◎天国の青い蝶(2004年 カナダ、イギリス 94分)
原題 The Blue Butterfly
staff 監督/レア・プール 脚本/ピート・マコーマック 撮影/ピエール・ミニョー
美術/イェイム・フェルナンデス 音楽/スティーヴン・エンデルマン
cast ウィリアム・ハート マーク・ドネイト パスカル・ビュシエール ラオール・トゥルヒージョ
◎1987年、カナダからメキシコへ
カナダの昆虫館モントリオール・インセクタリュウムにある巨大コレクションは、
昆虫学者ジョルジュ・ブロッサールのもので、映画はここから始まる。
この映画は、かれの体験した不思議な実話らしいんけど、
環境が劇的に変わることで、ほんとに末期の脳腫瘍が快癒するんだろか?
でも、当時6歳(映画では10歳ね)だったダヴィッド・マランジェが来日して、
自分の体験についてインタビューに答えてるんだから、ほんとなんだよね?
てな疑問を観る前には浮かべていたんだけど、それは無駄な時間だったかも。
洋画のいいところは、病気を悲劇だと捉え切らないことだ。
重篤な病気になって病人が苦しんだり、それを見守る家族や関係者が狼狽したり、
ともかく、
死を迎えることで、悲しみにひたる映画が感動作だとかいうことに、
ぼくは、首をかしげちゃう。
悲しみを見て涙するのは同情で、喜びを見て涙するのが感動だとおもうから。
この映画も、そういう類いのものだ。
もちろん、病気と蝶、そして学者と母親の恋愛を媒介にして、
人間の肉体と心の再生を主題にしている。
ロケ地は、中米コスタリカの熱帯雨林、トルトゥゲーロ国立公園あたりだそうな。
実際に蝶を捕まえに行ったのは、アカプルコらしいから、ちょっと雰囲気がちがう。
より神秘的なロケーションを持っていることがロケハンでわかったからだろう。
その雰囲気は、この映画には欠かせないもんね。
ちなみに、モルフォ蝶の美しさといったら、ない。
ブルーモルフォっていう蝶は、モルフォ蝶の中でも青いやつの総称なんだろうけど、
その中でも、ぼくは、
キプリスモルフォとヘレナモルフォっていうやつがお気に入りだ。
ブローチとかが手に入ったら帽子にでもつけるんだけどな~。