◎ダウン・バイ・ロー(1986年 アメリカ、西ドイツ 107分)
原題 Down by Law
staff 監督・脚本/ジム・ジャームッシュ
撮影/ロビー・ミュラー 美術/ジャネット・ディンスモア
音楽/トム・ウェイツ ジョン・ルーリー マーク・リボー アート・リンゼイ
cast トム・ウェイツ ジョン・ルーリー ロベルト・ベニーニ ニコレッタ・ブラスキ
◎氷菓!
舞台は飛騨高山、じゃなくてルイジアナ州ニューオリンズ。
筋立ては単純明快。
刑務所の雑居房に放り込まれた元DJとポン引きとイタリア人の流れ者が、
気は合わないけれども一緒に脱走し、森を抜け、沼を抜け、酒場に辿り着くんだけど、
結局、3人同居の留置場みたいな感じになるものの、
元DJとポン引きは、
酒場の女にひと目惚れされたイタリア人だけ残して、別々の道をとっていく、
っていうだけの他愛ないものだ。
ところが、秀逸。
なにが凄いって、白黒の画面と音楽。
ことに、移動撮影が効いてる。
川が流れるように、人生も流れるように、立ち止まることなく移動していく。
この移動撮影に、アバンギャルドなインストルメンタルが被さることで、
なんだか、前衛芸術でも観てるような気分になれたりするんだから、ふしぎだ。
くわえて、ロベルト・ベニーニの語呂合わせがまたいい。
「I scream,you scream,we all scream,for ice cream」
日本語訳にしたら、
「おれも叫ぶから、おまえも叫べ、おう、みんなで叫ぼうぜ、アイスクリームってよ!」
当然、なんにも、おもしろくないけど、
実はこれ、マザーグースなんだよね。
あ、ちなみに原題の「Down by Law」の意味は、たぶん、
「ダチ公」