デジタル時代になって、APS-C規格の撮影素子がフィルムより小さいので、レンズの焦点距離がみんな1.5倍になり、私の場合は、超広角レンズ側が不足するようになってきた。例えばフィルム時代の広角ズーム20mm-35mm/f2.8のニッコールレンズでワイドな風景を楽しんでいたら、デジタルでは35mm-52.5mmという平凡な標準ズームレンズになってしまう。
だからマイクロフォーサーズ規格であるオリンパスの9mmから始まる広角ズームレンズの画角は、建築を撮影する機会が多い私の場合は、大変有り難い。
そこで何気なく撮影した万灯会の夜の東大寺の画像も、画角18mm相当でこんな具合に、柱がちゃんと垂直に撮影できるアングルが得られるわけだ。久しぶりに至極普通に建築写真が記録できる世界に戻れたわけだ。このレンズは、いつもペンライトに付けっぱなしである。
最近、撮影機材メーカーが微妙に静かだ。マイクロフォーサーズ規格の好調を受け、新規格の製品開発をしているとする噂も聞こえてくる。そのような動向でも私の場合は、オリンパスペンの規格で満足なので、あまり興味がわかない。むしろオリンパスペンというブランドを復活させたことのほうが、大きい意味を持つと考えている。
時代のトレンドは、新規格と言うよりは、むしろブランディングではないだろうか。個性と一貫性があるプロダクト・ブランドが求められていると思うが・・・・。
そうなるとあの名機ニコンFのデジタルバージョンでもつくるのか(笑)、いやそういう陳腐なことではなくて、FUJIのFinepixS5のフルサイズ版後継機が欲しいとか、多少ネチネチとしたこだわりもあるが。
東大寺万灯会、撮影日2010年8月15日
OLYMPUS PEN E-PL1,M.ZUIKO DIGITAL 9-18mm/f4-5.6
シャッター1/8,絞りf4,焦点距離9mm,ISO1600,iFINISH