自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

鍋島。

2023年04月17日 19時35分21秒 | おしごと日記
地方ロケに行くと
いろんな宿に泊まる



私が選ぶのはもっぱら
渋い民宿やホテルばかりだ
キレイで普通のホテル(ルートインみたいな)は
当たり外れがないので面白くない


廃業ギリギリのような宿に泊まると
女将さんがとんでもなく面白かったり
安いのに温泉がとても良かったり
地元のご家庭で食べるような食事が楽しかったりする


もちろん
その逆であることも多い





今回の宿は
逆だった(笑)



壁はペラペラで音が筒抜け
しかも埃っぽくてクシャミが止まらない
仕方なく 風呂だけ入って
車で寝た


私はここに何しに来たんだっけか?
と思いながら
自転車を包む毛布にくるまって眠った



帰宅すると 大きな段ボールが届いていた





1年半前に行った 五郎さんとの佐賀の旅の時に注文した
「鍋島」だ


五郎さんの50万円のラーメンどんぶりは 半年後には届いていたが
私が頼んだのは五寸皿
ふだん作らない大きさなので 皿から特注で作るため
時間がかかりますよと言われていた
ついにタイムカプセルのような時を経て 届いたのだった





番組でも紹介したが
全てが手描きである





超精密な絵の中に フリーハンドで描いている手の動きがちら見える





現当主の光春さんが入れた「だみ」
見ていると 光春さんの作業風景が目に浮かぶ
繊細な作業を邪魔しないように
気が散ることを決してしないように
息をこらえて撮影したことを思い出す








正月やめでたい席で 家族で使って
娘が家を出るときに あげようと思う
代々受け継がれるのにふさわしい皿だと思う





ロケに行くたびに
こうして物が増えていく
自転車メーカーの取材にだけは
行かないようにしよう(笑)



位置エネルギー。

2023年04月12日 23時51分48秒 | おしごと日記
メールの文面を誉められた


私は喋るのも文章を書くのも不得手で
メール1通書くのに30分かかることも少なくない
なので誉められて驚いたのだった





自分のメールの何がよかったのか?


どんなメールの文末にも「ご確認のほどよろしくお願いします」のような
とりあえずな文章を書く人が多いが
そういう無意味なことをしないからか?







私がメールを書くときに一番意識することは
誰に対しても 同じ目線の高さであることだ
目上の人に対しても 丁寧な言葉遣いはするけれど
へりくだり過ぎないようにするし
ADさんたちに送る時も 上からの目線で書くことはしない






昔 作曲家の千住明さんが
音符の高低差はエネルギーなのだと言っていた
音がポーンと高く飛べば そこにはエネルギーが生まれるのだと


メールの文章でも同じだと思う
高低差があると いらぬエネルギーを産んでしまう
ボウリングのレーンが坂道だと うまくコントロールできないように
文章においても 狙った効果が得にくくなる気がする




人は高低差を欲しがる生き物だ
自分を大きく見せようとするし
逆に韜晦して小さく見せようとすることもある
それが人間だとは思うが
そこに生まれるエネルギーも含めて計算できる人は少ない


メールのやり取りは 自分と相手の気持ちをコントロールする行為なので
高低差から生まれる位置エネルギーは慎重に考えなければいけないのだ











忙しすぎる。

2023年01月28日 22時30分12秒 | おしごと日記
ツールドおきなわを走り終えて
シュガーから結果を聞いたとき
絶望感とともに体から力が抜けていった



また1年間 ひたすら時間をやりくりして
トレーニングの時間を捻出し
あのキツすぎるメニューをやり遂げて
そのうえ焼きギョーザを我慢するのかと…




一言で言えば「超ブルー」だった(笑)




でも やるからにはやる
もう1年だけ 自分には不釣り合いな
熱い友情に身を投じてみよう






年が明けて 非常に忙しい
「ありがたいことに」と書きたいところだが
こんなもの迷惑でしかない(笑)



睡眠は毎日2時間以下
ガーミンウォッチくんは睡眠を認識してくれず
「睡眠データがありません」と表示する
たのむよ 1時間半の睡眠の内訳が知りたいんだよ



今年は1ヶ月1500km走るんだ! と決めたのに
いきなり無理そうだ







今年は高強度を少なくして
距離を走ろうと思い
寒波襲来した東京に漕ぎ出して
落車した(笑)



