その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

人材育成

2010-05-18 06:26:11 | ロンドン日記 (日常)
(写真はグーグルイメージ検索より)

 どこまで一般化できるのかはわからないが、日本の企業と欧州のそれで違うのは、人材育成に対する考え方。

 今年になって、新しくあるチームの長に付いたイギリス人の同僚は、既にチーム内の何人かに自主退社を促した。求められる仕事のレベルに達していないという理由だ。

 その彼に、「もっと指導をして、育成しないのか。それとも、今の仕事が合わないんだったら他の合う仕事を探してあげれば良いのでは」と話しをしたことがある。彼曰く、「早く、判断してあげたほうが彼のため。合わない仕事、能力以上の仕事には、正直に向いてないと話したほうが本人にもいい。指導は十分にやった上での俺の判断。判断を遅らせれば、遅れるだけチームの業績にも響くし、事業計画が達成できない。そうしたら、俺のボーナスにも影響する」とキッパリ。

 私としては、何か、割り切れないものを感じていたのだが、その彼の元でチームは今年に入ってからメキメキと業績を向上させている。いい意味での緊張感もチーム内に見違えるように出てきた。しかし、「磨けば光る」とか「仕事を通じて育てる」という発想は皆無で、その仕事ができる奴を連れてきて、目いっぱい仕事させる。そんな感じだ。

 日本の親会社の人材に対する考え方は全く逆だ。いわゆる終身雇用がある程度前提で、新入社員時代から、上司や人事担当が育成のプランを考え、研修に行かせ、OJTを行い、更にはローテンションの人事まで定期的に行って、総合的に本人の能力を伸ばし、活かそうとする。そうやって、自分もこれまで、育ててもらってきた。

 「こいつの部下になったら、俺なんか一発でクビかもなあ〜」

 最終的にどちらが良いのかは分からない。欧州と日本の差なのか?組織の大・小の違いなのか? そして、どっちが本当にその人や組織のためになっているのか?

 いわゆる日本的経営には、それなりの良さがあると思ってはいるものの、グローバルな競争環境では 、そんな手間隙かけた育成ではどう見ても割に合わない気もする。 「甘いのかなあ〜」と少し思うようになってきた。
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汽車ぽっぽに乗る (ブルーベル鉄道乗車記)

2010-05-17 04:46:52 | 旅行 海外
 ある意味、「イギリスに来て一番」と言って良いほどの、心躍る体験でした。人生初の蒸気機関車。

 イギリスには保存鉄道がいくつも残されており、いつかは自分も乗車体験してみたいと思っていたのですが、今日決行。ブルーベル鉄道(BLUEBELL RAILWAY)という、「イギリスの保存鉄道の中でも屈指の人気を誇る」(「地球の歩き方 イギリス」)鉄道にチャレンジ。ロンドンの南に50キロほど行ったEAST SUSSEX州のキングズコート駅とシェフィールドパーク駅間(距離は不明、多分15キロぐらいか?)を約30分で走ります。(4月~10月は毎日3~6便が運行)

 まずは、ロンドン・ビクトリア駅から丁度一時間、普通の列車に乗ってEastGrinstead駅まで行きます。ここの周辺にはクマのプーさんの舞台となったプー・カントリーがあり、プーさんの棒落とし橋とか森があるのですが、今日は汽車に絞っているのでパス。連絡バス(意外と接続が悪く50分もバカ待ちしました)に乗って、15分程乗ったところで、始発駅のKINGSCOTE駅へ。

 昔の雰囲気をそのまま残す駅舎です。観光客でごった返しているのかと思ったら、連絡バスには私の他に一人、駅にも数人いるだけで、意外と寂しい雰囲気。むしろ、駅務係の人、メンテナンスの人達がのんびりとおしゃべりしていました。それが、かえって、旅情をかきたてます。ホントにここはロンドンから1時間しか離れていないところなのだろうか?なんかタイムスリップした感覚になります。

(当時の面影残す駅舎)


(駅舎内)


(切符です。硬券!)


