「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

二つのインド 人力車とIT産業

2007-01-21 07:12:32 | Weblog
世界で唯一生活の足として使用されていたインド・コルカタ(カルカッタ)
の人力車が近く姿を消すそうだ。NHKのBS放送によると、西ベンガル州
議会は今年初め人力車は"非人間的な乗物だ”として廃止を決議した。
これによって百余年の歴史をもつ人力車も観光用を別にして事実上なく
なる。

人力車は日本人の発明だという。明治、大正、昭和の初めにかけて都
会では日本人の欠かせない交通手段であった。僕はその時代は知らな
いが、戦前育ったのが東京の三業地のはづれだったので、人力車は懐
かしい。芸者さんが人力車に乗って待合に出入りする姿は日常的であっ
た。

コルカタはインド・西ベンガルの大都会、インドで唯一地下鉄が走ってい
る。IT時代の今日、こんな大都会に人力車がまだ走っていること自体、面
白い。いかにもインドらしい。

今年は日印友好年である。IT産業を中心にインド・ブームである。しかし、
十億の人口を持つこの国の全貌についてはあまり知られていない。例え
ばIT先進国だといわれているのに,識字率は僅かに64.8%と低い。

昔のことだが、中国共産革命の直後北京を訪れた日本人評論家が”新
中国にはハエもいなくなった”と書いて話題になった。多分意識的にその
ような場所だけを案内したのであろう。最近、日本人のバンガルール(イ
ンドのシリコンバレー)詣でが盛んだと聞く。しかしインドの全体像を知らな
いと、誤った対インド認識となる。

小人閑居不善をなす  学校週六日制復活を!

2007-01-20 07:03:47 | Weblog
政府の教育再生会議が第1次提案をまとめ24日に安倍総理に正式に
提案する。新聞などで提案をみると、授業時間数の10%増などゆとり
教育にある程度配慮はしているが、これで低下続ける子供たちの学力
問題に歯止めがかかるのであろうかー。僕は思い切って一日も早く学
校六日制復活を提案したい。

ゆとり教育を英訳すると”cram-free education"である。"cram"(詰め
込)から解放する教育いうのが本来の目的だったが、段階的に五日制
を実施すると、結果として子供の学力低下を招いた。"cram school"(学
習塾)だけが繁盛、小人の教師の中には、時間をもてあまし不善をなす
者も出てきた。

伊吹文科相が学校五日制見直しについて変な発言をしていた。六日制に
するには教師の給与を検討しなければならない、というのである。15年前
五日制に移行した時、それだけ教員の勤務時間は減ったのだから、伊吹
文科相の論理でゆけば、減額すべきであった。

安倍内閣の"美しい国づくり”の根幹は教育再生だという。国家百年の計を
立てるには、教員の給与の問題はさしたるものではない。現在の授業時間
数は30年前の約半分だという。”鉄は熱いうちに打て””金剛石も磨かずば”
である。教育再生会議はいろいろ有益な提案をしているが、最大の問題は
日本の将来を担う子供たちの学力低下である。10%増程度で果たして大
丈夫なのかー。

残したい戦時下の歌30曲

2007-01-19 08:17:54 | Weblog
文化庁が公募した「日本の歌百選」が先日発表になった。”親が子、子か
ら孫へ、親子で歌つごう”というキャッチ・フレーズ。老妻と二人で「百一曲」
をチェックしたら、二人ともタイトルだけではメロデイが浮かばなかった歌が
一曲(「あめふりクマのこ」)。僕だけまったく知らなかったのがSMAPの「世
界に一つだけの歌」。まあまあの結果だった。

僕ら昭和1ケタ世代は子供の時戦争を経験している。このため当時愛唱
していた歌が戦後歌えなくなった。”歌は世につれ、歌は世につれ”という
が”世が悪かった"結果である。

文化庁の選曲基準の”親子で歌う"歌ではないかもしれないが、僕らの世
代が後世の日本人に是非あの時代があったことを歌を通じて伝承する義務
があると思えるのだがー。そこで僕の独断で三十曲を選んでみた。多分同
世代の方はご存知の歌ばかりと思うがー。

