ひまわり先生のちいさな玉手箱

著書「ひまわり先生の幸せの貯金箱〜子どもたち生まれてきてくれてありがとう」

愛着

2012年01月21日 | メッセージ
養育者に対する幼児の感情的な「愛着」の概念は、
19世紀以後、心理学者や精神科医は、
生後早期に存在する人間関係の特質についての
「愛着理論」として提唱された。
Rene Spitzスピッ(1945)は、
当時の乳児院で育てられた赤ちゃんは死亡率が高くなり、
心身の発達障害や情緒発達の障害を起こしやすくなるという問題を発見し、
小さい時に不適切なケアを経験した子どもの心に
有害な影響がもたらされると述べた。
John Bowlbyボウルビィ(1969)は、
子どもと養育者の間に形成される情緒的結びつきを
「愛着」と名付け、
幼児にも特定対象との近接関係を確立しようとする欲求や
パターンが生得的に備わっているとした。
知覚能力も運動能力も未熟な幼児が生き延びるには、
他の個体からの効率的に保護を引き出さなけらばならない。
それを引き出す子どもの愛着行動には、
微笑みや発声などの発信行動、
注視や接近などの定位行動、
しがみついたり抱きついたりする能動的身体接触行動がある。
愛着は、飢えや乾きなどの生理的欲求の充足により形成されるわけではない。

こうして愛着理論は、ボウルビィによって確立され、
「安全基地」という概念を提案したた。
子どもは社会的、精神的発達を正常に行うために 少なくとも1人の養育者と親密な関係を維持しなければならず、
それが無ければ子どもは社会的、
心理学的な問題を抱えるようになる。
幼児は、生後6ヵ月頃より2歳ごろまでの期間、
継続して幼児の養育者であり幼児と社会的相互作用を行い幼児に責任を持つような大人に対して愛着を示す。
この時期の後半では、
子どもは愛着の対象者を安全基地として使うようになり、
そこから探索行動を行い、
またそこへ戻る。
親の反応は、愛着行動の様式の発展を促す。
そして、それは後年における内的作業モデルの形成を促し、
個人の感情や考えや期待を作り上げる。
離別への不安や愛着の対象者が去った後の悲しみは、
愛着行動を行う幼児とって
正常で適応的な反応であると考えられている。
発達心理学者のAinsworthsメアリー・エインズワース(1978)は、
愛着の質を測定する方法として開発した
ストレンジ・シチュエーション法による研究により、
幼児における愛着行動のパターンを
「安全の愛着」「回避の愛着」「不安の愛着」「混乱の愛着」
の4つにタイプ分類した。
1980年代には、愛着理論は大人にも拡大された。
愛着行動の一要素として含まれる可能性があるのは、
全ての年齢における同僚との関係、
性的吸引力、
幼児や病人や老人がケアを必要としていることなどである。
1980年代末に大人のロマンチックな関係にも拡張された。
大人においては、4つの愛着のパターンが確認された。
安心、不安、退去・回避、恐れ・回避の4つで、幼児における4つの愛着パターン
(安心、不安・両面感情、不安・回避、)と対応している。

愛する人と連絡が取れないとき、
あなたは、どれくらい不安ですか?
どれくらい安心して過ごせますか?
回避しようとはしませんか?

つまり、愛着がどれくらい形成されているかは、
今、あなたが目に見えない愛情を
どれくらい信じられるかということで、
測れるのではないかと私は、思います。
コメント (4)
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