(ホーム風景。休憩時間なのか?メンテのおじさん達が談笑)


 いよいよSheffield Park駅から発車した機関車が到着。本物です。蒸気をはいて、汽笛を鳴らして近づいてきました。それだけで、感動。昔、北海道で蒸気機関車が走るのを見たことがありますが、何年振りだろう。Sheffield Park駅からは結構のお客さんが乗っていて、ここで降りる人、折り返す人で、駅も急に賑わってきました。子供を連れた家族連れ、老夫婦が目立ちます。車掌さんがいましたが、これまた、50年前の人をそのまま連れて来たのではないかと思うような人でした。

(蒸気の音と水蒸気が凄い)




(これは3等車の外観)


(車掌さんの写真を撮らせて頂きました。すごい立派な髯。東郷平八郎かと思った)


 乗車。社内の内装も当時のままのようです。木目調の内装が、気持ちをホッとさせます。


 ビール瓶のラベルわかりますか?ブルーベル・ラベルです。


 そして発車。汽笛、ガタッ、ガタッという列車が走る音とリズム、先頭車両から流れてくる煙、ゆっくりとしたスピード、車窓の風景、社内の雰囲気、こうしたもの全てが絶妙に組み合わさって、自分を安心させ、気持ちを解放してくれます。残念ながら私の文章力ではとても表現できません。これは乗ってみないと分からないものだと思います。

(汽笛を鳴らし、蒸気をはいて汽車は走ります)


(中間のHorsted Keynes駅にて)


(車窓の風景)




(白いのは羊です)


 33分乗ってSheffield Park駅へ到着。この周辺にもSheffield Parkという、春はつつじ、秋は紅葉で有名なNationalTrust管理の公園があるらしいのですが、天気も悪いのでパス。駅付属のパブで、ランチでゆっくり。

(パブの入り口。レトロなポスターも良い)


(この駅舎もなかなか雰囲気があります)


(復路で乗る列車が入線)




(子供の体験企画があるようです。子供達の目が輝いてました)


 そして、1時間半後に再び乗って、KINGCOTE駅に戻りました。


 鉄道好きの人はもちろん、そうでない人も、これは絶対試してみる価値ありのアトラクションだと思います。昨年末にYorkを訪れた際に、世界最大の鉄道博物館を見学しましたが(→こちら)、これは、まさに活きた博物館です。最高の休日でした。

 ※ブルーベル鉄道のホームページはこちら

 2010年5月16日
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ナショナル・ギャラリー 夜の美術館企画 ザルツブルグ音楽祭の歌手によるリサイタル

2010-05-16 03:02:25 | コンサート (in 欧州)
 仕事帰りにChristen Købkeの特別展を見に、ナショナルギャラリーに立ち寄ったのですが、思いもかけぬイベントにぶつかりました。

 ザルツブルグ音楽祭の提供で、音楽祭のYoung Singers Projectに参加している2人の歌手のリサイタルがナショナルギャラリーであったのです。ここでは金曜の夕方によくギャラリー内で室内楽のコンサートを企画しているのですが、いつもは6時開始なので、とても聴きに行くのは無理です。今回のイベントは、何と7時45分から開始。丁度、着いたのが7:30少し前でしたので、偶然にしてはあまりにも出来すぎ。

 歌手は、ソプラノがアフリカのボツワナ共和国出身のAngela Kerrisonさん、テノールがイタリア出身のAntonio Poliさんです。

 若手歌手養成プログラの研修生とはいっても、既にチューリッヒの歌劇場とかで歌っている人たちですから、十分、本格的です。それを、ナショナルギャラリーの名画に囲まれた中で目の前に聴くことができるというのは、何という贅沢。しかも、無料ときていますから、何ともったいない(有り難い)。曲目も「ドン・ジョバンニ」「フィガロの結婚」「魔笛」「愛の妙薬」など有名なオペラのアリアを集めた選曲でしたので、殆ど知っている曲ばかり。

(プログラムです)


 お二人とも素晴らしい歌唱を披露してくれました。Angela Kerrisonさんは、伸びのあり、勢いがあるソプラノ、Antonio Poliさんは甘い声とともにギャラリーに反響しすぎるぐらいのパワーのあるテノールで聴く者を深く感動させてくれました。私なんかには、ここまで歌える人たちが、何の研修をしているのか不思議です。普段、3階席とか4階席から離れて聴くのと、こうして間近で聴くのとはホント迫力が違いますね。


