ダイビングから戻って連日京都の自宅で「プハァーー」と叫びたくなる仕事をしていた。
文科省の科研費申請の書類作成だ。そこでいろんなことを考えさせられた。大きなことでは「言葉」。これについて書き出すと長く複雑になるのでパス。
これと関連しWEB申請になってから、書類の画面上の編集がものすごく貧しいことにも気がついた。それはペーパーの延長としてWEB画面を捉える、私にいわせれば間違ったとらえ方をしてくれることに起因する混乱のるつぼである。これも長く複雑になるので別の機会に。
さて今回から科研費申請書類に新しい手続きが導入された。新しいといっても複雑になっただけだが。科研申請書類の中には、研究代表者と研究分担者という2カテゴリーがある。代表者はもちろん申請者本人だし研究を統括する責任者だが、共同研究だから他大学の共同研究者が発生する。この共同研究者を2段階で承認する意味不明のシステムができた。
私が研究代表者であれば、WEB上で他の大学の共同研究者に共同研究の承諾を私から求めるわけだ。ここまではよい。というのも彼は私達の仲間だから、あうんの呼吸で済む。でっ、承諾すると私の申請書類の画面に承諾のマークが出る。ここまではWEB上でリアルタイムで進む。
次に共同研究者が所属する大学事務組織の承諾が必要になり自動的に大学事務へ問い合わせが回される。こんどは共同研究者が所属する大学組織が承認するわけだ。つまり2段階の承認が必要になる。要はたらい回しか。あまり昔と変わらない。
旧国立系の大学だと、所属する研究分担者の先生が承諾すると、直ちに大学事務の承諾も行われる。その結果は私の見ている申請書類のWEB画面に次々と表示される。つまりリアルタイムで片づく仕事なのである。
さて名前は言えないが共同研究者が所属する大阪府にある私立S大学・・・あの、寝屋川市にある(名前をいったも同然か!)の事務承認がなかなかこないまま、ついに書類提出の締め切り日を迎えた。
でっ、僭越ながらS大学の事務に電話を入れ、年配の男性職員に事情を説明したら「部門が違うので連絡しておきまぁーーーす!・☆××△・」と心許ない。
その後にこの大学に所属する共同研究者から私宛に電話があり、「その承認には学部長への稟議書の提出が必要であり学部長決裁がいる、今書類書いて提出するから情報をくれ!」といわれて驚いた。たかがパソコンの画面で承認のボタンを事務職員がクリックするだけだよ・・・。物事はリアルタイムで進まないのである。げっーーー!!、本日が科研書類提出の締め切り日なのにさぁー・・・。つまりS大学の事務組織が古くさいわけ。
その承認という事務仕事が済まないと、私の科研費申請書類が提出できない。締め切りに間に合うのかなぁー・・・。まんじりと時間は過ぎ私は再度S大学に電話を入れた。
今度は叔母ちゃん風事務員が登場した(先の年配の男性職員は逃げちゃったのか)。彼女曰く「稟議書は出てきました。学部長決裁待ちです。今根回しして準備しています。決済が下りたらすぐに研究支援社会システムセンター(ながすぎるよ!)で承認します、あと1時間お待ちください、大丈夫です・・・」となかなか歯切れが良く、頼もしく、機敏に動いてくれている空気を感じた。つまり組織が古くさいのであるからマンパワーですすめるしかないのだろう。
そんなやりとりをしていて気がついた。いざというときは叔母ちゃん風事務職員が解決に奔走してくれる。頼りになるのは叔母ちゃん達だ。そうか叔母ちゃん達でS大学は持っているんだ。そんな叔母ちゃん風事務職員の行動力に救われて、私の書類提出は締め切り日に間に合い、一件落着した。
そういえば、名古屋市にも叔母ちゃん風やり手役人がいたことを思い出した。いや小学校の校長先生なんかもろ叔母ちゃんが沢山いる。そうなると国の官僚達も叔母ちゃん風が数多くいるだろう。その叔母ちゃん風がこの国を支えているのではなかろうか、と考えてしまった。何しろ叔母ちゃん達は行動力があるんだ。今は叔母ちゃん達の時代かもしれない。
さてここで叔母ちゃん風と書いたが、電話口の声の感じで私がそう感じたからなのだが、実際は叔母ちゃんではないのかもしれない。彼女たちの名誉のために断り書きをしておきます。
沖縄県座間味島アリガー
Nikon W300,NIKKOR 5X OPTICAL ZOOM4.3-21.5mm、F2.8-4.9
ISO125,焦点距離10.1mm,露出補正0,f/4.4,1/125