《愛ある環境の重要性》
愛のない環境、守られない環境から救出して、
守ってくれる、愛してくれる環境に子どもを置くことが大切です。
環境を改善する可能性があれば、改善するための親のカウンセリングが急務です。
子どもにとっての環境とは、親だけではありません。
保育士さんや学校の先生方も、また子どもにとって重要な良くも悪くも影響の大きい環境です。
子どもを木に例えると、根っこの部分に影響があるのが、親や家族。
木の幹の根幹の部分に影響があるのが、親、家族、親戚、先生、友だち、近所の人々など。
昨日は、糟屋郡宇美町のしーず宇美で講演後、福岡市立鶴田小学校に伺いました。
教職員研修で、
「カウンセリングの視点からの子どもの見方・褒め方・叱り方
~子どもたち生まれてきてくれてありがとう~」
と、いうテーマでお話させていただきました。
先生方が、より子どもの心を理解し、言葉かけ、接し方を改善して、子どもが心身ともに健全に育つお手伝いになればと思っております。
***
虐待された子どもに、脳の変化が生じるという研究結果があります。
福井大学 友田 明美著
「いやされない傷―児童虐待と傷ついていく脳」
***
虐待によって子どもの脳が変化するのは、
シナプスの刈り込み現象のせい。
子どもの脳は2歳ごろまで、シナプスの数が急速に増え、多めに形成されます。
その後16-24歳ごろまで、不要なシナプスを刈り込み、神経伝達の効率を高めていきます。
このシナプスの刈り込み現象によって、
子どもの脳は思春期ごろまで柔軟性に富みます。
何か不具合なことがあれば、それに対応することができるのです。
これは神経回路を柔軟に作り変える可塑性として知られています。(p51-52,98,125)
子どもの脳に柔軟性があって、虐待を受けても、それに対応できるように脳が変化するということ。
友田先生は虐待によって脳に変化が生じる意味をこう説明しています。
***
われわれからみたら、虐待というのは非日常的で普通ではない状態である。
しかし被虐待児は「日常的で普通の生活」を経験したことのない者がほとんどであるから、
たとえそれがストレスフルな状況であっても、その環境を疑うことができない。
ゆえに、耐え難い苦痛や恐怖の中でも、何とかして生きていく術を身につけていく。
…これは戦争体験などにはみられない、特異な反応の仕方である。 (p108)
DVを目撃しつづけた子どもの視覚野が小さくなっているのは、
母親がひどい目に遭わされるショッキングな光景を見ないでよいように脳が適応した結果です。(p76)
親から日常的に暴言虐待(バーバル・アビュース)を受けてきた子どもの聴覚野に発達の変化があるのは、
聞くに堪えないののしりを聞かないで良いように脳が適応したからです。(p131)
海馬が萎縮するのは、ひどい状態に対処しようとして、ストレスホルモンであるコルチゾールを多量に分泌した結果です。
扁桃体が過敏になるのは、生き残るために“逃走か闘争か”に徹した結果です。(p40,61,127)
虐待を受けた子どもの脳に見られた異常は、避けられないストレスにあらがい、
普通でない日常を生き抜こうとして、脳の柔軟性をフルに用いた成果なのです。
友田先生はこう結論しています。
虐待による脳の変化は、冷酷な世界を生き抜く“適応”ではないのだろうか。
…ホルモンの量がわずかに変化し、子どもの脳神経の配線を“適応”という形で永久に変えてしまう。
そして他人の不幸を喜ぶような冷酷な世界でも生きていけるように適応していけるのである。(p127)
愛情遮断症候群の子どもの場合、
患者を劣悪な環境から切り離すことで急速に改善することが知られています。
(p93)
写真は、学校で研修会場の二階の教室に
お姫様抱っこで運んでもらっている姿~
恥ずかしがりながら、甘える猛練習中!
