◎燃ゆる女の肖像(Portrait de la jeune fille en feu)
なんてまあ綺麗な絵柄だこと。
ビバルディの『四季』の『夏』がとっても効果的で、最後の場面、コンサートホールでノエミ・メルランがアデル・エネルを最後に観たという場面だけれども、そこでこの音楽がクレジットタイトルと共に掛かる。実に効果的でいいね。それにしてもノエミ・メルランのリスのような眼と小さな顔といったらないし、アデル・エネルの腋毛のもうもうとした中に媚薬を塗るところは凄味すらあるね。
でもまあ、予算が乏しいのか、場面と構図が決まり切ったものになってるのが苦しい。ただその分、とっても落ち着いた静かさが醸されてはいるんだけどね。とはいえ、予告編を観たときの衝撃の方が本編よりも優ってて、観る前にこの映画が凄いんじゃないかって期待しちゃった分、ちょいと気が殺がれた。