(左から、Kerrisonさん、Strandersさん(ピアノ伴奏)、Poliさん)


 アンコール1曲を含めて20時30分頃まで、大歌手の卵の方から幸せな時間を頂きました。



Museums at Night
7.45–8.15pm
Singers from the Salzburg Festival Opera
Opera singers from the Salzburg Festival will perform in the Gallery
Room 9, Free


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ロイヤルオペラハウス (ROH) アイーダ

2010-05-15 06:22:08 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 ※ちょっと時間が空きましたが、先週見に行った公演の感想です。
 
 演出が強烈に印象に残る舞台でした。アイーダ初体験の私には、ピラミッドがないアイーダの舞台は、ちょっと応用問題すぎる感がありましたが、素人の私でも舞台の面白さは十分に伝わってきました。

 舞台装置、踊り、照明など、音楽や声楽よりも演劇でした。休憩前の第1幕・第2幕は、あまりにも劇的で壮大な舞台作りに圧倒されました。第2幕に10名は超えると思われる上半身裸の女性たちが出てきて、踊り、生贄の男性陣を切り裂くシーンには、肝を抜かれましたが・・・。逆に、急に動きが少なくなる3幕・4幕はちょっと拍子抜けした感もありました。ただ、4幕のラストシーンはしっとり、しんみりと聞かせてくれました。

 歌手陣はかなり実力派を揃えたようにお見受けしました。この日の出来は、Amneris役のMarianne Cornettiのメゾ・ソプラノが劇場に響き渡る声量と情感豊かな声質が光っていたと思います。アイーダ役のMicaela Carosiは声は通るのですが、なんか一本調子な感じがして、ちょっと欲求不満。かなり見せ場はあるのですが、私的には何故かあまり投入できずじまいでした。Radames役のMarcelo Álvarezは、とても柔らかい、うっとりするテノールです。ただ、今日は、イマイチパワー不足だったような。今日はバルコニー席(3階)の一番前の上席だったので席のせいではないと思いますが・・・

 オケはこの壮大さと感情こまやかな音楽を上手く表現していたと思います。カーテンコールで指揮のNicola Luisottiに物凄いブーイングをしている人がいましたが、何が気に入らなかったのでしょうか?

 新聞の批評はかなり賛否両論のようでした。タイムズ紙なんかは、5段階の二つ星でしたから。でも、私的には十分楽しめた舞台だったです。

 今回のイチオシ、Marianne Cornetti


 アイーダのMicaela Carosiはもう一歩


 Marcelo Álvarezも本調子ではなかったのでは?


 そろい踏み。


 舞台の写真は、こちらのサイトがとっても充実しています(→こちら) 


Aida
Friday, May 7 7:30 PM

Credits
Composer Giuseppe Verdi
Director David McVicar
Set designs Jean-Marc Puissant
Costume designs Moritz Junge
Lighting design Jennifer Tipton
Choreography Fin Walker
Martial Arts David Greeves

Performers
Conductor Nicola Luisotti
Aida Micaela Carosi
Radames Marcelo Álvarez
Amneris Marianne Cornetti
Amonasro Marco Vratogna
Ramfis Giacomo Prestia
King of Egypt Robert Lloyd
Priestess Elisabeth Meister§
Messenger Ji-Min Park
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ブログの衰退?

2010-05-14 07:10:35 | ロンドン日記 (日常)
 渡英して以来1年半にわたってつけている本ブログ。もともと日本にいる家族や親族、極々近しい友人向けに、近況報告のつもりで書いていたのが、いつの間にか、コメントやメールをいただる方もでき、新しい知見も得られたりで、とっても有難いメディアだと実感している。

 しかし、この便利なメディアも、実は衰退に向かっているのではないか?

 というのは、私のブログの右端にアクセスランキングというブログパーツをつけているおり、これは、私のブログの訪問者数がGOOブログの9999位以内に入ると、順位がつく。別に多くの不特定多数の人に見てもらうことを目的としていなくても、やはり順位がつくと何となく嬉しい。ただ、この半年間でこのランキングが様変わりしている。

 というのは、半年ぐらいまでは、だいたい訪問者が180IPが順位がつくかどうかのボーダーラインだったのに、このボーダーラインがどんどん下がってきている気がする。最近では140IPぐらいでも順位がつく日が珍しくない。

 これはどうしたことか?

 私の仮説は、いわゆるTwitterに流れているのではないかということ。たしかに、ブログにもいろいろあるが、一応、まとまりのある文章を書くことになるのに比べて、Twitterはつぶやきをそのまま文字にして(だけ?)ので、ハードルはずっと低い。

 ブログの出現で自分でホームページを作る人が減ったように、Twitterの出現でブログを書く人、見る人が減ったのではないだろうか?

 きっと、日本のメディアには、そうしたネット動向についての情報が山のように載っているだろうから、こんな仮説はとっくにご披露されているのかもしれない。でも、ちょと気になった実体験だったので、備忘として残しておきたい。
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キャメロン首相、クレッグ副首相

2010-05-13 06:20:43 | ロンドン日記 (日常)


 昨日、保守党と自由民主党の連立が成立し、投票日から続いた混乱の末にキャメロン首相が誕生しました。

 上の写真は先週木曜日の投票日から今日までの6日分のタイムス紙の一面です。古新聞入れに入れておいたのだけど、この1週間は、こちらにきて以来の中でも、かなりイギリスの一面を知ることができた記憶に残したいイベントだったので、古新聞入れから引っ張り出してきました。

 この表紙だけ見ても、いかにこの1週間が激動の一週間だったことがわかります。左上が選挙先日の6日木曜日、そして右下が今日の12日水曜日の新聞です(日曜版は読んでないのでありません)。

 見出しだけ拾っておくと、
 6日 "The Fate of the Nation"
 7日 "Election Chaos"
 8日 "The New Deal"
 10日 "Britain on hold"
 11日 "His parting shot"
 12日 "Embracing change"


 写真もとても印象的なショットでした。

 これからキャメロン首相がどう動くのか?とくに経済政策に注目しています。(税金が上がるんだろうなあ~)
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勘弁してよ~

2010-05-12 06:42:40 | ロンドン日記 (日常)
 イギリスのJALであるBAがまたストライキを予定している。

 5月18日〜22日、24日〜28日、30日〜6月3日、4日~8日の5日間4セットのストライキ予定だ。信じられる?

今回のスト予定は、不幸にも自分の旅行予定とももろに重なっている。来週の週末は、マラソン大会でエジンバラ往復を予約済みだし、月末は連休なので、大陸に遠征予定。GatwickとCityAirport便は平常運行するらしいが、私が使う予定のHeatlow空港は一部の飛行機(欧州外行きとか)は運行されるらしいが、欧州域内や国内便は、まったく霧の中。まあ、いざとなれば、エジンバラは列車で立ってでも行く覚悟(でも4時間半)だが、大陸へは流石に電車では無理。

いい加減にして欲しい。もうBA便は二度と予約しないと決めた。
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LSO/ Sir Colin Davis with Mitsuko Uchida

2010-05-11 07:32:21 | コンサート (in 欧州)
 随分前にチケットを買ったので忘れていましたが、チケットを引き取り、席に着いたら何と一階席の一番前のど真ん中の席でした。まさに指揮台のすぐ斜め後ろ。きっと、今日のピアノ独奏の内田光子さんを近くで見ようと思って買ったのだと思います。

 その内田さんのモーッアルトピアノ協奏曲第17番。最高でした。柔らかく、繊細で、美しい。これぞ、モーツアルトって感じでした。近くで見ると、当たり前かもしれませんが、その集中力の凄まじさも、痛いほど伝わってきます。そして、いかに内田さんが一つ一つの音符の強弱や質感を大切にしているかということが手に取るように分かりました。素晴らしいピアノ演奏なのですが、ピアノだけを目立たそうとしているわけでないのも良くわかります。LSOの演奏とピアノのお互いが、そっと寄り添い、仲の良い夫婦のような感じで、共同作業として音楽を創り上げていくという、印象を持ちました。演奏後は、聴衆から爆発的な拍手。皆、思いは同じだったようです。