愛ある環境に感謝(礼)
傷は、着実に癒されております。
愛のない環境、守られない環境から救出して、
守ってくれる、愛してくれる環境に子どもを置くことが大切です。
環境を改善する可能性があれば、改善するための親のカウンセリングが急務です。
子どもにとっての環境とは、親だけではありません。
保育士さんや学校の先生方も、また子どもにとって重要な良くも悪くも影響の大きい環境です。
子どもを木に例えると、根っこの部分に影響があるのが、親や家族。
木の幹の根幹の部分に影響があるのが、親、家族、親戚、先生、友だち、近所の人々など。
昨日は、糟屋郡宇美町のしーず宇美で講演後、福岡市立鶴田小学校に伺いました。
教職員研修で、
「カウンセリングの視点からの子どもの見方・褒め方・叱り方
~子どもたち生まれてきてくれてありがとう~」
と、いうテーマでお話させていただきました。
先生方が、より子どもの心を理解し、言葉かけ、接し方を改善して、子どもが心身ともに健全に育つお手伝いになればと思っております。
***
虐待された子どもに、脳の変化が生じるという研究結果があります。
福井大学 友田 明美著
「いやされない傷―児童虐待と傷ついていく脳」
***
虐待によって子どもの脳が変化するのは、
シナプスの刈り込み現象のせい。
子どもの脳は2歳ごろまで、シナプスの数が急速に増え、多めに形成されます。
その後16-24歳ごろまで、不要なシナプスを刈り込み、神経伝達の効率を高めていきます。
このシナプスの刈り込み現象によって、
子どもの脳は思春期ごろまで柔軟性に富みます。
何か不具合なことがあれば、それに対応することができるのです。
これは神経回路を柔軟に作り変える可塑性として知られています。(p51-52,98,125)
子どもの脳に柔軟性があって、虐待を受けても、それに対応できるように脳が変化するということ。
友田先生は虐待によって脳に変化が生じる意味をこう説明しています。
***
われわれからみたら、虐待というのは非日常的で普通ではない状態である。
しかし被虐待児は「日常的で普通の生活」を経験したことのない者がほとんどであるから、
たとえそれがストレスフルな状況であっても、その環境を疑うことができない。
ゆえに、耐え難い苦痛や恐怖の中でも、何とかして生きていく術を身につけていく。
…これは戦争体験などにはみられない、特異な反応の仕方である。 (p108)
DVを目撃しつづけた子どもの視覚野が小さくなっているのは、
母親がひどい目に遭わされるショッキングな光景を見ないでよいように脳が適応した結果です。(p76)
親から日常的に暴言虐待(バーバル・アビュース)を受けてきた子どもの聴覚野に発達の変化があるのは、
聞くに堪えないののしりを聞かないで良いように脳が適応したからです。(p131)
海馬が萎縮するのは、ひどい状態に対処しようとして、ストレスホルモンであるコルチゾールを多量に分泌した結果です。
扁桃体が過敏になるのは、生き残るために“逃走か闘争か”に徹した結果です。(p40,61,127)
虐待を受けた子どもの脳に見られた異常は、避けられないストレスにあらがい、
普通でない日常を生き抜こうとして、脳の柔軟性をフルに用いた成果なのです。
友田先生はこう結論しています。
虐待による脳の変化は、冷酷な世界を生き抜く“適応”ではないのだろうか。
…ホルモンの量がわずかに変化し、子どもの脳神経の配線を“適応”という形で永久に変えてしまう。
そして他人の不幸を喜ぶような冷酷な世界でも生きていけるように適応していけるのである。(p127)
愛情遮断症候群の子どもの場合、
患者を劣悪な環境から切り離すことで急速に改善することが知られています。
(p93)
写真は、学校で研修会場の二階の教室に
お姫様抱っこで運んでもらっている姿~
恥ずかしがりながら、甘える猛練習中!
愛ある環境に感謝(礼)
傷は、着実に癒されております。