◇ジェシー・ジェームズの暗殺(The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford)
なるほど、これは主人公は、ブラッド・ピット演じるジェシー・ジェームズに憧れて追いかけて失望して絶望的な射殺に到るケイシー・アフレックの物語なのね。ま、いずれにせよ、ふたりの押し殺した演技はなかなか見事なもので、凶器を孕んだケイシー・アフレックは観てて辛くなるくらい上手い。
ジェシー・ジェームズは西部の無法者で、ギャングの集団をひきいてはもう手の付けられない暴れようだったんだけど、でもかれを讃える連中は後をたたず、その中にケイシー・アフレック演じるロバート・フォードもいて、これが頭の悪い男で、ジェシー・ジェームズに憧れるあまり、自分の理想をおしつけ、そして勝手に失望して殺人にいたった事件を、別な角度から観なおそうっていうのはまあわかるし、成功してる。
とにかく、サム・シェパードだの、メアリー=ルイーズ・パーカーだの、ジェレミ・レナーだの、役者が揃ってて、画面はやけに落ち着いている。