愛国行進曲(見よ東海の空明けて)    天長節(今日の佳き日は大君の)  
愛国の花(ま白き富士の気高さ)      隣組(トントントンカラリンと)
歩け歩け(歩け歩け歩け歩け)      日本陸軍(天に代りて不義を討つ)
一月一日(年の初めのためしとて)    二宮金次郎(芝刈り縄なえ草鞋を)
海ゆかば(海ゆかば水漬くかばね)     日の丸の歌(白地に赤く日の丸)
加藤隼戦闘機隊(エンジンの音)     婦人従軍歌(砲筒の響き)
紀元節(雲にそびゆる高千穂の)     兵隊さんよ有難う(肩をならべて)
紀元二千六百年(金鵄輝く日本の)     歩兵の本領(万だの桜か襟の色) 
軍艦行進曲(守るも攻めるも)       麦と兵隊(徐州徐州と人馬は)
月月火水木金金(朝だ夜明けだ)      明治節(アジアの東日いづる所)
轟沈(轟沈轟沈凱歌はあがる)      めんこい子馬(ぬれた子馬の) 
戦友(ここは御国を三百里)        桃太郎(桃太郎さん桃太郎さん) 
空の神兵(藍より青き大空へ)      ラバウル小唄(さらばラバウルよ) 
誰か故郷を思わざる(花摘む野辺)    露営の歌(勝ってくるぞと勇ましく)
同期の桜(貴様と俺とは同期の桜)    若鷲の歌(赤い血潮の予科練の)

ベランダ庭園の寒梅とアロエの花

2007-01-18 07:44:07 | Weblog
「寒梅著花未」(王維)はまだだと思っていたらやはり季節である。わが
家の小さなベランダの小さな空間に植えたポットの寒梅が白い花を著け
アロエの赤い花が寄り添うように咲いていた。

花月風雅には縁のない僕だが,万目枯れているこの季節には花が恋し
くなる。立春までまだ間もあるが、その気になってみると散歩道にも椿も
山茶花も満開だった。今年は暖冬で季節の歩みが早いのかもしれない。

僕は花の形状より匂いに魅かれる。とくに春のさきがけとして咲く沈丁
花のあの漂ってくるような匂いが好きだ。どこに咲いているのかと探す
と庭の片隅の陽だまりである。

文化庁の日本の歌百選に入っていただろうかー。”赤い鼻緒のジョジョ
履いて春よこいと待っている”ー昔の日本人のこの季節、春を待ちわび
る気持ちがよくこの歌に出ている。炬燵の生活にあきた幼女が赤い鼻緒
のジョジョ(草履)をはいて霜柱を踏んでいる。傍らには雑種のポチがしっ
ぽを振っている。戦前の日本の原風景だった。

寒梅とアロエは似つかわしくないーと写真を撮った娘に言われたが、都会
のご隠居さんとしては精一杯の風流である。暦のうえの立春まであと数週
ある。沈丁花の花の匂いが待ち遠しい。

猫が鳥インフルエンザに感染? インドネシア

2007-01-17 08:22:35 | Weblog
鶏肉市場などで捕獲した猫500匹のうち100匹が高病原性鳥
インフルエンザ(H5N1型)に感染していたというショッキングな
ニュースが新聞に小さく出ていた。インドネシアのスラバヤにあ
る国立アイルランカ大學の感染病学者が行った調査で判ったも
のだ。

1か月前の12月18日、僕は小ブログで「鳥インフルエンザは大
丈夫なのか」と警告した。それから1か月も経たぬのに宮崎県清武
町の鶏舎で高毒性で致死率の高いH5N1型のウイルスで多量の
鶏が死亡、1万2千羽が焼却処分にされた。それより僕が一番関心
を持ってていたインドネシアで新たに4人が死亡,累計死者が61
人に増えたことだ。死者の数は世界最多である。

鳥インフルエンザの猫への感染が医学的になにを意味するかー素人
の僕には解らない。ただ調査サンプルの2割からウイルスが検出さ
れたというのは高い確率で無視できない。

宮崎の鳥インフルエンザの発生を受けて韓国と香港は早速日本からの
鶏、鶏肉、鶏卵の輸入停止を通告してきた。厚労省も当然発生地域を
中心に蔓延防止の措置をとった。勿論、わが国のことだから、これで十
分だとは信じている。

