Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編159. 時既に遅し

2015年07月10日 | diving

 今週は、スライドネガのデジタルデュープの作業に没頭している。多分1万枚はあるだろう。ニコンDfで丹念に複製を作成している。
 当然デジタル化すれば、色や解像度が随分と落ちることは明白だ。それにしてもスライドフィルムの立体感や発色の良いことには、今更ながら感動される。こんな素晴らしい媒体を捨てて、デジタルですかぁー。だからなんともやるせない気分ではある。場所さえあれば保存しておきたいが、なにしろスライドでは閲覧できる媒体がなくなりつつある。だから見ない、使わないとなる。ならば媒体にしてスライドビュワーの簡単な方法にしておいたほうがよかろう。それに場所の節約にもなる。
 今思えば、一斉にデジタル化する必要もないだろうと思う。フィルム派、デジタルはといった具あいに媒体が二分されていてもよかったのにと思われる。一体何が撮影画像のデジタル化を大きく推進させてきたのだろう。
 最大の理由は、フィルム代や現像代が高かったというのがある。1本のリバーサルフィルム代と現像代で2,000円かかれば容易には撮影できない。それがただ同然となれば、やはりデジタルに向かわざるを得ない。そのかわり圧倒的多数の人間が容易に実に数多くの撮影をし、画像を共有できる時代になってきたことは、フィルム時代の感覚ではなかったことであろう。
 やはりフィルムメーカーの発想が古くさかったというべきか。その古くささと、写真は高価なものだという固定観念が結局フィルム自体を衰退に追いやってしまったといえるのだろうか。実はユーザーは、もっと多くの写真を撮りたかった。フィルム企業は、そうしたニーズをつかみきれていなかったのか。フィルムや現像やプリントの価格をはるかに低コストにして、多くの利用者のニーズに応えておけば、よかっただろうにと思われる。時既に遅しである。
 そんなわけで過去のストックのデジタル保存にやっきになっている日々である。

沖縄県 慶良間諸島 
ニコンCoolpix AW130
ISO125,焦点距離4.3mm,露出補正0,f/2.8.1/1250

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする