◇マーシュランド(La isla mínima)
湿地帯って意味らしい。不気味な音楽もいいし、湿地の真下に見下ろした空撮がとてつもなく美しい。
単調に淡々と姉妹失踪事件の捜査が始まるんだけど、正義感の先行するラウール・アレバロと色々と練れてしまったハビエル・グティエレスの刑事ふたりがなんとなく良さげなコンビに見えて、とくにハビエル・グティエレスは女に甘くてたぶん淋病を病んでたりして、姉妹の母親ネレア・バロスが美人な分、なんか淫靡で不気味な雰囲気が醸されててええね。
霊能者が農家の廃屋に娘たちがいるっていう夢の中の母親のお告げを話したあたりからどんどん身が入る。湿地の沼で発見、乳首はほじくりだされ、膣は裂傷、肛門も犯され、手首も落とされ、丸裸に剥かれて投棄されるという猟奇的な事件で、ブルーフィルムに出されてたかもしれないっていう写真とフィルム。いや、アルベルト・ロドリゲス、演出力あるわ。
最後の湿地帯での犯人との格闘は『野良犬』みたいだったけどね。