歩道に入る侵入角度が いつもより浅かった
そして前輪を持ち上げるのを怠った
前輪が高さ2センチほどの縁石を越えられず
ズリズリと滑り
なすすべもなく深夜2時の歩道にすってんころりんした


誰も見てなくてよかった(笑)





レバーのブラケットが
また削れてしまった…
REDのeTapは高くなりすぎて 壊れたらもう買えないなあ
(国内定価では)



私はどこか 生きていることへの諦めみたいな気分があって
気を抜くとあの世への入り口が おいでおいでを始めて
生きるための努力をしなくなる
そういう気の緩みが 落車につながった気がする


でも この世に未練なんて無いと思っているくせに
手首のねんざは 非常に痛い(笑)


エネルギー。

2023年01月12日 17時23分35秒 | おしごと日記



ツールドおきなわの編集が ようやく終わり
久しぶりにバイクを洗った



レースが終わって メンバーたちの気持ちが新シーズンに向かう中
自分だけがずっと11月の沖縄にいて
前に進めないでいた



バイクも洗う気分になれなかったが
ようやく解放されて しっかり洗うことができた






バリアスコートもしっかり塗布

フレームがピカピカに蘇るので
気分を新たにするには良い






先日「そのエネルギーはどこから来るのですか?」
という質問を受けた



自分でも分からなくて
答えに窮した(笑)



いや
たぶん答えは知っている
それを直視するのが怖くて
考えないようにして来たのだと思う
なので あえて直視してみようと思った





自己実現
承認要求
自己肯定

こういった要素も大きく持ってはいるが
一番のエネルギー源は たぶん
「復讐」なんだと思う



幼い頃 自分をさんざんバカにした人たちを見返したい
そのことが自分を 努力の鬼に駆り立てている



自分は「普通」と言われることが ほとんどできない
人と話すことが怖くて
記憶力が悪く頭には1つのことしか入らず
小学校では忘れ物ばかりでバカにされたものだが
なんとかそこから抜け出したいと思い続けてきた



ひょっとしたら あの頃僕をバカにした人たちに出会って
「お前すごいな!」と言われたら
僕のエネルギーは切れてしまうのかもしれない



レースで勝ちたいからではなく
一人前のディレクターでありたいから走る
どの作品を見られても「面白い」と言われるように
全ての作品で手を抜かない
ダメな自分を認めたくないから
人一倍の時間をかけて仕事をするのだ










愛用していたシューズカバーが破けてしまったので
新調した





フィンガークロストというメーカーのハーフカバー
シンプルな色使いなのに なぜオシャレに見えるのか
しばらく眺めて考えていた


細かなポイントはいくつもあるが
ステキな物を作っている人たちに共通するのは
視線の先がハッキリしていることだと思う
目先しか見えていない(流行りだからこうした的な)デザインと
自分達の世界観をしっかり見据えたデザインは違う





タグがプラスチックの紐ではなく
カラビナで付けられていた
すごくステキだ





あの頃 自分を見下した人たちに
「お前すごいな」と言ってもらえる日まで
またこのカバーをつけて走ろうと思う



年末年始と見果てぬ夢たち。

2023年01月04日 22時34分19秒 | おしごと日記
12月の走行距離は
ここ数年で最少記録の
430kmでした


寒いし この辺を走るのにも飽きてしまい
通勤以外では まったく走っていない
遠くに引っ越せば 自然と距離は延びるのだが
家族の猛反対にあって撃沈する(笑)







仕事を終えて 年末は
おっとり刀で家族と海へ



私はひたすらドライバー



年賀状は元日に書いた
「あけましておめでとう」と 年末に書く一抹のやましさが無くて
かえって清々しい(笑)


元日の夜に ようやく走る時間を作って
夜の荒サイへ
220Wほどで1時間走





目が疲れた…




とにかく今年は距離を走る
常に1ヶ月1500km走って
直前にもう少し頑張れたら最高だが


果たしてそんなことできるのかいな(笑)




体重は1ヶ月半で4kg増えて
現在60.4kg
いろんなものを食べまくってるのに
思ったより増えてない


家に帰ると ゴミ候補の袋に
カップラーメンが放り込まれていた
コロナになった際 区から送られてきたらしいが
「どうせ誰も食べないでしょ」と





普段なら食べないが
今日は食ってやる! と息巻いて
23時に食べてやった


味は 美味くもまずくもなかったが
何かいけないことをした興奮があった(笑)