 今日は、コンサートマスターがいつもと違う女性の方(コンサートミストレス)でした。とっても若くて綺麗な方な上に、演奏する姿勢が背筋が伸びて、美しい。見とれてしまいました。演奏はとっても力強く、オケをグイグイ引っ張っていく感じでした。一列目の席だと、第一ヴァイオリンの前の方にいる人の演奏は、一人ひとりの音までも個別に聞き取ることができるという、前列ならではの面白さがありました。一曲目のハイドンは、その弦パートがフルに活躍する、とっても重厚な演奏でした。

 そして、最後はニールセンの第4交響曲。これをLSOの演奏で聴くのに最前列はちょっときついです。音の塊がダイレクトにぶつかってきて、耳が潰れるかと思った。演奏は、これまた重厚かつキレのある素晴らしいもので、LSOの金管、ティンパニー陣が炸裂しているのが、演奏者の姿は見えませんが良くわかりました。それに、フルボリュームの弦パートの音まで加わりますから、すごいのなんのって。この迫力は高級オーディオのヴォリュームを一杯にしてCDを聴いても、絶対味わえないと思います。生演奏の醍醐味でした。

 デイヴィスさん、相変わらず元気です。真下で聴いていると、かれも時々声を出しているのが分かりました。いつも、細かい指示と言うよりも全体に気を配った指揮ぶりに御見受けしますが、私はデイヴィスさんのスケールの大きな演奏が大好きで、今日も十分堪能させてもらいました。

(ピアノが目の前です。感動しすぎで、内田さんの写真は撮れませんでした)


(ニールセン終演後。いつも折り目正しいコリンズさんです)


(目新しいコンミスさん)



London Symphony Orchestra / Sir Colin Davis
with Mitsuko Uchida
9 May 2010 / 19:30
Barbican Hall

Haydn Symphony No 97
Mozart Piano Concerto No 17, K453
Nielsen Symphony No 4 ('Inextinguishable')

London Symphony Orchestra
Sir Colin Davis conductor
Mitsuko Uchida piano


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ハーフマラソン @ブラックネル

2010-05-10 06:58:33 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)
 ロンドンから列車で1時間ちょっと南西に50キロ程行った、ブラックネルという町で行われたハーフマラソンの大会に出場しました。2週間後に控えたエンジンバラのフルマラソンに向けた最後の練習レースです。

 駅前こそ新しく開発されつつある近代的な駅前ですが、そこから5キロ余り離れた会場となるSouth Parkというところは、新緑が一杯の美しい田舎でした。イングランドの田舎は、どうしてこんなに美しいのだろうと、いつもため息がでます。レースに出ることで、普通なら絶対に訪れないようなところを訪れることができるのが、レース参加の最大の楽しみです。




 この1週間ロンドンはとても寒く一度しまったコートをまた出した程ですが、今朝も天気が悪い上に、寒い。間違えなく10℃行っていない気温です。2000名近くのエントリーがる中規模の大会ですが、皆さん寒そうにしていました。




 コースは緑いっぱいに囲まれたFoot Path(Walking用の道)や幹線道路の歩道がほとんどで、完全に舗装されているのでとても走りやすいです。小さなアップダウンがいくつかあるのですが、斜度はそれほどきつくないので、あまり気になりません。とても寒いので汗も殆ど出ず、むしろ鳥肌が立つぐらいなので、水分補給も口を湿らす程度。むしろ、トイレの心配をするぐらいでした。途中、結構、霧雨が降りかかってきたので、これで体温は更に下がるし、眼鏡は曇るはで、とても嫌でした。




 体調は良く、結果も手持ちの時計で、タイムとしては上々の1時間49分55秒。マイルごとのラップが、8分28.15秒, 8.29.31, 8.17.57, 8.17.10, 8.11.25, 8.26.75, 8.16.27, 8.24.10, 8.44.25, 8.8.53, 8.32.75, 8.22.53なので、まずまず安定。ただ本当は、今日は42k走るつもりで、もっとスローなペースでコントロールして走るのが目標だったので、練習としては失格。このラップで42k走り続けることができるのなら良いのですが、自分のマラソンは本当に、急がばゆっくり走れ、なのです。


 本チャンに向けて準備はまずますと言いたいところですが、実はそうでもないです。一番の懸念は、靴。年明けに買った新しいランニングシューズは、機能的に良く出来ていることは分かるのですが、前のシューズに比較しクッションがないので、体重と地面の振動を結構、足に強く受けている感覚がどうしても残ります。今日のハーフぐらいだとなんら問題はないですが、これで42kは正直、足が持たないのではないかという気というか、直感があるのです。いまさら、新しい靴を買うのはリスキーだし、それならもうかなりガタがきている古いシューズに戻すか?正直、非常に悩ましいです。42kは本当に靴が大事なのは、これまでの経験で良く分かっているので、大きな課題を残した本レースでした。

 賞品類です。今日はメダルがあり、とってもハッピー。


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フィレンチェ旅行 (その6) レストラン

2010-05-09 06:34:16 | レストラン・パブ (in 欧州)
※フィレンチェねたで1週間も引っ張りましたが、これで最後です。

 イタリアの旅行で何が嬉しいかというと、食事です。手ごろな値段で、口に合う美味しいものが食べられます。フィレンチェもあたりでした。夜のコンサートとか、オペラの予定を入れると食事はどうしても2の次になってしまうのですが、今回はその点では、問題なし。そうは言っても、一人なので、そんな立派なレストランには入りません。

 今回入った一番立派なビストロ風レストランTRATTORIA MARIONE。『地球の歩き方 イタリア』にも紹介されているお店ですが、肩肘張らない雰囲気も味もとってもグーでした。

TRATTORIA MARIONE (50123 Firenze Via della spada, 27/R)


 お昼の開店と同時に駆け込んだので、まだ空席がありますが、その日の夜に横を通ったら、行列になってました。


 一皿目のパスタ(ペンネ)。美味しいミートソースが絡ませてありました。


 二皿目のローストビーフ。本当は、トスカーナ名物のTボーンステーキを頼みたかったのですが、最低700gからの注文ということ(何人かでシェアして食べるのが普通らしいです)で、その代わりに薦められたので、頼みました。肉が柔らかくかつ香ばしく焼いてあり、これもとっても美味しかったです。


 お値段は、この2皿にハウスワイン0.5ℓ、サラダ、炭酸水を頼んで35ユーロでした。大満足、お腹一杯です。

 
 お昼にたくさん食べたので、夜は軽くということで、街中の軽食堂に入りましたが、これもあたりでした。

La Capannina (Via Sant'Antonio. 49r)

 頼んだのはサラダとこのトマトソースのペンネとワイン。味は昼食に負けず劣らぬほど良かったです。


 いかにも街の軽食堂屋っぽい、庶民的な雰囲気が楽しいです。皆で、テレビを見て、素人の歌合戦を楽しんでいました。


 驚くべきは値段。ワイン0.5ℓ €4、ボール一杯のツナのサラダ€4、ペンネ€4で計€13。すごい、費用対効果でした。
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フィレンチェ旅行 その5 (番外)

2010-05-08 08:24:04 | 旅行 海外
 フィレンチェ往復には、フィレンチェから電車で1時間ちょっとのピサ(斜塔で有名なところ)空港を利用しました。

 今回、私的にかなり気に入ったのが、フィレンチェ‐ピサ間の電車の小旅行です。

 フィレンチェはローマ行きやベネティア行きの長距離特急列車も走っているのですが、ピサへはいわゆるローカル線です。これが、田舎の雰囲気たっぷりで、とっても旅情あふれます。

 こんな車両です。


 社内はこんな感じ。

 
 車窓から見える田園風景がなんとものどか。
 



 ローカル駅ものどかです。


 この間、ミラノ→トリノを移動した際も思いましたが、イタリアの鉄道は安いし、雰囲気もいいです。
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フィレンチェ旅行 (その4) その他もろもろ

