◇リトル・シングス(The Little Things)
さすがに四半世紀も眠っていただけのことはあって、目新しいところはなにひとつない物語なんだけど、観てて「あれ、どうして携帯電話を使わないの?」っていう錯覚をおぼえるくらい1990年当時のままだった。こだわりがあって1990年になってるわけじゃないところが辛いな。この売春婦連続殺人事件の犯人が未確定なまま続編ができるっていう前提ならいいんだけどね。
でも、ジョン・リー・ハンコック以外に脚本も監督もする人がいなかったくらいな話なんだから、彼が動かないかぎり無理なんだけど、でも、腹がたっぷりと出たなかば引退したも同然の心臓疾患を抱えた刑事デンゼル・ワシントンがそのまま続編ってわけにもいかないだろうし、なんせ、落ち度っていうか過失傷害致死を連続して隠蔽してる刑事たちをどうやって奮起させるのかって物語になるわけで、こいつはかなり暗いぞ。
ところで、ラミ・マレックはエジプト顔そのままでいるととっても気弱な好い奴にしか見えないから、これをどうやって演出するのかってのは難しかったろうなあっておもったりする。それはやっぱり腹のぽってりしちゃったジャレッド・レトを猟奇犯罪マニアに仕立て上げるのが大変だったろうなっておもえるのとおんなじだ。