正月の数日にしかできないことをやる


欠けた茶碗の「金継ぎ」の続き
この作業を始めて3年たつが
まだ終わっていないのである
いよいよ完成が近づいてきた(笑)



そして読みたかった本を読み漁る
読めば読むほど胸が痛む「農民一揆」について調べているが
こういう話はなかなか番組に出せるチャンスがない
苦しみにあった張本人は誰も生きてないし
残っているのは石碑や地蔵だけ
歴史が好きでも何でもない人に見せるには
ハードルが高すぎる



そもそも こういった話に興味がある出演者が
誰もいない(笑)
やっぱり今年も無理かな…と思いながら
胸を痛めて読みふける




さあ 明日から仕事
いきなりスタジオ作業のヘヴィーな1日
今年も頑張りますよ★

感謝。

2022年12月29日 23時34分09秒 | おしごと日記
今年もあと2日
オフを満喫しております



オフとはもちろん 自転車のオフシーズンのことで
満喫しているのは「徹夜」でございます(笑)



トレーニングがあると思うと
早く仕事を切り上げて 3時間だけでも寝ようと考えるが
今は何も気にせず 延々と仕事をやり続けることができる


先日も 13時から
若手ディレクターと編集の直しを始めて
1カットずつ ダメな理由と 直す方法を説明していたら
翌朝になってしまった(笑)
「あちゃー」とは思ったが
「丁寧に説明してもらって 超楽しかった」と言ってもらえて
ホッとした






編集室のスピーカーの音が悪くなったと思い よく見たら
インシュレーター(スピーカーの防震用の台)として敷いておいた10円玉が
いつのまにか無くなっていた


スピーカーの下の10円玉を持っていかなければいけないほど
金に困ったスタッフがいたのだろうか…


そんなに困ってるなら 持っていくがいい
と思ったが
代わりに置くインシュレーターは 1円玉にした(笑)






いつまでオフを満喫しようか
ぜんぜんトレーニングしたくならないし
来年は ロードレースに出られないかもしれないので
このままオフを続けるのもアリかもしれない






そんなこんなで すっかり寒くなりましたが
本年もありがとうございました


更新されることの少ないこのブログに
毎日 ほぼ同じ数の方が覗きに来てくれます
それはとても私の背中を押してくれます


ここに定期的に来てくれる方は
聡明な方が多いです
抽象的なことや 感覚的なことを書いても
それをしっかり理解し暖かく見守ってくれる
優しさもお持ちだと思います



そんなみなさんが
自分のようなダメな男を気にかけてくださり
感謝しかありません


来年も良い番組を作って
御恩に報いたいと思っています




どうぞ年末年始も 良いライドを
そして来年も 良い冒険がありますように☆

ゆっくり始動。

2022年12月17日 12時28分22秒 | おしごと日記
沖縄のレース写真を買った





160キロ地点 30〜40位ぐらいの集団
このあと気持ち悪くなって 脱落した(笑)



写真を見て
「おお〜かっこいいじゃん」と思ったが
よく考えたら「かっこいい」のは
「ヘルメットとサングラスとウェア」だった(笑)



どうしても自分がイケてると思いたいおっさんの
悲しいサガである…






沖縄から1ヶ月
重い腰をあげてトレーニングを開始した



沖縄ではすっかり燃え尽きて
まる1ヶ月通勤以外に自転車には乗らなかった
やっぱり撮影とレースを両方やるのは
かなりしんどくて
充電期間が必要だった





ロケのたびに キツすぎてしんどいたびに
本当に自分は走る必要があるのだろうか?
と考えてしまう



Eバイクでいいじゃん
モトにカメラマンとして乗ればいいじゃん
撮影スタッフに全て任せて 他のディレクターみたいに
ゴールでのんびり待ってりゃいいじゃん…


そう考えては 毎回同じ光景が思い浮かぶ



昔 「自転車探検部」のロケで インドネシアの激坂を走って
現地スタッフも出演者も疲弊して ボロボロだったとき
ふと 私がカメラを持ってヒーヒー言いながら 激坂を走っているのを見て
みんなが大笑いした
出演者の神田山陽さんが
「いつも厳しい林さんが苦しそうだと みんな大喜びですよ」と言った