2010-05-07 06:39:02 | 旅行 海外
 フィレンチェで訪れたその他の名所です。


(花の聖母教会 ドゥオーモ)
 フィレンチェの中心ドゥオーモ。さすが、とっても荘厳で美しい。


 ドゥオーモに並び立つ「ジェットの鐘楼」。この美しさも格別。


 ドゥオーモ内部。とにかく、でかさにびっくり。


(メディチ家礼拝堂)
 ドゥオーモから歩いて3分。メディチ家の礼拝堂。外見は意外と地味ですが・・・


 中身はメチャ派手。一家の礼拝堂にこんなもんを作るなんて、昔の金持ちはスケールが違います。


(サンタ・マリア・ノヴェッラ教会)
 外観も美しいのですが・・・


 中は、様々なフレスコ画などの絵画が飾られ、更に美しかったです。


(幻の5月音楽祭会場 コムナ―レ劇場(フィレンチェ歌劇場))
 うらめしや・・・


 幻の公演ポスター


(歴史的な歌劇場 ぺルゴラ劇場)
1657年に建設され、ヴェルディの「マクベス」が初演された由緒正しい劇場です。最近は演劇をやることが多いらしいですが、この日は同じく、ストライキでキャンセルになってました。


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フィレンチェ旅行 (その3) サン・マルコ美術館

2010-05-06 06:16:26 | 旅行 海外
 ウッフィツィ美術館とは全く違った面で、印象度がひときわ高かったのがサン・マルコ美術館です。

 朝8時15分の開館とほぼ同時に入館しました。サン・マルコ教会に隣接し、かつてはドメニカ修道院だったという建物は、中世の建築らしく、中庭を取り巻くように建物が建っています。外界と遮断された旧修道院の中庭に朝日が降り注ぐ空間は、美術館に来たことを忘れさせ、それだけで気持ちを厳粛なものにしてくれます。

 建物内には、ここの修道僧であったフラ(ベアート)・アンジェリコとその弟子によるフレスコ画で飾られています。

 1階は集会場や食堂に使われていた部屋があり、祭壇画、フレスコ画、板絵が飾ってあります。


 圧巻は2階。まずは2階に昇りきったところに現れるアンジェリコの『受胎告知』。1442年頃作成のフレスコ画にしては色がとても綺麗ですので、相当な修復作業があったことを伺わせます。絵全体を覆う美しい色使い、マリアの茫然とした(ように見える)表情、何か反射の材料が画材に混ぜてあるのか光に微妙に反射する天使の羽、見る者を穏やかに、柔らかい気分に満たしてくれます。




 『受胎告知』を見て、2階に昇ると、そこには長い廊下を挟んで、全部で40程の四畳一間程の僧坊が並んでおり、各僧坊には聖書の場面から取ったフレスコ画が描かれています。その昔、この僧坊で信者たちは何を思ってこれらの絵を見、何を願い、何を考え、何を祈っていたのか?そんなことを考えるだけで、この21世紀を生きる自分との時間の距離感とともに、同じ絵を見る自分との空間の連続性を感じます。


 朝一の見学なので見学者も少なく、廊下は静寂に満ちています。窓からは朝日が差し込み、隣接する通りにバスやオートバイが通る音に満ちているのですが、かえってそのけたたましい音が、廊下の静けさを引き立ててくれるようです。


 廊下途中の踊り場のベンチで休んでいたら、隣にスケッチブックを持ったおじさんが座り、ベンチから見える中庭の風景のスケッチを始めました。向かいのベンチでは、警備のお兄さんが、何を考えているのか、正面を見据えて座っています。同じ警備をするならひで一杯のウッフィツィ美術館の警備よりも、この平穏な空間での警備の方がどれほど心安らかな警備ができることかなどと、くだらないことを考えていました。


 一通り2階を見た後で、1階に下りると、見学者も大分増えていました。イタリアの高校生の団体が美術の実習でしょうか。スケッチブックを持って、思い思いの場所で、自分の気に入った絵や風景を描いていました。




 建物、絵、空気らが全て過去から現在までの歴史という空間の中に溶け込んでいるような錯覚に捕らわれる生きた美術館でした。
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フィレンチェ旅行 (その2) ウッフィツィ美術館

2010-05-05 05:19:28 | 旅行 海外
 音楽祭以外にここだけには行きたいと唯一マークしていたのが、ウッフィツィ美術館。噂に違わぬ人出と作品群でした。

