ここ最近ずっと 調べものをしている
何のためかというと
旅のルートを考えるためだ
例えば ある道をコースに入れるかどうかを考えるとき
まずその道沿いで どんな産業(農業)が行われているのかを調べる
育てている作物によって ベストな時期が決まってくるのだ
例えば茶畑なら5月ごろが色も鮮やかで茶摘みの賑わいもある
出演者を楽しませたければ
意外と2月の山道という手もある
ツルツルゾーンの連続で
キャーキャー言いながら楽しんでいただける(笑)
もちろんテクニックのある出演者に限られるが…
今日のメインの調べものは「〇〇氏館跡」だった
聞いたことのない地方豪族の館跡
場所は急峻な山上
ということは 戦国時代以前に建てられた可能性がある
そしてここには その時代から人が暮らしてきたことになる
自治体のネット資料アーカイブで調べてみると
まさに鎌倉時代に中央から流れてきた家柄で
つい最近まで末裔が暮らしていたようだ
仕事は時代により変遷し
木地師であったり 人々の往来が激しかった頃は
宿屋のようなこともしていたらしい
これが旅の何に役に立つのか?
その土地の歴史を知っておくと
人々がどんな気持ちで暮らしてきたか
どんな苦労を味わってきたか
今どんな気分で暮らしているのか
を想像することができる
旅で出会った人に対して ある納得感を持って接することができる
さらには 番組でその土地についてのナレーションを書くときに
絶大な効果を発揮する
例えば土地の老人が
「ここはええところだよ」とつぶやくとする
何も情報が無ければ 見ている人も
「なるほど良いところですよね」
という感想で終わる
しかし 例えば
「この地域は 鎌倉時代には開かれており
◯◯さんの先祖は かつては木地師だった
暮らしは厳しく 食べるものにも苦労した」
という情報を入れることができれば
「ここはええところだよ」
という老人の言葉にずっしり重みが増してくる
旅番組の準備は 半年以上前から始まり
たくさんの調べものの上で成り立っている
それがその土地の人への敬意だと思うし
出演者が得をするか 損をするかも
そのスタッフの積み上げにかかっていると思う