私が楽な場所から指示をすれば
「自分でやってみやがれ」と思われるだろう
でも 私の方がキツいと分かれば そんなこと思われない


私はいちばんキツい場所に身を置いていたい
そうしないと 他人にキツいことをお願いできない(笑)




だから また1年後に向けて
トレーニングを始めた
かなりの覚悟が必要だったが……



使える時間は少ないので
自分に必要なことをピンポイントでやりますよ☆

青森のこと。

2022年12月04日 03時52分41秒 | おしごと日記
青森の旅 ご覧いただきありがとうございました


編集室で仕事をしながらオンエアを見ましたが
青森への思い入れが強すぎて
ちゃんと出来ていたかどうか判断できませんでした


ひとつだけハッキリ言えるのは
映像は美しかったですね(笑)







実は先週末
プライベートで青森まで行ってきた


目的地は つがる市の喫茶店「あどりぶ」
ロケの時に聞きそびれたことがあったので
直接会って 聞きたかったのだ




今年は人体実験にお金がかかりすぎて
飛行機代を小遣いから捻出するのがキツく(笑)
ANAのマイルでチケットを取ろうとしたら
青森空港へはJALしか飛んでいなかった



ANAが飛んでいる近い空港は 秋田の大館能代空港
つがる市まで自走で110km
なんとかなるだろう





一番早い便で到着し
空港のすみっこを借りて組み立て





空港で借りた空気入れ

気圧計が付いてないことが多いので
タイヤを指で触って カンで気圧を合わせる練習が必要だ(笑)





今日は晴れるが
明日は昼過ぎから暴風雨だそうで


無事に戻って来られるだろうか…


輪行バッグをコインロッカー(500円)に預けて
午前11時 出発





風が気持ちいい
冷たい風が 心の隙間に入り込んで
溜まった汚れを吹き飛ばしてくれるようだ





沖縄以来 体調が悪いままで
パワーが全く出ない

パワーのことばかり考えて生活していたので
ついつい数字を見ると憂鬱になってしまう
今日はパワーメーターを見ないと決めて
のんびり走るモードにスイッチを切り替える





40kmほど走り 峠を越えると青森県
碇ヶ関の 風情の良い食堂で休憩





店に入ると 晴れやかな笑顔のご夫婦が迎えてくれた
これだけで来た甲斐があるってもんだ





名物の自然薯ラーメン
麺がモチモチして 美味しかった


手作り餃子も食べようか迷ったが
お腹が重くなりすぎるのでやめた





補給食に弘前城そばのカフェ「はなまる」で
紅玉パイを購入


超美味だった





しかし11月下旬の日没は早い
のんびりしてる場合じゃないぞ





16時
秋田から120km走って
「あどりぶ」着



ひとみさんを驚かせようと思い
連絡もせずに店に入ったが
まったく驚いた様子がない


自分に気づかないのだろうと
「前に自転車に乗って撮影に来た林です」
と名乗ったら
「知ってるよ 今日も自転車?」と(笑)


いやはや
この人はやっぱり只者ではない(笑)





ナポリタンを食べながら
気になっていたことを いろいろ聞かせてもらい
ようやくナレーションの筆を進めることができた



そして別れ際 今回もひとみさんは
店の外まで見送りに来て
「んだば!」と いつまでも手を振ってくれた





すっかり日が暮れた田んぼ道を走り
ひとみさんが育った当時の風景を想像しながら
20km先の宿へ


山盛りのメールが来ていたので 急いで返信
急を要さないメールはほっといて 24時には寝た





次の日 4時起床 5時出発


走り出して すぐに悟った
きょうもパワーが全く出ない(笑)


嵐が来る前に空港に着きたいと願ったが
スピードは出ないし
さらに割とすぐに雨が降り出した


虹がきれいだった





途中 一度行ってみたかった
青森と秋田の県境にある古遠部(ふるとおべ)温泉へ


撮影禁止なので写真はないが
ドバドバ流れ入るお湯が ドバドバと穴から小屋の外へ流れ出て
携帯電波もなく まさに「秘境の秘湯」
ブータンの奥地に来たような衝撃的な温泉だった