心配なのは他国からのウイルス流入を完全に水際でストップできるか
どうかである。昨年暮の民放番組は「インドネシア」という特定の国を
あげて鳥インフルエンザが日本に上陸したことを想定、国中がパニック
状態になる危険をシュミレートしていた。インドネシアからの報道では
現地政府は、死者の多発でやっと住宅地での養鶏禁止措置をとった
程度の認識である。交通事故と同じでこちらがいくら注意しても相手
があることを関係者は認識して欲しい。


アラブはアラブで スーダン人からの年賀状

2007-01-16 07:10:13 | Weblog
21年前技術研修で面倒をみたスーダン人のB君から年賀状を
貰った。B君は今UAE(アラブ首長国連邦)シャルジャで働いて
いる。スーダンはここ数年アラブ人イスラム教徒と非アラブ人キ
リスト教徒の間の衝突で政治が安定していない。このため技術
者の彼でも母国では仕事がない。

B君の日本での研修は他国の研修員と一緒に一年間同じ宿舎
に泊り大學や工場で技術を修得するものだった。その年のB君の
仲間はエジプト、シリア、コンゴ、フィリピン、インドネシア人の5人
で、3人までがイスラム教徒であった。世話人の僕を一番困らせ
たのは、同じアラブ、イスラム教徒のエジプト、シリア人二人の不
仲であった。研修にも支障が出てきたので僕はB君に二人の調
停を頼んだ。

B君は6人の中では最年少だったが、指導力があり、二人の不仲
の間に立って見事、僕の依頼に答えてくれた。やはり同じ宗教同じ
言語の人たちの問題は、異教徒,他言語の僕らには、微妙な点で
理解できないことを実感した。

昨日のニュースでイラクの大統領が21年ぶりに隣国シリアを訪問
したのを知った。個人的な小さな経験でものを言うのは僭越だが、や
はりアラブの問題はアラブで解決すべきである。異教徒があまり出し
ゃべって介入すべきではない。B君から届いた年賀状で昔を思い出し、
改めてB君に感謝した。




「小豆粥」とご都合主義

2007-01-15 06:49:57 | Weblog
はや1月も15日、昔でいえば「小正月」だが、東京でこの行事を
伝承、祝っている家庭は少なくなった。今朝,わが家では一種の
郷愁から”小豆粥”を復活、妻と二人で祝った。先代が生きていた
頃までは、毎年キチンと祝っていたが、転勤、引越などで中断され
たままになっていた。

わが家伝来の"小豆粥”は米からお粥をつくり、別途にゆでていた
小豆を混ぜ、焼いた御餅をいれて好みの砂糖をかけて食べるやり
方だ。妻がつくってくれた今朝の”小豆粥”もこの方式、40年ぶり
に昔の味に再会できた。

1月15日は昭和23年から半世紀以上にわたって「成人式」だった
が、もともとは「小正月」(地域にによっては「女正月」)であり、この
日に「ドンド焼き」などの行事があり、神社で正月の門松,〆飾り、
書初めなどを焼いた。場所によっては秋田の「なまはげ}や奈良の
若草山の「山焼き」もこの日に行われた。

2000年の”ハッピー・マンデイ”法で「成人式」が1月の第2月曜日
に移行して以降、本来「成人式」とは関係のなかった「小正月」などの
行事までが”右へならえ”してしまった。行事は人の集まる休日にした
方が何かと便利なことは判るがー。しかし「小豆粥」などの祝い事を本
来行事に無関係な日にやってもいま一つぴんとこない。

問題はご先祖の代から伝承されてきた折角の行事が"ハッピー・マンデイ”
的ご都合主義で中断されてしまうことだ。



”兄弟ニ友ニ夫婦相和シ” 道徳再武装を提唱

2007-01-14 07:05:23 | Weblog
イやなニュースばかりだ。兄が妹を殺し妻が夫を殺す。それも残虐
に殺したあとバラバラにする。かって日本の社会ではありえなかっ
たことだ。何故こんな日本になってしまったのかー。
やはり、昔、日本人を律していた道徳規範が戦後崩壊してしまった
からであろう。

