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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 時間のレンズ ―

2017-01-26 22:14:41 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うむッ! じゅんけッしょうゥ~しんしゅつゥ!」
「がるる!ぐるがるるぅ!」(←訳:虎です!次も行くぞぉ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ユヴェントスが勝利した朝は寒さもなんのその!
 そんなシャキっとした気持ちでお送りする
 本日の読書タイムは……
 いま注目のノンフィクション作品ですよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  



       ―― 『南京事件』を調査せよ ――



 著者は清水潔(しみず・きよし)さん、2016年8月に発行されました。
 『mission 70th』と英語題名が付されたこの御本は、
 昨今ニュースになっているあの《事件》の真相を探る
 報道と報告の記録です。

 著者・清水さんといえば、
 『桶川ストーカー殺人事件――遺言』
 『殺人犯はそこにいる――隠蔽された北関東連続幼女誘拐事件』など、
 事件報道にとことんこだわる
 名うてのジャーナリストさんです。

「ぷろふぇッしょなるのォ、きしゃさんッ!」
「ぐるるるがるるるる!」(←訳:徹底的に追いかける!)

 その清水さんが新たに係わったのは、
 戦後70周年の節目に制作された
 NNNドキュメント『南京事件 兵士たちの遺言』でした。

 TVで放送されるや、
 番組は大反響を呼び、
 『平和・協同ジャーナリスト基金賞《奨励賞》』、
 『ギャラクシー賞 テレビ部門優秀賞』
 『メディア・アンビシャス賞』
 『放送人グランプリ(2016準グランプリ)』と、
 多くの賞を受賞します。

「わおおゥ、すごいィ!」
「がるるる!」(←訳:高評価だ!)

 ええ、それらの評価は、
 清水さんをはじめとするスタッフさんたちが
 誠心誠意をもって取材をし、
 幾度となく検証を重ねて、
 公平な見地から作り上げた内容への
 正当な結果です――けれど。

 2015年10月4日、
 放送が番組が放送された後に
 清水さんは思うのです。

  55分という限られた時間の中では、
  伝えきれなかった情報が
  あまりにも沢山ある。
  それに、別の疑問も残っている。
  
  なぜ、この事件は否定されるのか。
  メディアの殆どが目を逸らすのか。

 もっと調べなければ。

「どくじにィ、しゅざいィかいしッ?」
「ぐるるがる!」(←訳:大決断だよ!)

 70年以上も昔の出来事。

 事件現場を自分の足で訪ねて、
 直接の証言を聞き、
 一歩一歩真実に近づいてゆくのが
 清水さんのスタイルですが、
 今回ばかりは、時間の壁に阻まれ、
 真実を探り当てるのは容易ではありません。

「でもォ、ねばりますゥ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:喰らいつきます!)

 日誌の数節。
 一枚の写真、スケッチ。

 そんな“些細な”カケラをつなげて、
 レンズを過去に向けてみれば……?

「またァ、みえてくるゥ!」
「ぐるるがる?」(←訳:新たな事実?)

 誰かを糾弾するのではなく、
 侮辱するのでもなく、
 謙虚に誠実に。

 戦争の中で、何が起きたのか。
 その戦争とは、何であったのか。

  知ろうとしないことは、罪である――

「おもたいィでスゥ……!」
「がるぐる……!」(←訳:苦いです……!)

 著者・清水さんが辿った道を、
 活字マニアの皆さまも、どうか、ぜひ。
 必読の労作です!
 
 
 
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