料金は「経営難のため値上げ」で400円
安すぎる…



12時 大館能代空港着
着いたとたん 雷つきの暴風雨となった
すごいぞ天気予報(笑)





さて この旅の成果が
ひとみさんを紹介する20秒のナレーションとなったわけだが
あれがベストだったかどうか
オンエアを見た今も分からない
ただ今の私には これ以上のものが作れなかった



青森の回の出来については
気持ちが落ち着いた頃にもう一度見て判断しようと思う
恋も作品作りも 思い入れが強すぎるのは良くないようだ(笑)

ご褒美。

2022年11月20日 20時10分32秒 | おしごと日記
沖縄が終わったら
我慢していたものを食べまくるぞと思っていたが
終わってみると 何にも思い浮かばなかった



チョコレート?
食べたくない
焼きギョーザ?
胃が受け付けない


とりあえずコンビニで
普段は絶対食べないものを購入した





ポテトチップス(笑)


食べると胃腸が荒れて すべての回復が遅れていくので
まったく食べていなかった



期待したほどの味ではなかったが
禁じられたものに手を出すのって やっぱり楽しい(笑)





ご褒美に 旅にでも出たいと思ったが
年内は時間が取れなさそうで
今年はシンゴちゃん家(ち)のドラム缶風呂もお預けだ


何が忙しいのかというと
五郎さんとの旅の最終仕上げに入っている


番組の仕上げというのは 何度も試写を行い
完成度はもちろん 公平性を欠いていないかなど
厳しくチェックするのだが
私はいつも OKをもらった後も
追加の取材をし ナレーションを直し 編集を続ける



仕事とは 自分の人生の時間を売ってお金に変える作業であり
金額に見合った仕事だけをするべきだと よく言われる
金額以上の仕事をするなんて 人生の無駄遣いだと


残念ながら私は 金額で仕事を考えたことがない
1万円だろうが 100万円だろうが
その作品に納得いかなければ意味がない
取材をさせてもらった相手に 喜んでもらいたいし
五郎さんに 林と旅をして良かったと思ってもらいたいし
NHKのBSは 良い番組を作るなあと思ってもらいたい



だからいつも時間も金も無いのだが(笑)




そうそう 沖縄が終わって
存分に徹夜仕事できるようになったこと
これが最大のご褒美かな(笑)

過ぎゆく。

2022年10月25日 08時58分39秒 | おしごと日記
ロケだった






半日 モトの後ろで撮影


撮影中は忙しい
撮っている時は 次の動きを予想したり
頭の中で編集をして 次に必要な画を考えているし
走っている人に何を質問して
どんな言葉がもらえたら そのシーンが成り立つのかを
ひたすら考えている


シーンがひとつ成立して
次の撮り始めまでの間は 単純移動



秋の風景をずっと眺めていた





秋の揖斐川は美しかった
黒い甍と
ススキや名も知らぬ花が光に輝いていた



ふと
人生に目的なんて無いから
この景色がいとおしく感じるのだなあと思った







旅に出ると いろんなことを思い出す
その多くが これまでに出会った人たちのこと



大分の旅で立ち寄った ニューラーメンのお母さんは
元気でいるだろうか


トルコの山奥で「この村に日本人が来ることなんて2度と無いと思う」と
心づくしのごちそうをしてくれた家族は
達者だろうか



多くの人は 他人のことをそれほど思い出さない
自分のことも ほとんどの人が思い出すことは無いと思っている
思い出しても なんの利益にも繋がらないから






ホテルからの 何ともない眺めが好きだ





時間だけが過ぎていき
自分はずっと同じ場所にいるように感じるが
実は自分も時間と一緒に流されているのだ






そして今日も仕事に出かけて
忙しい自分に戻っていく

準備。

2022年10月11日 09時29分50秒 | おしごと日記



撮影準備



出演者の前を走る時のために
バイクにはドロヨケ


そのまま歩いて撮影を続行できるように
ペダルはSPDに変更



ロケ先で洗車に時間を割きたくないので
さっと拭けば汚れが取れてキレイになる
ワコーズのバリアスコートを塗布


ホイールは下り坂の安定感が抜群な
フックレスのZIPP353
パンク対策に 最強のシーラント剤・マクハルシーラントを
多めに40ml注入


全行程400kmをノーメンテで走り切れるように
チェーンはABのワックスでしっかりコーティング






カメラや三脚はすべて私物
番組所有のカメラは 前に使用したスタッフが
メンテナンスしていないことが多いので
現地で困る可能性を1つでも減らしておく



だいたいロケの3ヶ月ぐらい前から
撮影について考え続けている
どこの道を走りたいか
どんなシーンを撮りたいか
その土地の道はほとんど調べ尽くしておく
急な通行止めに遭っても すぐに最善の迂回路を思いつくように




