◇ミュンヘン(Munich)
なんといっても、キャストが豪華だ。スピルバーグのおかげなのかなっておもってしまいそうになるほど贅沢なキャスティング。エリック・バナ、ダニエル・クレイグ、ジェフリー・ラッシュ、マチュー・アマルリック、モーリッツ・ブライプトロイ、マイケル・ロンズデール、そしてなんといっても陰毛までさらけだした死体の演技までこなしたマリ=ジョゼ・クローズ、いやあ、堪能したわ。
ただ、長い。
パレスチナの過激派集団『黒い九月』のミュンヘン五輪の襲撃、つまり宿舎の中でふたり殺され、人質にされてヘリコプターに乗せられた9人がすべて殺害されるっていう残酷さに対する復讐をモサドが挑んでいくものの、やがて殺し殺されることに疑問を持ち始めるっていう筋立てはよくわかるんだけど、長すぎてね~。モサドの「神の怒り作戦」を担当するのは5人の専門職なんだけど、ときどきフラッシュバックで表されるミュンヘンの襲撃で殺されるのは11人、黒い九月の襲撃メンバーも11人と、このあたり妙にこんがらかるわ。