◇モスラ (1996年 日本 106分)
英題 Rebirth of Mothra
staff 監督/米田興弘 特技監督/川北紘一 脚本/末谷真澄 音楽/渡辺俊幸 撮影/関口芳則 美術/部谷京子 デスギドラ・デザイン/吉田譲 エリアス衣装デザイン/本谷智子 劇中歌/『モスラの歌』歌:小林恵、山口紗弥加、作詞:由起こうじ、インドネシア語訳詞:大槻秀樹、作曲:古関裕而、編曲:渡辺俊幸 『祈りの歌』『モスラレオ』歌:小林恵、山口紗弥加、作詞:楊銀華、作曲:矢野顕子、編曲:渡辺俊幸
cast 小林恵 山口紗弥加 羽野晶紀 萩原流行 寺尾聰 高橋ひとみ 梨本謙次郎 本多猪四郎(写真)
◇特撮とボク、その59
実は、この新生モスラの3部作は意外によくできてる。
ていうか、ぼくはけっこう楽しめた。
ファンタジー色はかなり濃厚で、環境破壊を阻止しなくてはいけないという主題もまた前面によく出てる気はする。特撮もまた合成がよくできてて、デスギドラを封印していたメダル・エリアスの盾を取り合いとなった、家の中での黒い妖精ベルベラとエリアス姉妹による空中追いかけっことか、意外に楽しんじゃったりしたのだ。
デスギドラのデザイン、ぼくはけっこう気に入ってる。キングギドラの亜種といっていいのかどうか、たぶんそうなのだろうけど、怪獣としての完成度は高いんじゃないかと。ある時期、怪獣のデザインはきわめて行き詰まり、ゴジラのシリーズでももはや二度と観たくないようなものまで出てきちゃったりしたけど、このデスギドラはとてもいい。
なんていうか、女の子向けの特撮映画ってなかったようにおもうし、そういう雰囲気が漂ってたりする作品はめずらしいんじゃないかっておもうんだよね。妖精たちはたしかに肌はけっこう露出されてるんだけど、でも健康的で活動的だ。まあ、モスラのミニ版のフェアリーは安直な気がしないでもないけど、ベルベラの使う怪獣型のロボット・ガルガルは秀逸の出来栄えなんじゃないかとすらおもったりするんだ。
それと、小美人、コスモス、エリアスと変化してきた双子の小人なんだけど、今回は双子ではなくて姉妹ってイメージなんだね。ていうか、羽野晶紀演じるベルベラが長女で、3姉妹なのね。知らなかったわ~。ま、役割分担がなされたのは初めてなんじゃないかっておもうし、これはこれで正解だったんじゃないかと。ただ、末っ子のロラはいいとして、モルっていう名前はやめてほしかった。『マグマ大使』じゃないんだから。あ、ところで、ベルばらみたいな名前のベルベラってのはなんで悪者になってんだろう。なんの説明もないのが唐突な気もするんだけどな~。