腕の傷は ニチバンの防水シートが素晴らしい働きをしてくれて
5日目にキレイに治った
ただ 出来たての肌は 日に当たると色素沈下するため
しばらくは絆創膏で覆っておく





これから車両が来て 荷物の積み込み
ADさんが準備してくれた荷物をざっと見ていたら
予備タイヤが650Cだった
しかもチューブまで650C
よくもまあ レアな商品をチョイスしたもんだ(笑)



超一流大学を出て
3年もこの番組をやっていても そんなもんです
ちょっとした不安は デフォルトだと腹を決めて
行ってきます★

夢を描く。

2022年08月05日 22時47分43秒 | おしごと日記


ニセコで走る私

福田さんのカメラにずっと写っていた


パワーの数字はあるのに 先頭集団に入れなかったのは
覚悟がなかったから
後のことを考えすぎて出し惜しみしたら
その瞬間にレースが終わった


撮影素材を見ていたら
男子部員たちが口をそろえて
「林さん見た?」「見てない」
「林さん残ってるかな?」「いるはずです」
そんなやりとりを何度もしていた

聞くたびに モニターに向かって「いねえよ!」と答えた(笑)


一生忘れない悔しさが残ったが
大きな自分へのプレゼントだと思うことにする


放送は明日です






4本の担当回のうち 3本が仕上がり
ようやくお盆休みが見えてきた

ちょうど偉い人から「企画を書いてくれ」と言われたので
ずっと調べ物をしているが
旅のコースを考えると なぜか獲得標高が2万m近くなってしまう(笑)



旅の面白さは ルートで9割が決まる



私のロケはぶっつけ本番でやることが多く
出会う人はその場でたまたま出会った人ばかりだ

だが それはただの「偶然」ではなく
「意志」の先にある出会いだ


「この町ではお笑いのシーンを撮りたい」
と思っているから
笑いが生まれそうな人にばかり話しかける
そして腹を抱えて笑うようなシーンが生まれる


ルートを考えるとき
その旅の形や展開も考えている
だからルート選びが9割なのだ


つまり
新規で考えている旅の
脳内イメージを実現するルートを選んでいたら
距離843kmで
獲得標高がどうしても20,000m近くなってしまうのである



ロケは現地7日間ぐらいしか無いんだけど(笑)




通るか分からない企画だが
考えている時は究極に楽しい
夢が詰め放題だから

高知へ。

2022年07月20日 19時59分08秒 | おしごと日記
ただいま同時進行中の番組が11本

その中で自分が直接担当しているものは4本

何が大変かというと
頭のスイッチの切り替えが追いつかない


今までロードレース男子部に心を集中させていたのに
隣の部屋に行くと 別なテーマに集中する
もっとスイッチの切り替えがテキパキ行くようになりたい


時間がないのは相変わらずで
休みは家族のための時間が優先なので
自分のための時間は ほぼ取れない



しかし!
何が起こったのか
ついに2日間の休みをもぎ取ったのである!



ああ 仕事じゃなく
1泊2日で自転車旅できるなんて…





行き先は
サイコロを転がして 高知県に決まった


いつか自転車で走ってみたいと思ってた
あこがれの高知県
(4度やった高知ロケは全て不参加)


空港のロッカーに輪行バッグを預けて
荷物は最小限にして
宿だけは押さえた檮原(ゆすはら)を目指すのだが
山岳ルートで計算したら
往復400kmで 獲得標高が7500mとな(笑)


おすすめの道とか 食事処などあれば
ぜひ教えてください★

ちくわ。

2022年07月06日 02時27分43秒 | おしごと日記
自転車で家を出て
会社へと向かう



真夏でも 雨さえ降らなければ自転車で通勤する
電車に乗ると気分が滅入るし
駅の乗り換えで必ず逆方向の電車に乗ってしまうから(笑)




