「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

”戦争を知っている子供たち”の歌

2018-06-21 04:21:28 | 2012・1・1
玄関先のカンナが梅雨に濡れながら」真紅の花を咲かせている(写真)。どんよりとした低い雲の下では、原色の花のほうが似つかわしい。花に特別詳しいわけではないが、カンナの名前は昔の歌を通じて知っている。
          南の花嫁さん(作詞.藤浦洸 作曲.任光)
        合歓(ねむ)の並木をお馬の背に ゆらゆらゆらと
        赤なら赤いカンナの花びら 散りそうで散らない花風情
        隣の村にお嫁入り

戦争がまだ深入りしなかった昭和18年,女優の高峰三枝子が歌って大ヒットした歌だ。緒戦の勝利の17年から18年初めころにかけて、いわゆる「南方」の歌が多かった。”南から””マニラの町かどで””バタビア(ジャカルタ)の夜は更けて”などなど。この歌もその一つだと思っていたが、調べると作曲者は中国人で、原曲は「採雲追月」という歌だそうだ。いわれてみればメロデイは、中国風である。

こういった戦争中の流行歌を聞く機会がめったにない。軍歌禁止のNHKの内規で、同時代の歌まで登場しない。それに70年代、80年も前の歌だ。懐かしむ世代も少なくなってきた。先日NHKラジオの深夜便で北山修特集をしており、ジローズの‘戦争を知らない子供たち」が流れてきた。僕ら世代にとっては、ついこの間の曲だが、1970年、半世紀近く前の歌である。

戦後生まれの日本人が8割を超えたという。戦前の流行歌が”にっぽんの歌 心の歌”(NHK深夜便のタイトル名)が戦争中の歌を採り上げないのも無理もない。認知症予防に役立つかもしれない。軍歌も入れて戦争期の年代別特集を望みたいのだが。”散りそうで、散らない”カンナのような世代からの願望である。