 ここに行かれる方は絶対、Webでの事前入館予約をお勧めします。予約料€4がかかりますが、ディズニーランド以上に並ぶことを考えれば予約料の価値は十分にあります。少なくてもアルバイトの時給よりは安いでしょうから、時間を買いましょう。写真撮るのを忘れましたが、あの行列を見れば分かります。100メートルはありましたから。

 作品は、さすがフィレンチェの珠宝。とんでもない逸品が所せましと並びます。「メディチ家の全てを結集したルネッサンス美術のすべてがここにある」(「地球の歩き方 イタリア」)という紹介もあながち誇張ではありません。

 やはり有名どころは、ボッティチェッリの『ヴィーナスの誕生』と『春』で、一番、人だかりになっていました。


 『ヴィーナスの誕生』は美術書とかで見る明るい青色とは少し異なり、薄暗い部屋の影響か、全体に少しぼやけた色彩に見えましたが、その神秘的な雰囲気はさすが本物。(写真はWikiより)


 個人的な一番の好みは『春:プリマヴェーラ』。HDTVの宣伝にでもありそうですが、絵の中にいる人物たちが今にも動き出しそうな躍動感に見入ってしまいました。


 この他にも教科書やどっかの画集等で見たことがあるような気がする絵がいたるところに展示してあり、それもルネッサンス期の繊細ながらも聖書等からの意味深なテーマの絵が並びますので、見る方もエネルギーが要ります。
  

 あと、この美術館は建物の中もなかなか趣があります。かつてメディチ家の事務局、フィレンチェ公国の行政局が置かれた建物とのことです。建物も絵を収容する芸術品であることを実感しました。


 天井の模様。


 窓から見えるアルノ川です。


 ここは絶対、はずせません。
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フィレンチェ旅行 (その1)

2010-05-04 06:57:02 | 旅行 海外
 フィレンチェ5月音楽祭を見に行く予定が、ストライキにより公演中止となってしまい(経緯はこちら→)、ただの観光旅行になってしまったフィレンチェから先ほど帰還。

 天気は今日こそ太陽が少し覗いたものの、昨日は雨時々曇りのあいにくの天気。おまけにこの週末前後はイギリスだけでなく大陸各国もメーデーとかで祝日なところが多く、そんな時にフィレンチェに行くなんて、ゴールデンウィークに日光に行くようなもので、我ながらアホだなあと思いましたが、案の定、すごい人出でした。公演予定だった『影のない女』は予習をしたものの、フィレンチェについては殆ど下調べなしの行き当たりばったり。それでも、さすがフィレンチェ。すごいものをいくつか見させてくれました。

 これから気長に紹介しますが、ひとつ思ったのは、フィレンチェは上から見るのが一番。下界は人だらけだし、ルネッサンスを感じる街並みも、建物には結構落書きがあったり、路地にはゴミは落ちているはで、映画や紀行番組で見る落ち着いたフィレンチェの街並みとはひどく格差があり、少しがっかり。しかし、上から眺めるフィレンチェは息を飲む美しさでした。

 夕方、雨の中訪れたミケランジェロ広場から見るフィレンチェの全景。雨のため靄がかかって写真がボケてますが、雨に打たれるフィレンチェというのも、落ち着いた風情を感じるものでした。



 雨の音が街の喧騒の音をかき消してくれているような感じでした。


 フィレンチェの象徴「花の聖母教会ドゥオーモ」をアップ。



 その前に、ドゥオーモに並び立つ「ジェットの鐘楼」に昇りました。


 414段の階段を昇り切って、テラスに出た時は、思わず息を飲みます。一面、見渡す限り、赤茶色の屋根と白や茶色の壁の建物。そんな中でも教会、礼拝堂、宮殿などがひと際目立ちます。そして、どこからともなく、教会の鐘の音が聞こえ、時として違った音色の鐘が異なる方向からも鳴り響き、鐘の2重奏に。限りなく美しく、ボーと何も考えることなく、眺め、耳を澄まします。

 写真では音が伝えられないのが残念。




 正面がかつてのフィレンチェ共和国政庁舎「ヴェッキオ宮」です。


 正面が「フィレンチェ・ルネッサンスの典型的宮殿」(「地球の歩き方 イタリア」)であるピッティ宮です。


 ドゥオーモ越しに。


 至福の時間でした。
コメント (2)
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