さて 幹線道路へ出てスピードを上げようと
ギヤチェンジをするが
重くはなるのに 軽くなってくれない
どうやら左レバーがおかしい






電池切れかと思ったが
ガーミンの表示はご覧の通り 満タンだ


おかしいなあと
ギヤチェンジを続けていたら
どんどん重くなって
アウタートップになってしまった






重い…


真夏のアウタートップはキツい



はたと思い当たる
ディレーラーのバッテリーは しばらく充電していないのに
満タン表示になっている
これはガーミンの表示が怪しいぞと




近くにサイクルベースあさひがあったので
店員さんに「CR2032の電池はありますか」と聞いたら
何のことだか分かってもらえなかった


ロードバイクに必須のボタン電池を知らずとも
自転車店員ができるのか…


自分がもし自転車店員なら
あらゆる機材と メンテナンスに精通しておきたい
その方が絶対に楽しいから







シフトレバーは 電池を換えたらちゃんと動いてくれた
バッテリー残量表示は信用ならねえな








スタジオには30分遅れで到着

遅れたぶん 早く仕事を終わらせて次の現場へ自転車移動
信号待ちで見上げた空がキレイだった


空はいい
果てしなさを感じて 自分の存在を無にできるから









3つ目の編集室に行くと
見たことのない箱が届いていた







シンゴちゃんが送ってくれた
長門名物のちくわだった



ちくわを見ると どうしても
♪ちくわよちくわ どうしてお穴があいてるの?
という 獅子丸の歌を思い出してしまう(笑)

撮影スタッフみんなに配給
絶品でした




その後 車両で関西へ移動
車内で明日のインタビューのための
レースと人物の研究をする


出会って一言目に何を言おうか?
相手の気分をどんな方向に持って行って
最後はどんな言葉を引き出そうか?
悩みが尽きなくて眠れないので
ブログを書いた(笑)

励ます。

2022年06月30日 14時59分42秒 | おしごと日記



週末はロケだったので
出発前にがっつりトレーニングしておいた



筋肉痛の脚を揉みながら 飛行機で移動



空の風景を眺めながらぼんやりと考える
自分は強くなって どうするのだろうか?
もう少しだけ強くなれたら
もう少し楽しくなるのだろうか?



悶々と考えても 結局答えは出ない
そんなことは強くなってから考えよう と
考えることをやめて寝た







励まし方というのは難しいと
最近よく考える



その人が一番言ってほしい言葉が正解なのだが
心に届かなければ意味がない
例えばケガをした人に
「お大事になさってください」
とは言わない
その言葉は大勢から言われるだろうから
心に届かないし 言われて嬉しい言葉でもない





五郎さんが 最近ずっと落ち込んでいたので
何か言おうと考えたが
これがまた難しい




五郎さんが落ち込む理由は
「将来を考えて暗い気持ちになる」か
「目標を失っている」かの どちらかが多い


ブログの文面からすると
将来を考えてブルーになっているのではないかと
ヤマを張る


そして五郎さんは わずかな逆風に燃えるところがあるので
(強風ではダメ)
五郎さんがすごい人であると 正直に伝えることと
褒めるばかりではなく 微妙なスパイスを加えるのが良さそうだ

あれこれと 1時間ぐらい
メッセージを書いては消し 書いては消し

「五郎さんの立場でも どん底に入り込むってことが
 人々に勇気を与えていると思うので、
 安心してどん底を楽しんでください」

と送った


「すごい励まし方だなあ でも嬉しいかも」
と返ってきた


落ち込んでいるときは 返事まで時間がかかるが
すぐに返事があったので少しは元気が出てきたようだと
少し安心した






それからすぐに 五郎さんが落車で大ケガをしたのだが
五郎さんから落車したと連絡がきた時
自分の励ましが遠因になってはいないかと
しばらく考えていた


チェーンが切れてバランスを崩し落車したことと 自分の励ましとは
関係ないように思えるが
心を少しでも動かしていたなら 全く関係無いとも言えない



それに もう少し面白い 笑えるような励まし方が
あったかもしれないとも思う



何を言ったら良かったのかと あれこれと悩んで
行き詰まってまた 考えるのをやめる
そんな繰り返しです