戦前、明治以降日本人の道徳を律していたのは「教育勅語」であ
った。戦争中、国民学校で教育を受けた僕らの世代はとくにこの
影響が強い、今でも校長先生が恭しく「教育勅語」を紫のフクサに
包み講堂で奉読した姿が目に浮かぶ。その意味は、ほとんど解ら
なかったが”爾(なんじ)臣民、父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ”
の部分はなんとなく理解できた。

戦後昭和23年「教育勅語」は衆議院の決議で”排除”され参議院
で”失効”された。その理由は”「教育勅語」の根本理念が主権在
君、神話的国体観に基づいていて基本的人権を損なっている”とい
うことだった。連合軍の占領下の当時としてはやむを得なかったの
かもしれない。

道徳規範は一朝一夕で出来るものとは思えないが、現在の野放図
の状態をみて,早急に対策を講ずべきである。「教育勅語」は12の
徳目ー孝行、兄弟愛、夫婦の和、朋友の信、博愛、修業、公益世務、
率先垂範、遵法、義勇、謙遜、伝統継承ーからなっている。どれをと
っても人の道に反するものはない。戦後まもなく道徳再武装という運
動があった。今こそ日本版道徳再武装が必要だ。


”ペコちゃん"どうしたの?

2007-01-13 07:04:31 | Weblog
僕ら夫婦はどうも食品についての衛生観念が薄い。多分薄いのは
育った時代が二人とも食糧難で、食べられるものなら何でも口にし
た時代だったからかもしれない。それを知っているのか孫たちは、
我が家の冷蔵庫を開けると、まづ食品の消費期限をチェックする。
一日でも期限が切れていれば絶対に口にしない。

僕らが子供が育てた昭和30年代は、食糧難ではなかったが、食品
衛生について無頓着だった。森永砒素ミルク事件やサリドマイド事
件で食品中毒や薬公害の恐さをやっと知った時代であった。その頃
不二家の"ミルキー”の赤い箱は子供たちに人気があり、テレビの提
供番組「ポパイ」のCMソングとともに、そのキャラクターの”ペコちゃん”
”ポコちゃん”の首振り人形は子供たちの人気者だった。

その”ペコちゃん"の不二家が期限切れのミルクでシュークリームを
製造しアップルパイを作っていたという。まさか製造者が僕らと同じ
老人の衛生感覚の持ち主だったわけはないだろう。それとも「ポパイ」
の頃から同じ事をやっていたのだろうか。

"エンゼル""雪の結晶”といった高い企業イメージもいったん不祥事が
あると、回復するのに大変な時間と努力が必要だ。キャラクター人形が
店先から盗まれるほど消費者に愛された企業だ。名誉挽回、食品企業で
あることを忘れずに努力して欲しい。今の消費者は昭和30年代の消費
者ではない。





政治家 役人 解らぬ事ばかりなり

2007-01-12 06:57:35 | Weblog
政治資金収支報告書をめぐって伊吹文部科学相と松岡農水大臣の
二人に不正がある、との指摘がある。家賃のかからない議員会館を
事務所として記載し、飲食費や冠婚葬祭費などにも使っていたとい
う疑惑である。二人とも総務省と協議のうえ処理し法律には違反して
いないと主張しているが、総務省の見解は”事務所費とは通常事務
所維持に関連するものである”という。いまひとつ僕には解らない。

解らないのは、イラク駐在の山口大使ら日本の外交官が「イラク復興
支援特別措置法」に基づいて現地に派遣されている航空自衛隊の輸
送機を”空のタクシー”代わりに使っていたという報道がある。現地の
情勢からみて解らぬでもない。しかし、本来空自の輸送機は米国など
他国軍の人員、物資輸送だったと思うが、外務省関係者は”法的には
問題がない”という。

米国のブッシュ大統領がきのう新しいイラク政策を発表した。従来の政
索の非を認めながら一方では派遣米軍を増強し、徹底的にバグダッド
の治安強化に努めているという。これまた僕にはわからない。果たして
これで問題解決になるのだろうかー。

ブッシュの新政索を受けて日本はどうするのかー。これまで通り米国に
追従するのだろうかー。米国の最大の同盟国、英国はスケジュール通
り年内に8,000人の軍隊を撤退するという。航空自衛隊の輸送機が
本来の任務以外に使われているのならば、引揚たらどうなのだろうかー。
僕らの税金で派遣しているのだから。