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誰が為に鐘は鳴る

2021年12月02日 17時53分37秒 | 洋画1941~1950年

 ◇誰が為に鐘は鳴る

 
 小学生の頃、テレビで放送される映画はかなり決まってて、この作品も飽きるくらい見かけた。そう、見かけたというのがいちばんしっくりくる。なぜなら、小学生の僕にスペイン内乱も義勇軍もヘミングウェイもまるきりわからなかったからだ。
 
 インディアナ・ジョーンズの原型のようなゲーリー・クーパーが『アメリカでは共和党でも逮捕されない』といったところでよくわからなかった。
 
 ただまあ、中学生くらいになってからは今度は興味の対象は『キスはどうやってしたらいいの?鼻は邪魔にならないの?』とかいう台詞に凝縮されるんだけど、それでもなんだかわかったようなわからないような感じだった。
 
 で、このたび、ひさしぶりに観たんだけど、イングリッド・バーグマンの知的な可憐さは変わらないものの、なんだかドーラのようなゲリラの女魁はさておき、引きの絵がほとんどなくて、どうにも単調なんだよね。
 
 1943年に制作されたことへの驚きはあるものの、なんだかね。そこへゆくと同じ頃に撮影された『白い恐怖』のおもしろはどうだろう。サム・ウッドとヒッチコックの才能の差をあらためておもいしらされるわ。
 
 にしても、バーグマン、髪の毛を切ってサム・ウッドに売り込みに行ったとかいう話がまことしやかに残ってるけど、それはともかく撮影されたのは、少なくとも髪の長かった『白い恐怖』の撮影後ってことになるよね。
 
 

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