前半の世代にとって、エチオピアの名前は親しみがある。一つにはアフリカ大陸の帝国であったこと。もう一つは日独伊三国防共協定を通じて、イタリアがエチオピアの宗主国だったからで、マスコミへの露出度が高かったからであろう。イタリアのムソリーニ総統とエチオピアのハイレ.セラシエ皇帝の名前は今でも覚えている。子供心に皇帝の甥と日本人女性と間の婚約話まであったのを知っていた。

サッカーやマラソン交流などを通じ、最近、アフリカの名前をよく耳にする。そのためか東京には国連加盟54か国のうち、半分に近い国のレストランがあるが、東急東横線、目黒線沿線にエチオピア料理店が、四店あるのは突出している。外務省のHPによると、現地エチオピアの邦人数はわずか24、日本にいるエチオピア人も430人しかいない。それなのに東京のエチオピア料理店ブームは何なのだろうか。店の名前「Addis」はエチオピアの首都、Addis ababaからきているが、店主のエチオピア人は初めて見る自国の83年前の紛争を伝える日本の雑誌に驚き感激し、SNSを通じて写真を公表したいと言っている。