窓枠に座ることを、「箱乗り」と言うようです。
撮影車からの撮影はほぼ「箱乗り」です。
座っているので楽に見えるかもしれませんが、
体を支えているのはダッシュボードの下に差し込んだ左足一本。
車が右カーブすると、遠心力で体が左に飛んで行きそうになります。
それを左足と腹筋で支えるので、とても良い筋トレになります。
ブータンはほとんどが坂道ですので(しかも激坂)、
今回は自転車からの撮影は諦めました。
両手離し運転で坂道を登るのは、大変な困難なのです。
そこで今回は…走りました。
山陽さんはそれほどスピードを出しませんので、
登りはジョギングでついて行きました。
空気が薄いから、息も切れ切れに☆
(思い出すだけで苦しくなる…)
そんなロケでは、やはり機材も痛みやすいようです。
撮影4日目に、最大のピンチを迎えたのであります。
カメラの液晶画面が、グラグラしてきちゃったのです!
みるみるうちに緩んで来て、あわや画面が取れそうでした。
画面が取れちゃったら、撮影続行は不可能。
予備のカメラはありませんし、
ブータンでハイビジョンカメラを手に入れるのも難しいでしょう。
自分で修理するしか道はなし。
ホテルで分解することにしました。
ブータンの山奥で、精密ドライバーなんて手に入るわけも無く。。
持っているのはカード型の十得ナイフのみ。
精密ドライバーの代わりになりそうなのは…このナイフ。
手元をあやまって配線を「プチッ」と切ってしまったら、
これは死刑宣告に等しい。
ナイフと、爪楊枝で
そろりそろりとネジを回す。
蓋を外すと、中から小ネジがころりと出て来る。
これが液晶画面の弛みの元凶。
手元が狂わないように、息を止めて、液晶画面を分解&組み立て。
空気が薄いので、すぐ息が続かなくなる。
この状態、中国の屁こきマッサージを思い出す…。
そんな格闘を、ホテルの薄暗い一室で続けること1時間。
なんとか弛みがおさまって、ほっとひと安心すると、
あっと言う間に眠りに落ちてしまいました。
おかげでバッテリーの充電ができず、次の日はバッテリー残量との格闘となりました…。
この二日間、ハラハラ続きで白髪増えたかも。
次からは修理道具も持って行かねばならんのかいな…。
カード型の携帯用精密ドライバーってないかなあ?