「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

認知症見守り安心ステッカー

2018-06-16 05:38:26 | 2012・1・1
僕が今住む東京の目黒区の広報に高齢者見守り安心ステッカーが紹介されていた。認知症の高齢者が外出先で自分の名前や住所が言えなくとも服や靴にステッカーがあれば、それが手掛かりで早期帰宅できるケースが多いそうで、区では申し出があれば、衣服用に2枚、靴用に4枚、無料で提供するという。この記事を見て、高齢者の一人として色々考えせられた。

警察庁によると、平成29年度、認知症やその疑いで行方不明になったと警察に届け出があったのは全国で1万5862人もあったそうで、1万人をこえたのはは5年連続で、5年前に比べると1.6倍といことだ。大部分の老人は早期に発見されているが、470人が死亡して発見されている。幸い、僕の周囲には、認知症による、いわゆる”彷徨”の話はないが、在宅医療の増加で”彷徨”で悩んでいる関係者が増えている。

先日、都内の老人看護専門の病院へ知人の見舞いに訪ねたらエレベータの昇降を示す印がない。係の職員に聞いたら、無断外出の患者が多いので、印を隠してあるのだという。専門の施設でさえそうである。一般家庭では、認知症の老人を四六時中、監視するわけにはいかない。その意味では安心ステッカーは早期発見には役に立つ。

元治元年(1864年)生まれの祖母が、戦前、僕が子供のころ喜寿(77歳)のお祝いを迎えたが、認知症の”彷徨”で家族を悩ませた。しかし、80年前の日本の社会は、人生50年の時代であり、高齢者も少なく社会全体の問題ではなかった。ステッカーは、簡単にアイロンんで衣類に張り付けられるそうだが、独居の老人も増えてきて、中にはアイロンさえかけられない。何かもっと根本的な認知症対策はないのだろうか。